ユニテックシステム株式会社
渡辺 正憲
POSTED | 2020.04.03 Fri |
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TAGS | 従業員数:51〜100人 業種:IT・情報通信業 創立:15年以上 決裁者の年齢:60代 商材:BtoB |
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「Navi」シリーズで勤怠から給与までを一括管理
人材派遣会社へ開発・サポート・導入をワンストップでTopics
今回のインタビューは、業務基幹管理システム「Naviシリーズ」で人材派遣会社の生産性と売上の向上に貢献するユニテックシステム株式会社の渡辺氏にお話を伺います。システムの利点や、ミャンマーを拠点とする海外展開などについて語っていただきました。
ユニテックシステム株式会社 社長 渡辺 正憲氏のONLY STORY
【経歴】
1959年 東京都杉並区出身 上場システムハウスにて営業職立ち上げ第一号として実績を残し、1986年ユニテックシステム創業メンバーとしてブランディングを推進し、2008年より代表取締役に就任 現在人事派遣業界向け基幹システムの業界TOPの座を確立する。
売上向上にもつながる業務基幹管理システム
–ユニテックシステム株式会社の事業内容からお伺いします。
渡辺氏:弊社は、HR業界の中でも人材派遣会社を主なターゲットに、さまざまな業態に対応する業務基幹管理システム「Navi」シリーズを開発・販売しています。
「Navi」シリーズでは、開発からサポート、導入指導の全てを弊社がワンストップで提供しており、勤怠から給与までを一括管理できるため、派遣会社には最適なシステムと言えますね。もちろん、要望があれば派遣会社以外の企業にも対応が可能です。
「Navi」シリーズの標準版は法改正の度にバージョンアップをしていて、現在約2400社にご利用いただいています。場合によってはお客様の要望に合わせてオーダーメイドで開発することもあり、そのようなカスタマイズユーザーは現在80社ほどいらっしゃいますね。
–「Navi」シリーズ導入の利点はどういうところにありますか。
渡辺氏:一般的な業務基幹管理システムが打ち出す業務改善や経費削減に加えて、弊社の「Navi」シリーズは売上のアップにつながる仕組みも提供しています。
たとえば人材派遣会社はスタッフの情報をデータベースに蓄積しているので、チーム効率や稼働を上げる仕組みをつくったり、スタッフが希望する職種や業種の情報をメールで配信してマッチング精度を上げることが可能です。人材の最適配置は売上の向上に最終的につながります。
なお、「Navi」シリーズを実際に導入する前に実証版をお貸ししているため、導入後のミスマッチはまずありません。
–同業他社と比べ、御社の強みはどこにありますか。
渡辺氏:何と言っても値段ですね。 10社ほどある同業の中で弊社の値段がおそらく最も安く、またシンプルで使いやすいシステムであることが強みです。このため、他社に変更されてしまうこともなく、逆に運用やサポートの問題から弊社のシステムに変更されるケースが多いです。
また、レスポンスの早さや法改正時の対応の早さなども強みと言えるでしょう。とにかくお客さま目線を重視しており、年間数千件寄せられるご要望の中から優先度の高いものを取り入れて、システムを毎年バージョンアップしています。
昨今は働き方改革や同一労働同一賃金などで法改正も多いため、事前のリサーチを欠かさず、社労士と提携して時流を見据えていることも大きな強みだと思っています。
ストック収益とブランディングに注力
–起業後、最も失敗した、苦労したといったことは何でしょうか。
渡辺氏:私は26歳の時、ハードとソフトの融合を目指して起業しました。しばらくは景気が良くて受注も多く順調でしたが、大手電機メーカーの下請け事業に依存していたために、景気が落ち始めると発注がカットされ、仕事がなくなってしまいました。
そのときにブランディングの必要性を痛感し、まだメーカーが手をつけていないニッチな業界で事業を立ち上げようと、人材派遣業界を選びました。
今では人材派遣業界のシステムシェアのトップに立ちましたが、それまで時流に追いつくのが大変でしたね。資金力と忍耐力がなければ途中で諦めてしまうので、ストック収益を出すために毎日使う基幹システムに照準を合わせ、定期的にブランディングを行ったことが今日につながりました。
–ブランディング向上のためにどんな工夫をしているでしょうか。
渡辺氏:社内の雰囲気が大切だと思っているので、モチベーションや生産性を上げる方法を常に考えています。現在の弊社は年功序列や役職で給与を決めておらず、アイデアを出して成果を挙げれば普通の社員でも課長・部長を上回る給与を手にすることができる仕組みを取り入れています。
それがまた会社のブランディング向上にもつながりますね。
ミャンマーから将来はASEAN諸国へ進出
–今後の事業展望をお聞かせください。
渡辺氏:現在、75人の陣容で年商10億という実績を挙げ、人材業界でトップになりましたが、今後はHR業界に視点を広げて商品ラインナップを整えたいと思い、半年単位での新たなブランディングづくりに着手しています。
直近では「コレクトタイムナビ」という静脈認証を使ったシステムの利用者を、現在の約1万人から3年以内に5万人へ増やしたいですね。静脈認証による勤怠管理は不正を防ぐだけでなく生産性への意識にもつながりますし、今後は基礎体温の計測などで社員の健康管理の一助になるもなるような製品の開発も検討しています。
また、弊社はストック収益を基本としているので、今はランニングコストで収支がトントンですが、今後は経常利益を増やして原価をすべて賄うつもりです。そのために、お客さまの生産性や売上効率向上のためのコンサルを手掛けようと思っています。
–そのための施策をどう考えているでしょう。
渡辺氏:内部留保ではなく、やはり投資になりますね。次の時流に沿った商材を日々研究し、新たなラインナップをどんどんつくって行かないと追い抜かれてしまうので、開発への投資、そして人への投資に目を向けることが大事です。
人への投資で言えば、国内では計画的な新規採用に転換していますが、海外事業の拠点であるミャンマーではどんどん採用数を増やしていて、今後は人的投資の比重をより増やしていこうと思っています。ローカライズを基本にしていているため、採用も事業もミャンマーだけで行っています。
ミャンマーでの事業もようやく先が見えてきたので、今後はきちんと利益を上げて良い商品を売っていきたいと考えています。また、ミャンマーでの成功後にはASEAN各国にも進出していきたいですね。
–最後に、読者へのメッセージをお願いします。
渡辺氏:今の日本人はチャレンジ精神が足りず、発信力も弱く、スピード感もなく、時流を見る目にも欠けているように感じています。そんな停滞感に打ち勝つパワーを持った企業さまや学生さんと一緒に仕事をしたいと願っています。
執筆=増田
校正=米山