カーボンバンク株式会社

中村 豪

銀行の名を持つ省エネの「総合商社」

CO2排出量をクレジット販売する会社
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カーボンバンク株式会社 社長 中村 豪氏のONLY STORY

省エネをトータルで支援するのが強み


カーボンバンク株式会社は、二酸化炭素(CO2)の削減から活用までトータルで支援する。省エネのコンサルティングを柱に、国内では数少ないエコの「総合商社」だ。中村豪社長に会社の未来像などを語っていただいた。

「エネルギーの削減から活用まで、トータルでご支援させていただくのが一番の売りです。仕事内容は、健康診断のような省エネ診断があります。
その中で空調、照明などを更新することで大幅な省エネになるケースが出てくると、初期投資がかかるので、省エネ系の補助金活用のご支援をします。ここまでは技術系の会社でもしているのですが、省エネによって実際はCO2も下がっているのです。そこでCO2の排出量をクレジット化で価値をつけ、新電力会社などに売ります。彼らは発電に関わるCO2排出量が毎年、公表されますので、これを下げるためにクレジットを利用します。
自治体等の入札で(エコの)評価基準もありますので、これに対応するためです。削減した方々にお金の還流も含めたのがJクレジットです」

同社ではこのほか、カーボン・オフセットというCO2を吸収する植林事業や森林活性化などの事業も行う。利益が出にくい事業だが、競合他社との差別化を図るための中村社長のこだわりだ。

紆余曲折から得た省エネのスキル


中村社長は、会社勤めで多角度からエネルギーの方向性を学んだ。

「大学では航空宇宙工学科を専攻し、飛行機の整備士を目指していました。希望が叶わず、機械商社に入って発電所の蒸気や水などを調整するバルブの設計を通して、どっぷりエネルギーの世界に浸かったのがスタートでしたね。
ただ、発電所は遠い所に造って電気を送るという、距離でロスをすることに疑問を感じました。そこで『オンサイト』と呼ばれる、使う所で発電する発電機を売る活動をするメーカーに注目して転職しました。そこでは原油価格が高騰して、撤退することになりました。3社目で省エネのトータルサービスを提供する仕組みを日本で初めてつくった会社に出会いましたが、事業構成の変化などもあり、地元の船橋(千葉県)に帰ってきました。もともと独立したい気持ちもありましたし。」

3社目を退職後、約2か月で起業に至った。

「エネルギー畑でサラリーマン時代から働いてきて、技術屋としてできることはなんだろう、と考えていました。子どもが2人生まれたこともあり、将来の世代へ地球環境を残したいと思いました。社名のカーボンはCO2(二酸化炭素)を意味しますが、基本的には減らす方向に向かっても、どうしても増えてしまうことがあります。それをうまく融通できる会社にしたいという意味も込めて、カーボンバンクは生まれたんです。」

エネルギーを多方面で活用する構想


エネルギーをさまざまな形で、世の中に融合させていく。そんなプランの数々が中村社長の頭に詰まっている。

「エネルギーと同じく、なくならないものとして食べ物があります。余っているエネルギーをうまく活用した、永続的な植物工場を開発していきたい。ここが僕の最終的な出口になります。まだまだメンバーを集めている段階ですが、CO2ゼロの植物工場を造るのが夢ですね。」

さらには地元と社会活動の融合も視野に入れる。

「千葉というエリアでできることを模索しています。船橋は『ふなっしー』で有名になりましたが、ナシ農家が50戸ほどあり、そこで出る枝を燃料にできないかという地域性も考慮していたり、障害者雇用や引きこもりの方々の自立支援の分野まで力を入れていきたいですね。」

最後に私たちへのメッセージをいただいた。

「取りあえず、やってみればですね。やりながら考える。身ひとつ、周りの協力でできることなら取りあえず、できるじゃないですか。ダメなら謝ればいいので。」

エネルギーで社会全体を発展させる飽くなき構想の数々。豊富な人脈を持ち、省エネのトータルサービスができるカーボンバンクだからこそ、可能な取り組みなのだ。

編集=勝野・山崎

カーボンバンク株式会社の住所や電話番号、採用・求人等が載っているホームページはこちらから↓

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