VANDDD株式会社
阿部諒馬
POSTED | 2019.07.11 Thu |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:IT・情報通信業 創立:5〜6年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoB |
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人工知能を用いたM&A業務のオールインワンシステム
時価総額の算出と調査を行いM&Aを総合的にサポートTopics
今回のインタビューは、M&A・事業承継に特化した専用システム「M&Aディールメーカー」を提供する、VANDDD株式会社の阿部氏にお話を伺います。サービスの概要はもちろん、現在M&A業界が抱えている課題や、課題へのアプローチについて語っていただきました。
VANDDD株式会社 社長 阿部 諒馬氏のONLY STORY
【経歴】
会津大学(専攻はAI技術の自然言語処理)卒業後、(株)アドウェイズから出資のもと、子会社代表として(株)アドウェイズスタジオ設立。ウェブ、スマホアプリ、IoTなどの新規事業立ち上げを経験したのち完全独立。計20近くのプロダクト開発を手掛ける。
その中でM&A仲介会社のプラットフォームを作るプロジェクトにCTOとして開発の全般担当した際、M&A・事業承継のIT利用の必要性を感じVANDDD(株)設立。非上場企業の時価総額を計算する人工知能エンジンの開発を主として運営中。
M&A業務のオールインワンシステム
–まずはVANDDD株式会社が手がけている事業について、お聞かせください。
阿部氏:弊社はM&Aに関わるサービスをいくつか提供していますが、その中でも主力になっているのがM&A業務オールインワンシステム「M&Aディールメーカー」です。
具体的には、これまでM&Aの仲介さんやアドバイザーさん、税理士会計士さんといった、専門の方々でなければできなかった業務を全てに担うシステムになります。
また、弊社の社名の話をすると、VANDDDはValuation and Due Diligenceの略で、Valuationというのは簡単にいうと時価総額。そしてDue diligenceというのは、時価総額を出すための調査のことを指します。このふたつを人工知能を用いたシステムで行うというのが、弊社のサービスです。 なお人工知能の担う部分は時価総額の算出ではなく、時価総額算出のための企業情報解析となっています。
–業界のなかでは、どのような差別化をはかっていますか。
阿部氏:何と言っても、M&Aの業務を効率化させるためのシステムを提供しているということ、これが弊社の特徴です。
というのも、M&A市場で作られているサービスのうち8割~9割は、プラットフォームなんですね。買い手と売り手にそれぞれ登録してもらって、登録者同士のマッチングを提供するというサービスです。
ただ実際にプラットフォームで買い手と売り手がマッチングしても、その案件に携わるアドバイザーがいなければ案件は進んでいきません。一方で小規模な案件は採算が合わないため、アドバイザーはプラットフォームから生まれた案件に着手することがほとんどありません。
すると、マッチングしたけど、肝心の案件をアドバイザーがいなかったり、スキルが足らない人がやらざるを得なくなり、なかなか進まないという事態が多いんですね。
M&Aに精通しているわけでない方でも案件を進められる「M&Aディールメーカー」という、現在のプラットフォームの課題点を解決できるシステムを提供している点が、一番の強みだと思います。
M&Aの現状を知ることで見えた需要
–起業を決意したきっかけについて教えてください。
阿部氏:2年ぐらい前に知人の社長さんから、「M&Aのプラットフォームを作らないか」と声を掛けていただき、そのプロジェクトに参画したんですね。
しかしその時に先ほどお話した通り、プラットフォームでマッチングをしても、案件を担当する人がいなければいつまで経っても進まない。なのでそこをサポートするシステムが欲しいという声をたくさん聞きました。そうであれば、私たちの手で解決しようと、現在の事業をはじめ、そのタイミングで今のCTOも含めて新しい会社を建てたという経緯です。
–なぜ、これまでM&Aのサポートシステムはなかったのでしょうか。
阿部氏:M&Aシステムは通常の開発よりも予算が高額になるにも関わらず、購入者になり得るターゲットのM&Aアドバイザーは約1万人と多くはありません。なのでどうしても採算に合わないこと。そして、システムの開発に専門的なスキルが要求されるので、そもそも参入が難しいこと。この2つが主な理由だと考えられます。
そこで、私たちはターゲットを例えば税理士さんに広げることで、そのターゲット数を1万人から10万人に増やし、ターゲットの問題を解決し、ビジネスとして展開しています。
データの蓄積によって相場を作っていく
–今後の展望について教えてください。
阿部氏:今期から来期というところですと、M&Aの仲介さんやアドバイザーさん、M&Aを前向きにやっている方々に対してサービスの提供、周知をしていきたいですね。
更に来期途中ぐらいからは、税理士さんや会計士さんに対してシステムの普及をし、M&Aのバック業務を効率化していき、税理士さんがフロント業務に注力きるようにしていきたいです。
–社会の中でどのような会社になっていきたいですか。
阿部氏:弊社は「世界中のあらゆる価値を計算する」をミッションに掲げ、世の中でまだ価値の相場がないものを見つけ、データを蓄積することによって、相場を算定することを目的に活動しています。
その上で、日本をM&A先進国にしたいと考えています。
超高齢化社会である日本は高齢化による事業継承が世界で最も早く問題になることが予想されます。しかしそういった問題を解決すれば、日本は世界で一番事業継承問題のデータが蓄積されていることにもなります。つまり日本が一番M&Aに関して、事例やノウハウが溜まりやすいということなんです。
そうなった時に、VANDDD株式会社という会社が、業務でも相場でもM&Aに関してはどこよりも知っているというポジションを確立していきたいですね。
–最後に、読者へのメッセージをお願いします。
阿部氏:私たちは、会社の価値を、人工知能を使って高い精度で解析している会社なので、自分の会社の価値を知りたい経営者様には、ぜひ来ていただきたいと思っています。お待ちしております。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原