株式会社ワイズ・インフィニティ

山下奈々子

700人のスタッフで50カ国語の翻訳を実現!

映像翻訳の根本に流れる”愛ある経営”という理念
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株式会社ワイズ・インフィニティ 社長 山下 奈々子氏のONLY STORY


株式会社ワイズ・インフィニティ
〜代表取締役 山下 奈々子(やました ななこ)様〜
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高校卒業と同時にアメリカの大学へ留学。帰国後、英会話講師を経て1980年代よりフリーランス字幕翻訳者・放送翻訳者となる。2000年2月に映像翻訳会社設立。
主な業務内容は、DVD、CS放送用の字幕翻訳、テレビ番組用の放送翻訳。最近ではゲーム、携帯電話コンテンツ向け翻訳など媒体も多岐にわたっている。また、映像翻訳スクールも運営。
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弟のやんちゃをきっかけに、アメリカ留学へ


私はもともと、フリーランスで翻訳をやっていました。

1980年代、ビデオデッキの普及によって海外の作品が国内に入ってくる時代背景があり、翻訳の需要が増えた時のことです。需要はあるのに良いものが出来上がらず、翻訳会社が困っていたのです。その際に英語が得意そうな人が集められたのが私と翻訳の出会いですね。

ちなみに英語ができたのは、高卒でアメリカ留学したからです。元々行く予定だった弟がやんちゃをして親の怒りを買い、代わりに姉の私が行くことになったというのがきっかけでした。もともと福祉の学校に進学しようとしていた私は、思いがけずアメリカに行くことになったのです。

実際に行ってみると、当時高卒で留学する人はほとんどおらず、孤独感を味わいました。でも、今思えば良い経験だったと思っています。アメリカの風土もあり、人から何を言われても気にしない自分になりましたよ。

留学中に結婚して卒業後に帰国しました。3人の子供に恵まれその後、親からの紹介で翻訳業と出会い、フリーランスになったんです。海外とのやりとりが多く、時差との関係で夜通し仕事をする毎日でした。子供3人を育てながらは大変でしたが、「とにかくお客様の役に立たないといけない」という気持ちだけでひたすら頑張っていましたね。

お仕事を依頼されるということは、私を頼ってくれているということなので、基本的には「NO」と言わずに仕事を続けていました。すると、次第に「山下に頼めば何とかしてくれる」と言ってもらえるようになっていったのです。

おかげで仕事がどんどん増えていきましたが、一人じゃとても手が回らなくなったので、会社をつくることにしました。

社員が気持ち良く演じられる”舞台”をつくる


そうして生まれたのがワイズ・インフィニティです。基軸事業としては、今でも映像翻訳をやっています。この領域はフリーランスの方がやっていることが多いので、特化している”会社”はほとんどありません。それが一つの特徴です。今では700名の登録者がいて、対応言語は50カ国を超えました。この数字は、長年の蓄積結果だと思っています。

ただ、翻訳を事業の軸にしていますが、スクール事業や別会社設立による福祉事業にも手を伸ばしています。私たちとしては、一貫して「サービス業をやっている」と捉えています。「とにかくお客様の役に立たないと」という考えは、昔から変わっていません。

一方、フリーランスから経営者になって一番変わったのは、私自身が現場をやらなくなったことです。社長には社長の仕事があるので、現場を離れる必要があったんです。最初は心配でしたし、自分じゃないとできない仕事だと思っていました。しかし、それは大きな間違いだったと知りました。


私が現場を離れて、初めのうちは社員の失敗も多かったですが、離れていくお客様はいませんでした。それは、それまでの信頼関係があったからだと思います。すると、徐々に社員だけでも現場がまわせるようになり、今では何も心配なく任せられています。

私は、「会社は舞台であり、演技をするのは社員」だと思っています。気持ち良く演じられるよう応援をするのが経営者の役割ですね。演技指導はしても、あくまで演者は社員なのです。そんな社員には、”お客様に対する方針”や”外注先に対する方針”といった物事の考え方だけ伝えています。現場のことはどうしてもマニュアル化できないので、根本的な部分だけを伝えているんです。それさえ理解すれば、対応できるようになるのです。

私たちの根本にあるのが、企業理念です。「愛ある経営」を私は掲げています。それは、起業当初からずっと変わっていません。マザーテレサの言葉にもありますが、愛の反対は無関心です。関心をもって接する、お客様の役に立つことを考え続ける、そうすれば結果は後から付いてきます。不思議なことに、今までにお金の心配をしたことは、ほとんどありません。

会社は変わっていくもの


企業の価値というのは永続することだと、私は考えています。入社してくれた社員が安心して働き続けられる会社をつくる、それがこれからやっていくことです。
また、私はよく社員に「今は翻訳会社だけど、10年後は何してるかわからないよ」と言います。社員の幸せのために会社を存続させることが一番大事なので、継続のために業種は問わないからです。

だから、「翻訳をやりたいです」という人はあまり採用していません。その人たちは、もし翻訳がなくなったら気持ちが落ちてしまうでしょう。業種ではなく、もっと根本的な理念やあり方に共感する人と仕事をしているんです。

求められていることに応じて、変わっていくのが会社です。私たちは、世の中に求められていることで、自分たちにできることをやるだけです。事業の中身が何になるかわかりませんが、それが企業の永続につながるのだと信じています。

関心をもって人の役に立っていくと、自然とお金になっていきますから。

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