株式会社 環境ビジネスエージェンシー

鈴木 敦子

成熟した未来社会。私たちみんなが舵を取る。

大切なのは、循環する仕組み
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株式会社環境ビジネスエージェンシー 社長 鈴木 敦子氏のONLY STORY

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「自分の進む道は、これだと思った。」


『プレゼントツリー』を、皆様はご存じだろうか?
“大切な人の記念日に、木を植えましょう。”
孫の誕生日。プロポーズ記念。
そんな記念日に、樹を必要とする場所に1本の記念樹を植えるサービスだ。

これが、環境保全に役立つエコアクションになっている。
申込者は「環境のために」と気づかなくとも、日本の森、過疎地を救うのである。
そうした目に見えない価値が、新しい息吹を吹き込む時代が来る。

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鈴木敦子社長は、その先陣を切って歩く一人の女性である。

「大学の時の、サークルみたいな小さいゼミ。それが運命の出会いでした。」

学生時代の鈴木社長の目に留まったのは、地球環境問題とエネルギーについて学ぶ一般教養科目だった。
当時在籍していたのは法学部政治学科。法律、経済、政治・・・幅広いジャンルを扱う学科だった。
「政治学科は、一番人気のある学部だったから選んだんです。その時は自分が将来何したいかなんて、勿論何も決めていませんでしたよ。
人気の学部に行けば、きっと面白いことがあるだろうと思って選んだだけ。」
鈴木社長は幼いころから好奇心たっぷりで、パワフルな女の子だったという。

学生時代の鈴木社長は、一般教養科目での環境問題の学びで満足せず、仲間たちと、その続きを学べる環境ゼミを立ち上げた。
そこで若き鈴木社長は活動に没頭する。

「ゼミといっても名ばかりで、今でいう環境サークルのようなもの。
環境問題に関わることならば、自ら好きなテーマを選び、好きに動けた。
大企業の幹部にインタビューしたりすることもしばしば。

当時はバブル経済まっただ中。モノが溢れかえり、地球環境問題への警鐘が広まりつつある時代でもありました。
リオの地球サミットは、ちょうど私が大学を卒業した年に開催されました。」

鈴木社長は、企業の話を聞く機会が増えて、気付いたのが
「環境汚染の代名詞のような重厚長大産業は、環境対策も進んでいる」ということ。

つまり、日本の環境法規制は厳しく運用され、大企業ほど厳格な環境汚染対策を講じており、これ以上の対策余地が少なくなっている。

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だとすると、これからの地球環境を左右するのは、私たち一般生活者だと確信したのである。

「元々、そのゼミの研究テーマはリスクコミュニケーションからの住民合意形成。
例えば“どうすれば住民は、近隣での原発やゴミ焼却施設を受け入れるのか。”というようなものでした。

つまり、許容までに、どのようなアプローチがあり得るのか。このころから、行動経済学のようなことを学んでいたんですね。」

このテーマは、現在の鈴木社長の原点となっている。

情熱の高じた鈴木社長は、大学卒業後、
環境汚染産業でもあり環境対策先進企業ともいえる大手製紙会社に就職したものの、環境の仕事には就けず、結局独立の道を選んだ。

こうして、NPO法人で市民の動向を中心としたマーケティング調査や社会実験を、その結果を基に、株式会社で企業向けに環境ビジネスの企画・遂行支援を行う体制が作られていった。

成熟社会における人とお金の地域的な偏り。何を起爆剤にして、循環させるか。


独立した鈴木社長は、ここでも素晴らしき出会いに恵まれる。
業界では有名な消費財マーケティングのエキスパートに出会い、ハウツーを学ぶ。
そして、人々とエコアクションを結ぶ導線となるものを考案した。

それが『プレゼントツリー』である。
孫の出生祝い、恋人の誕生日。大切な人に1本の樹をプレゼントするサービスだ。
さてこの記念樹、どこに植えるのか。

少子高齢化が進む地域の、植樹が必要な災害跡地や皆伐放棄地、破綻した開発跡地などである。

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プレゼントツリーには、申し込み者(里親)を含め5つのアクターがかかわっており、実に見事にそれぞれのウォンツを叶えている。

特別な記念日の証、再植林の義務、森林再生の必要性、雇用創出、市民のエコアクション誘発、の5つのウォンツである。

プレゼントツリーでは4者の協定が結ばれる。地方の森林所有者、市町村、地元の森林管理施業者(森林組合など)、そして、環境リレーションズ研究所である。

この協定に基づき、里親の付いたツリーは、過疎の進む地方の、樹を必要とする場所に植栽され、4者によって10年間そこでしっかり育つよう管理される。
たくさんのツリーは森林を潤してくれるだけでなく、現地へ里親の足を向けさせてくれる。

はじめは自分や大切な人のために植えた記念樹にしか興味の無かったツリーの里親たちは、
いずれその樹の育つ森へ想いが至り、当地を訪れるようになるからだ。(里親のほとんどは、首都圏に住む人たちである。)

こうして当地の方々とも縁が生まれ、当地の賑わいや経済活性化にも寄与することとなる。

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「人は、自分の頭の中で物事を整理してからモノを買うことは少ないのです。
明確に意識しなくとも、なんとなく惹かれれば買うことの方が多い。

その「なんとなく」の部分、自身でも気付いていないウォンツから導線を作り、行動まで結び付けてあげる。

それが、普通の生活者のエコアクションを誘発するための正攻法だと気づいたんです。」

鈴木社長が学生時代から積み上げてきたものが、結実した。
環境や社会貢献に関心を持つけれども、動かない大多数の人々を、大きなサイクルの中へ引きこむことに成功したのだ。

このモデルは、私たちの社会に新たな需要を生み出した。

「成熟した私たちの世界では、人は簡単にはモノを欲しがらなくなったと思いませんか。
父の姿を見て、特にそう思ったんです。


今や、一家に複数のテレビがあるのが普通な時代。
人々も簡単には欲しいモノが見つけられなくなりました。

豊かになりましたから。

私の父は、働き盛りの頃に高度経済成長を経験し、車やテレビ、ステレオなど、目新しいものを次々と購入しては楽しんでいたものです。

リタイアした後は、興味を惹かれるものが見つからないのか、何も買わなくなった。
お金をまったく使わなくなってしまいました。
魅力的なお金の使い道が、見つけられなくなってしまったのです。

一方、なんと、プレゼントツリーの個人の里親の2割は、高齢者です。

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彼らにとって魅力的なお金の使い道の先には、社会貢献という“見えない価値”があるのです。
こうした見えない価値が、偏在する人を動かし、お金を動かし、モノを動かし、情報を動かす時代が来ています。」

「私たちは今、震災と原子力災害による被災地である福島県広野町の防災緑地の一画にプレゼントツリーの森を造っています。

広野町はようやく帰還がはじまった地域ですが、実際に帰還した人は2割とか3割とか言われています。
もともと少子高齢化が進んでいた地域ということもあって、このままではこの地域の活力が衰えてしまうでしょう。

そこで、プレゼントツリーをきっかけとし、広野町へ首都圏から人を呼びます。
現地では、広野町の美しさや美味しさを体感できるプログラムを提供します。
これからも通いたくなるような当地の魅力を知ってもらい、継続的な交流人口増大の仕組みを創っていきます。」

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「成熟国家のための、仕組みづくりをする。」


「私のミッションは、“成熟社会に向けた仕組みを創る”ということ。」
鈴木社長は、はっきりとした目つきと口調で語った。

「先進国は皆いずれ、成熟国家となって人口減少のステージに入ります。
今回の国勢調査でも、はじめて日本の人口が減りました。

基本的に、人・物・金・情報が上手く循環し続けてさえいれば、国や地域の活力は衰えないと思います。
だから、これから先、更に偏在していくであろう人とお金が、常に巡る仕組みを創り続けなければなりません。

それが、活力ある日本の未来社会に繋がるのですから。」

鈴木社長のまなざしは、強く深い。“環境”というスケールで日本を見つめ続ける鈴木社長は、鋭くも美しい女性だ。

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