HeROINTL株式会社
澤田 恒彦
POSTED | 2020.06.29 Mon |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:IT・情報通信業 創立:5〜6年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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「ONE×MAX」専門スタッフによる完全サポート
障がい者が活躍できる働く場を提供し安定収入を得るTopics
今回のインタビューは、障がい者の方のために就労継続支援事業「ONE×MAX」(ワンバイマックス)(https://1max.jp/)をフランチャイズ展開しているHeROINTL株式会社(ヒーローインテル社)の澤田氏にお話を伺います。
障がい者の方に働く場を提供することで、国から補助金が支給される就労支援事業とは。ワンバイマックスを利用するメリットについて詳しく教えていただきました。
HeROINTL株式会社 代表取締役 澤田 恒彦氏のONLY STORY
就労継続支援事業「ONE×MAX」(ワンバイマックス)
–まずは、HeROINTL株式会社の事業内容をお聞かせください。
澤田氏:弊社は「ONE×MAX(ワンバイマックス)」という事業を運営しており、これは就労継続支援事業所(障がいのある方が働ける職場)をフランチャイズ展開するものです。
一般企業で働くのが困難な障がい者の方々に対してお仕事を提供する場を作り、障がい者の方には福祉スタッフの支援を受けながら就労をしていただく、「就労支援」の事業になります。
就労支援をおこなうと国からの補助金が貰える仕組みになっています。補助金を貰いながら障がい者の方に働く場を提供したいという事業者の方に、その実現のためのご支援をしています。
–障がい者の方に働く場を提供することが必要なんですね。
澤田氏:そうですね。就労支援事業は、来てくださる障がい者の方にお仕事を作り、そのお仕事をしてもらった対価をお給料としてお支払いするものです。高齢者のデイサービスのように家族の方の負担を軽減することが目的ではなく、社会で働くことの一環なので、お仕事がないといけません。
就労支援事業では、障がい者が1人1回働くことで大体6000円の補助金が入ります。なので例えば、開店前の居酒屋の清掃や商品の袋詰めなどを、アルバイトを雇ってやってもらうとその人件費は支出になりますが、就労支援としておこなうことで補助金をもらって人を雇うことができるようになるのです。ただし、補助金のなかから障がい者の方にお給料をお支払いをすることはできないルールにはなっていますが。
–御社の「ONE×MAX」というサービスは、就労支援の仕組みを用いて障がい者の方を雇用したいという事業者のお手伝いをするものだと思いますが、障がい者の方のお仕事にはどんなものがあるのでしょうか?
澤田氏:ワンバイマックスでは、障がい者の方のお仕事、いわゆる「生産活動」のつくり方を3つご提案しています。
1つ目の「企画事業型」は、初めからオーナー様が「障がいのある方にやってもらいたい」という事業プランをお持ちの場合、そのニーズに応え具現化するサポートプランです。
2つ目の「既存事業導入型」は、すでに飲食やサービス業などを運営しているオーナー様に向けて、そのお仕事の一部を就労支援とミックスさせることで、安定した収入や社会貢献など相乗効果がねらえるプランです。例えば居酒屋であれば、昼間の時間帯を活用して、障がい者の方に清掃などの仕事をしてもらうこともできます。
3つ目の「コラボ事業型」は、他のフランチャイズの事業など本部と提携した事業者のサービスを行ってもらうプランです。
–同業他社と比べて、「ONE×MAX」の強みや差別化できるポイントはありますか。
澤田氏:一般的にフランチャイズ側は、オーナー様の事業所を設立するお手伝いや、利用者の方を集めるサポートはしますが、障がい者の方のお仕事まで考えることはほとんどありません。「障がい者の方にどういったお仕事がいいのか」まで提案できるのがワンバイマックスの強みです。
また、この事業は就労支援事業と生産活動事業(障がい者の仕事)を2つ同時にスタートしなければならず、とても大変です。しかしワンバイマックスでは、事業開始にあたって専門スタッフがサポートしながら進めていきますので、すでに飲食やサービス業など別事業をされているオーナー様向けにも提案できるのはワンバイマックスならではの強みだと思いますね。
障がいのある自分だからこそ伝えられること
–現在の事業に至るまでの経緯を教えてください。
澤田氏:養護学校の高等部を卒業後、大手小売業に就職しましたが、怪我をしてしまったのを機に「長く安定的に勤められるところで働きたい」と公務員を目指しました。
その間に民間企業を1社はさんで専門学校に行き、横浜市の市役所の職員として採用されて働いていたのですが、人の役に立っている実感があまり持てなかったんです。
「一度きりの人生、もっと人の役に立つ仕事がしたい」「自分に先天性の障がいがあるのも使命かもしれない」と、自分で福祉系の事業を始めようと思ったのが起業のきっかけです。
最初は訪問介護事業からスタートし、障がい児の学童サービスを始めました。困っている人はたくさんいましたので、さらにサービスを広げようとフランチャイズ展開を考えていたんですが、出資していただいた方とトラブルがあり、もう一度新しく事業を始めるために2018年5月にHeROINTL株式会社を立ち上げました。
–澤田様自身に障がいがあることで、起業に対して役立ったことはありましたか。
澤田氏:障がいがある人が会社を経営していると、良い意味で注目されるんですね。
僕自身、生まれつきの骨形成不全症でしたので、小さい頃から親にすごく負担をかけていたなと感じていました。どうしても障がいのある方は親に頼らざる得ないところがあるんですが、やはり「自分の力でも生きていけるぞ」ということを、僕自身が広告塔になって伝えることができればと思いますね。
–起業してよかったことはありますか。
澤田氏:インタビューなどを通して自分の想いを語れる機会が増えたことで、自分の中でもう一度整理して考えられますし、さらに想いが強くなります。このようなチャンスをいただけることに感謝しています。
また自分の願いや目指す未来は、自分の頑張り次第で早く形にできますし、怠けていれば遅くなる。結果もすべて自分自身で責任を負えることにやりがいを感じています。
福祉事業で働く人たちが夢を持てる社会に
–短期的な目標を教えてください。
澤田氏:今は業務委託が中心ですが、今後は従業員の方が自由に働けるような会社を作り大きくしていきたいと思いますね。そして将来的には、働けずに困っている障がい者の方や、子育て中の方、高齢者の方、外国籍の方など、誰もが働きやすい会社にしていきたいと思います。
–長期的な目標を教えてください。
澤田氏:上場することです。福祉だから給料が安いではなく、頑張ればちゃんと稼げる、やりがいがある、人の役にも立てる。福祉事業で働く人たちが夢を持てるように、上場ができたらと思いますね。
–社会的にどういった影響を与えていきたいとお考えですか。
澤田氏:例えば今回のコロナ禍で、パチンコ店やキャバクラ、ホストクラブなど、社会的にイメージがマイナスになってしまった事業ってあると思うんです。しかし福祉事業を導入することで、世の中のイメージを良い方向へ変えていきたい。だからこそ、そういった業界の方たちと一緒に手を組んで社会の認識を変えていけるような企業になりたいと思っています。
–ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。
澤田氏:難しくはないけれど人件費のかかる仕事は、障がい者の方にもできる仕事です。障害者就労支援事業として認可を受けることができれば、行政から安定した収入を得ながら社会貢献ができます。
事業を始めるにあたっては特別な資格は必要ありません。ご興味のある方は、ぜひご連絡ください。
執筆=山田
校正=6483works