都築啓一

今回は建物オーナーと建物の消防点検を行う点検資格者のための業務支援プラットフォーム『スマテン』を運営する株式会社スマテンの都築氏にお話を伺いました。東日本大震災をきっかけに防災業界に興味を持った都築氏が立ち上げた同社の取り組みについて語っていただきます。

【経歴】

愛知県碧南市出身。大学在学中にアジア諸国をバックパッカーで旅する。そして大学在学中（当時19歳）に名古屋で飲食店を開業。東北大震災の復興支援のボランティアに携わる。約5年間の経営経験を経て、太陽光事業に参入し自然エネルギー普及に務める。自然エネルギーの普及をする一方で、防災業界に関心を持ち消防設備会社を設立。消防業界（ビルメンテナンス）においてアナログな部分をITでアップデートすべく株式会社スマテンを設立

都築氏：弊社は建物のオーナーもしくは建物の管理者の方と建物の消防点検を行う点検資格者をつなぐ消防設備業務に関わるBtoBプラットフォーム『スマテン』を運営している会社です。

オーナーは消防法の定めによって、半年に1回は管理している建物の消防点検をする義務があるんです。ただ半年に1回の消防点検を行っているところは全国で約50％。残りの半分の建物はきちんと点検を行っておらず、万が一の際には危ない状況だと言えます。

しかし点検をするにも点検資格者を探したり、日程調整をしたりと面倒な作業も多いのも事実。その問題を解決し、建物オーナーと点検資格者の橋渡し役となるのが『スマテン』です。

都築氏：オーナーの方はWebサイトから必要事項を記入していただければすぐに登録が完了します。点検資格者の方はまず点検資格者の免状を送っていただき、審査後に登録が完了するという流れになります。

都築氏：建物オーナー様側のメリットは【コスト削減】と複数物件の管理を【全てWeb上で完結】し、作業の効率化が測れるところ。この2点です。基本的には当社のCS部隊が全てフォローするので、オーナー様は今までよりも作業や管理工数が圧倒的に削減されるようになります。

点検資格者の側のメリットは3つあります。

まず1つ目が空いた時間に仕事を探せる、つまりスポット的に仕事を受けることができるという点です。2つ目は高単価な仕事に参加できる点です。最後3つ目はスマートフォンで点検を行えるため、作業終了と同時に報告書が自動作成できる点です。

都築氏：私はもともと名古屋で飲食店を経営していたのですが、東日本大震災をきっかけにボランティアをするようになりました。そして現地でひどい火災で焼け野原になっている街を目の当たりにし、衝撃を受け、防災事業に興味を持つようになったんです。

ただ飲食店を経営していたため、ボランティアを継続的にできなかったことから、事業として何か貢献できればと思い、消防点検会社を起業しました。

都築氏：1つは必要不可欠なビジネスであることですね。防災会社は時流もなく必要とされる。有ると「生活が豊かになる」ものより「ないと生活が困る」ものに携わりたいと思ったんです。

また弊社はいわゆるベンチャー企業なので、大きな市場を取りにいくよりは、ニッチな業界で立場を確立していきたいという考えもありました。

そういう意味でも、防災業界で業界のシステムを改善するという事業は自分の考えに合っていると思いました。

都築氏：5年以内に、少なくとも5万件の物件の登録を達成したいと思います。そうして規模を徐々に拡大していって、最終的には消防点検をしていない「点検未実施の建物」をなくしたいですね。

目標達成のためにも事業をしっかり回し、特にプラットフォームに人が集まる仕組み作りにはますます力を入れていきたいと思います。そして将来的には営業をしなくても双方のユーザーが集まってくるような仕組みを確立していきたいです。

都築氏：消防点検はもちろん、防火対象物点検やエレベーター点検であったり、いわゆる法定点検全てを総合的に担うことで、インフラのような立ち位置になりたいと思います。

都築氏：建物を持っている経営者の方は、消防点検のみではなく、設備のメンテナンス部分だったら何でもスマテンに声をかけてください！！

お待ちしております！

執筆＝スケルトンワークス

校正＝笠原