株式会社nagomi
慶長 久和
POSTED | 2017.06.16 Fri |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:IT・情報通信業 創立:7〜8年 決裁者の年齢:60代 商材:BtoB |
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シニアの社会参画を促す手書SNSアプリnagomi
IT×シニアで日本の未来を切り拓くTopics
株式会社nagomi 社長 慶長 久和氏のONLY STORY
ソフトエンジニア×シニアの就職支援が新しい事業を産む
私が株式会社nagomiを設立するに至った要素は3つあります。
1つ目は私自身が若い頃からソフトエンジニアとして働いてきたこと、2つ目はアントレプレナーカレッジで起業を学んだこと、
3つ目はシニアジョブでシニア世代の働きにくさについての現状を目の当たりにしたことです。
40代でNPO法人シニアジョブの理事をしていた頃、働く意欲がある人も多い中、受け皿が整っていない現状を目の当たりにしました。
こうした現状を受け、日本政府は60歳を過ぎても働く意欲がある人を雇用し続けなければいけないという法律を制定しましたが、これは企業からすると生産性の低い高齢者を高い給与で雇い続けなければならないことを意味します。
大企業ほど団塊の世代を多く雇っていたので、シニアの雇用継続問題は深刻です。
しかも企業からは表立ったリストラはできないので、60歳以降のシニア世代に圧力をかけて、自主退職に追いやる事例も数多くありました。
そこで、シニア世代の継続雇用に頭を悩ませている大企業や上場企業から顧問料をいただき、
窓際族になっているシニアの方々に別の就職先を斡旋する事業を始めたのです。
これが、前に経営したいた株式会社日本シニア総合研究所です。
しかし、法律に先行して事業を始めたため、3年程度では収益が上がらず、株主の一人から事業内容の見直しを迫られました。自分としては、続けていれば必ず成功する自信があったのですが、株式会社である以上、株主の意向に従わなければなりません。
結局、株式会社日本シニア総合研究所は友人に譲り、自分は新しい事業を始めることにしました。それが現在代表取締役をしている株式会社nagomiです。
手書きSNSアプリnagomiが会社とシニアを両方元気にする
nagomiはiPhoneなどのスマートフォンで起動するSNS用アプリです。撮った写真の上に直接手書きできるので、キーボードタッチパネルからの入力を面倒に思うシニア世代にも使い勝手が良いという特徴があります。
さらに動画や音声を使わないので維持管理費が安く、無料でサービスを提供できるというメリットもあります。nagomiを使えばシニア世代も気軽に子どもたちや孫たちとコミュニケーションができるようになり、社会と関わることでボケ防止、健康寿命の延長にもつながります。目的の一つであるシニアのデジタルデバイドを解消することになります。
SNSは広告収入で運営費をまかなうのが一般的です。nagomiはシニアに使いやすいアプリだということで、登録者の80%が50代以上になると予想しています。
シニア向けの保険やマンションといった投資関係の企業に広告の依頼を考えています。
また、株式会社日本シニア総合研究所の業務ともリンクさせ、シニアの離職を促すコンサルティング契約時にnagomiへの企業広告掲載料もサービスするつもりです。
大企業や上場企業の広告が多ければ、nagomiに登録してくれるシニア世代も増えることでしょう。
さらに、シニアジョブへの誘導も加え、nagomiの登録者が再就職するのをバックアップします。
シニア世代の方々に、再就職の情報やよりよい毎日になるための情報を提供する。
これがnagomiの目的です。
手書きSNSアプリnagomiは手書きFAX、遠隔地教室にも使える!
nagomiは撮った写真に手書きでメモを付けられるので、今後はポケットに入るデジタルFAXとして現場やオフィスで活用されると見込んでいます。また、老人ホームや介護施設同士をつなぎ、外出が不自由になったシニア世代が外の世界と交流するのを助けてくれるはずです。
さらに、シニアの枠からもっと広がって、発展途上国や都市部から離れた学校での遠隔教育に役立ててもらったり、シニアが日本に居ながらにして発展途上国の教育や技術指導に関わるツールとしてnagomiが役立つことを願っています。
☆取材・記事作成・構成=小山、北本