株式会社SHISEILABO
武山 和
POSTED | 2020.01.29 Wed |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:その他 創立:9〜10年 決裁者の年齢:30代 商材:その他 |
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インバウンド向けの日本伝統文化体験ツアー
中小企業の魅力的なコンテンツをグローバルに展開Topics
今回のインタビューは、「Premium Toy Boy Japan Tour」というサービスを通して海外旅行者向けにプライベート国内体験ツアーを提供する株式会社SHISEILABOの武山氏にお話を伺います。展開する事業内容はもちろん、事業立ち上げの想いや今後のビジョンについても語っていただきました。
株式会社SHISEILABO 社長 武山 和氏のONLY STORY
【経歴】
1988年東京都小平市出身。2013年山口大学工学部感性デザイン工学科卒業。2014年1月より個人事業主として始動。2014年7月に山形県に移住。2015年会社設立、山形県内レストラン、温泉旅館の経営コンサルティング事業を開始。2018年よりインバウンド観光事業を行う都内企業と共同事業(体験ツアー)をスタート。2019年よりサッカーのAI・ARカメラを国内販売開始。
2020年1月より自社事業としてインバウンド事業( https://www.premium-toy-box.com/ ) をスタートしています。
※追記:2020年5月1日より食文化の動画配信サービスfoodots.事業をスタートしました。
国内中小企業のコンテンツを活用した体験ツアーを提供
–まずは、株式会社SHISEILABOの事業内容をお聞かせください。
武山氏:弊社は現在「Premium Toy Box Japan Tour( https://www.premium-toy-box.com/ )」というプラットフォームの運営を通して、おもに海外のお客様向けに体験ツアーを提供するインバウンド事業を行っています。
※追記:2020年5月1日より食文化の動画配信サービスfoodots.事業をスタートしました。
–ありがとうございます。国内観光事業の「Premium Toy Box Japan Tour」とは具体的にどういったサービスでしょうか。
武山氏:「Premium Toy Box Japan Tour」は、日本に何度も来られていたり、地方都市に興味を持たれている海外のお客様をターゲットに、なぜそのコンテンツに価値があるのかを体験していただき知っていただくツアーを提供するプラットフォームです。一般的なインバウンド事業と異なる点は、国内中小企業のコンテンツを世界に発信するというBtoBコンサルティング事業の位置付けであることです。
集客は、都内の4つ星・5つ星ホテルに宿泊している海外のお客様の「日本で深みのある体験をしたい」というご要望に対して、ホテルのコンシェルジュや旅行代理店の協力を経て、弊社のコンテンツをご紹介いただく仕組みとなっています。地方都市への連携は、地方都市の中小企業を海外旅行者の頼る、キーカンパニー(Key Company)と位置づけ都内から直接送客したいと考えています。
提供するツアーは、主にBtoBのコンサルティング事業を通じてお付き合いのある中小企業のさまざまなコンテンツです。それら国内の資源を活用して、日本の伝統文化や食、空間を体験できるサービスを展開しています。
–事業の中で、楽しさを感じる時はいつですか。
武山氏:弊社は山形県にある小さな会社でありながら、常に海外と接点を持っているところが一つの楽しみですね。また、今まで知らなった日本の価値や資産を、海外の方の目線で発見したり発掘できるところが魅力だと思います。
–事業を運営する上で、大切にしている想いはありますか。
武山氏:私たちは「Small Global Company(小さなグローバル企業)」として、「LINK(言語の壁を超えて海外と日本を繋ぎ、戦うためのフィールドを醸成する), FLEXIBLE(柔軟な対応,柔軟なコミュニケーション戦略,柔軟なサービス提供), Flow(人の流れを生み, 空間を活性化すること)」を社会への提供価値としています。
つまり、新しい価値観に触れ、それをお互いにポジティブに変換することをしながら、常に柔軟な姿勢でサービスフローを提供することを大切にしています。
グローバルで戦える場所を国内に作りたい
–事業を立ち上げたきっかけについて教えてください。
武山氏:山形県に移住した2014年頃から海外と山形の接点を模索していました。その頃は、今よりも国の政策やメディアの関心が地方創生向けられていた記憶があります。しかし、地方創生の方法論に対して私自身は日本自体にそもそもの危機感を持っていました。
日本が経済や外交において世界と対等に渡り合っていくためには、もっとグローバルで戦える場所を国内に作る必要があると思い、およそ5年の歳月を経てこの事業を立ち上げました。今年は東京オリンピックがありますが、私たちは2024年のパリオリンピックを見据えています。
–起業されてから大変だったことはありますか。
武山氏:もともとコンサルティングのノウハウがないところから事業をスタートしたので、全てが新しいことです。しかし、周りにいる多くの経営者や友人、先輩や後輩から多くを学びながら海外との接点を増やしてきたことで、ようやく自分たちが掲げるミッションで戦える土台を作れてきたと思っています。
現在、「Premium Toy Box Japan Tour」を通じて繋がったクライアントの8割が海外のクライアントです。少しずつではありますが、グローバルの中で渡り合えるようになってきたと手ごたえを感じ始めています。
※追記:2020年5月1日より食文化の動画配信サービスfoodots.事業をスタートしました。
日本の文化をグローバルに展開していく
–短期的な目標を教えてください。
武山氏:「Premium Toy Box Japan Tour」で、2020年内に単月で顧客数150人(35~40組)、500万円の売上を目標にしています。
年内には国内に文化の発信基地として自社キッチンを所有したいと考えています。キッチンの周りには茶碗や湯飲み、グラス、箸など、日本のさまざまな伝統工芸品が集まります。それらを都内の一角に集め、そこでの体験を起点に地方都市へ送客していくフローを今後作っていきたいと考えています。
コンサルティング企業として、他社のコンテンツを紹介できる物理的な空間提供をしたいです。
–長期的な目標を教えてください。
武山氏:海外旅行者向けの体験ツアーの次のステップとして、海外からの移住を受け入れるためのフローを作っていきたいですね。移住のハードルはとても高いので体験を通じて土地土地の風土を知ってもらい、移住へつながればいいなと思っています。そのためには季節を体感してもらう意味でも年間を通して提供が可能なコンテンツの発信をしなくてはいけません。山形の紅花や最上川などの資産を活かすコンテンツができないかと勝手に考えています。
また、今後はインバウンド向けだけでなく、デジタル社会を生きる国内の子どもたちに対しても養殖ツアーや釣った魚を捌くといったアクティビティを提供できるプラットフォームに「Premium Toy Box Japan Tour」を成長させていきたいです。
Premium Toy Box Japanの先にはPremium Toy Box Perth(オーストラリア)やPremium Toy Box Whistler(カナダ)などを見ています。
–社会に対してどういった影響を与えていきたいとお考えですか。
武山氏:本当に良いものや必要なものであれば、国内に限らず世界のどこかで文化は継承されていくと私は思っています。また、私たちは30年以上続いている商品やコンテンツや施設を文化と定義しています。
日本の伝統工芸品や中小企業を海外に展開していくことで、日本の価値をもう一度再発見できるきっかけになれればと思いますね。
–ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。
武山氏:日本の地方都市の中小企業様の中で、コンテンツを持っている方たちと一緒にお仕事ができればと思っています。国内のKey Companyになっていただければ幸いです。
※追記:2020年5月1日より食文化の動画配信サービスfoodots.事業をスタートしました。
2020年はブランド認知の年と位置付けていますが皆様とともに国内コンテンツを世界へ発信していければと思っています。
執筆=山田
校正=米山