株式会社スルシィ

関谷 里美

ラフィアバッグでフィリピンの雇用を創出!

フェアトレードの精神から生み出されるブランド品とは
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今回は、株式会社スルシィの関谷氏にお話を伺います。株式会社スルシィではバッグ制作を通じた、フィリピンの女性の雇用創出を主な事業としており、関谷氏にはその事業の成り立ちや内容、今後の展望についてお聞きしました。

フェアトレードに興味がある方にとっても必見のインタビューです!

株式会社スルシィ 代表 関谷 里美氏のONLYSTORY

ラフィア素材を使ったバッグの制作


ーまずは、株式会社スルシィ様が扱っている商品について、お聞かせください。

関谷:株式会社スルシィでは、フィリピンに生息しているヤシの実を乾燥させてできる、
“ラフィア”[※1]という繊維素材を使って、女性ものの手編みバッグを制作しています。

[※1]“ラフィア” −−ヤシの葉の繊維

ー御社の商品は、どのような形で制作、販売されていますか。

関谷:販売しているバッグはすべて、元々は低い賃金で働くことを余儀なくされていたフィリピンの女性たちに技術指導(かぎ針を使用した手編みの技術)を行って生産されているものです。

現在、フィリピン・セブ島の小さな街に自社工房を構え、約50人の女性たちが自信と誇りを持ちバッグ作りをしています。

技術指導のタイミングで日本の女性に受けの良いデザインをお伝えしており、基本的には、日本の大手百貨店やECサイト、フィリピンのリゾートホテルのショップ・ギャラリーなどで取り扱っております。

ー御社は業界のなかで、どういった差別化を図っていますか?

関谷:まず第一に、フィリピンの女性たちの雇用を生み出している点です。フェアトレードの指針に基づき公正な対価を支払うことで彼女たちの日々の暮らしを支えているのは社会貢献につながっていると思います。

またラフィアという素材自体も日本では珍しいので、一度手に取ってもらえると良さが伝わ
るのではないかと思います。

ー御社の商品に対して、お客様からはどのような声が多いのでしょうか。

関谷:実際にご使用いただいているお客様からは、ハンドメイドで作られているので温かみを感じるという声や、軽くて丈夫で通気性に優れているため持ち運びがしやすいという声を頂いております。

また事業の内容自体に共感いただくことも多いですね。

ー事業に対して、一番重要視していること、大切にしていることを教えてください。

関谷:やはり、一番はバッグを作ってもらっている現地の女性たちですね。根本にあるのは現地女性の雇用を増やすことで、そのための利益拡大を図るべきだと考えています。

現地で驚いた低賃金の実態


ー社名の由来について、教えてください。

関谷:スルシィというは、現地の古いセブ語から取ってきています。フランス語のメルシー(ありがとう)にかけて、sulci(スルシ―)としました。

ー現在の事業を立ち上げようと思ったきっかけについて教えてください。

関谷:フィリピンに旅行に行ったときに、たまたま現地の雑貨屋さんに入ったのがきっかけです。そこには、セブ島の民芸品のカゴがたくさん売ってあり、私は大変気に入ったのですが、それ以上に驚いたのがその商品の値段の安さでした。

あまりにも安い値段を見て作り手の工賃が気になったのがきっかけです。

ーその後どのように、事業に結びつけたのでしょうか?

関谷:そこから手編みのバッグを作ることで雇用を創出し、掛かっただけの工賃をきちんと支払い、出来上がったバッグを日本で販売すれば社会問題を解決しつつ、ビジネスとしてやって行けるのではないかと考えました。

現地のフェアトレード団体の代表の方と知り合うことができて、バッグ制作の活動に取り組めるようになってから、足掛け2年フィリピンに通い続けた結果、今のような事業形態になっていきました。

ー起業してから、最も印象に残っていることについて教えてください。

関谷:2013年に、知人のつながりからあるバイヤーさんのと知り合いになり、商品の背景にあるストーリーに共感をしてもらえて、いきなり大手百貨店に入荷してもらえることになったことですね。嬉しい反面、驚きも大きかったです。

一本のかぎ針でフィリピンの女性たちの未来を切り拓く!


ー今後の展望について、教えてください。

関谷:まずは、工場などを整備してより労働環境が良くなって、商品を開発していけるような体制を整備していけるようにしたいです。

また、日本だけでなくセブ島でも観光客向けの雑貨屋を展開していきたいと思っています。
日本でもECの販売網を広げていきたいです。

ー最後に、読者の方に向けて何かメッセージはありますか?

関谷:今回の記事を読んで、フィリピンの女性の雇用環境を整備したり、フェアトレード的な社会への理念に共感してくださる方がいましたら、ぜひお声がけください!

執筆:西山

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