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アポ獲得の心得【テレアポ編 ④】

【法人営業④】財力のある会社をどう見極める?

貸借対照表を見て、アタックすべき会社か見極める。
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アタック先の調べ方(貸借対照表の見方)

法人営業(テレアポ)でアタック先のことを調べる場合には、本当にアタックしてよい会社かどうかを調べることが非常に重要です。その時、参考にすべき重要な書類が、何種類かあります。

アタック先の会社にどれだけ体力(財力)があるかを調べるには、「貸借対照表」を読み解く必要があります。

賃貸対照表から読み取れる会社の財力の実態

「貸借対照表」とは、一定期間における企業活動で「資産」と「負債」を対応表示することによって当該期間にかかる企業の財産の状況を明らかにする報告書のことです。つまり、その会社にどれだけ体力(財力)があるか、貸借対照表を見ればよくわかります。

見方としては、決算期におけるその企業の「財産(資産)」とその財産の元になるお金は、どうやって集めてきたかがわかるようになっています。金融機関等からの借り入れは「負債」、会社に元々蓄えられていたものは、「純資産(あるいは自己資本)」です。

かんたんに計算式で表すと、資産 = 負債 + 純資産 という式で表せます。

貸借対照表の構成は、大まかに以下の通りとなっています。


【資産】   
    
資産とは、会社が集めたお金をどのような状態で持っているのかを表すものです。1年以内に現金化することが出来る「流動資産」と長期にわたり会社が保有することになる「固定資産」に分けられています。資産の中には、以下の項目があります。

(流動資産)

 ・現金・預金 文字通り、会社の金庫や預金口座の中にある現金のことです。

 ・受取手形  売上代金の支払いとして取引先から受け取った債権です。
        手形発行日から現金化できる日まで日数を置く場合がほとんどです。

 ・売掛金   売上代金を即時支払ではなく、取引先との条件取り決めにより月を跨いで支払ってもらう日数を置いてから支払ってもらう予定の債権のことです。

 ・有価証券  株券・債券などの資本証券、手形・小切手などの貨幣証券、貨物引換証などの貨物代表証券といった区分があります。 

 ・商品    一般的には、企業の生産活動により生じた製品などの在庫を指します。

(固定資産)

 ・土地    会社名義で保有している土地のことを指します。
 ・建物    自社ビルのように会社名義で保有している建物のことを指します。
 ・機械    たとえば、製造業における製造機械や建設業などで自社保有しているショベルカーやブルドーザなど自社で保有している高額な機械のことを
指します。
【負債】  
   
負債とは、会社が返さなければならないお金のことを指します。負債の中には、以下の項目があります。

(流動負債)基本的には、1年以内に返さなければならないお金

 ・支払手形   掛取引によって商品を購入した場合における代金を支払う債務のことで、手形による支払いを行う場合のことを指します。
 ・買掛金    同じく、掛取引によって商品を購入した場合における代金を支払う債務のことで、手形によらない支払いを行う場合のことを指します。
 ・未払金    物のサービスや提供を既に受け、支払い義務が確定している金額のことを指します。
電気、ガス、水道料などの公共料金や広告宣伝費・販売手数料・リベートなどの手数料、土地や建物などの固定資産や有価証券を購入した場合などで、1年以内に支払いが終わる場合の費用もこの未払い金に該当します。
 ・短期借入金  企業が外部から調達した資金のうち社債や株式発行によらない、おもに金融機関からの借入により調達した資金のことで、1年以内に支払う資金のことを指します。
 (固定負債)  
 ・長期借入金  企業が外部から調達した資金のうち社債や株式発行によらない、おもに金融機関からの借入により調達した資金のことで、返済期日が1年以上先の資金のことを指します。
 ・社債     企業が必要となる資金を調達するために発行する債券のことを指します。お金を借りたことを証明する「借用証書」に該当し、借用金額と返済日、支払われる利息があらかじめ提示されています。

【純資産】
  
純資産とは、株主が会社に入れてくれた資金や利益の積み上げを表すもので負債と違い返す必要のないお金であり、「自己資本」とも言います。

純資産には、以下の項目があります。

 ・資本金   株主が出資した資金のことを指します。出資とは、事業の成功・成長を期待してその会社に株主がお金を投資することです。
 ・利益剰余金 利益剰余金とは、その会社が生み出した利益を積み立てたお金のことを指します。よく「内部留保」という言い方もされています。


この「貸借対照表」に記載されている項目のうち、とくに注目すべき指標は、以下の3つです。

ア)
自己資本比率 ~ 会社の母体にどれだけお金があるかを見るための指標です。
自己資本(純資産)÷ 資産の総合計 で表されます。
この自己資本比率が高ければ高いほど経営は安定し、倒産しにくいと言われています。

一般的には、自己資本比率が40%以上なら倒産しにくい、50%以上なら超優良企業と言われています。

イ)
流動比率 ~ その会社が短期的にどれだけお金が用意できるかを見るための指標です。
流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100 で表されます。
短期的に支払わなければならない流動負債(一般的には最長で1年以内に支払う必要あり)に対して、短期的に現金化できる流動資産の比率がどれくらいか、その比率を計算したものです。流動比率が低いほど、現金化しやすい資産に対して短期的に支払うべきお金が多いことになり、短期支払い能力が乏しい会社となり
ます。

流動比率は200%が理想とされますが、一般的には130%~150%以上が目安といわれています。 逆に100%を下回っている場合は、短期的な支払能力が不足しており、瞬発的に現金を用意するための余力が乏しい会社であることを意味します。

ウ)債務超過 ~ 資産より負債のほうが大きくなっている状態のことで簡単に言うと、お金を借りすぎている状態のことです。純資産の部分がマイナスになります。つまり、会社の資本金が減る、あるいは利益剰余金を食いつぶしてしまった状態となります。

ケーススタディ

Aさん:「いやぁ、久しぶりにこんなにいい会社にアポが獲得できて、ちょっと今日はいい気分だなぁ。」

Bさん:「へぇ~、すごいねぇ!ちなみに、どんな会社だい?資料を見せてくれる?」

Aさん:「うん、これがそうだよ。」

Bさん:「ありがとう。え?なに、この会社に本当にアプローチしようとしているのかい?」

Aさん:「そうだけど、どうしたの?」

Bさん:「貸借対照表の負債の欄を見てみなよ。売上が年間10億の会社なのに長期借入金が12億、短期借入金が5億円もあるよ。つまり、完全に債務超過状態でいつ倒産してもおかしくない状態だよ!」

Aさん:「そうか!役員がこれだけ多い会社なら、人件費もばかにならないだろうな。」


まとめ 

貸借対照表をしっかりと読み解くことは、相手がどれだけ体力(財力)があるかを理解することにつながります。売上規模や利益も重要ですが、借金が少なく無理をして事業拡大しようとしていない会社こそが、我々がアプローチすべき会社ではないでしょうか。

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