株式会社オーダーワークス
森山遊
POSTED | 2020.01.21 Tue |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:人材(採用・派遣) 創立:5〜6年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoB |
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就活システム全体を最適化!納得感のある就活を目指す
企業や学校が一体となって就活生をサポートする社会へTopics
今回のインタビューは、新たな就活システムを提供する株式会社オーダーワークスの森山氏にお話を伺います。納得できる会社や働き方を見つけるためには、行動し続けることが大切だと語る森山氏。起業に至った経緯や、今後のビジョンについて語っていただきました。
株式会社オーダーワークス 社長 森山 遊氏のONLY STORY
【経歴】
大学を卒業後に専門商社にて営業を経験後、人事として新卒200人採用の立ち上げを行いました。その後、人材ベンチャーの執行役員を経て2019年9月に独立致しました。 人事時代から一貫して学生・若年層のキャリア形成に関わっており、現在は就活支援サービスを開発する傍らで企業の新規事業コンサルや複数の大学で就活に関わる講演を行っております。2019年12月には東京都主催のビジネスコンテスト「start up stage2019」にて協賛賞を受賞しました。
就活生の意思決定を全力でサポート
–まずは、株式会社オーダーワークスの事業内容をお聞かせください。
森山氏:弊社は、新しい就活のプラットフォームを提供する会社です。
具体的には、「就活を進めたいけれど何から始めたらいいのか分からない」という就活生に対して、マッチングイベントや会社説明会、インターシップなどを提案し、就活生をサポートする仕組みをつくっています。
–御社のサービスの強みや差別化されるポイントについて教えてください。
森山氏:弊社は、既存のエージェントのように、企業に紹介した就活生が入社したらお金をいただく形ではなく、提携企業のイベントを就活生が周ることでマネタイズをしているため、よりフラットな目線で就活生と話をすることができます。
つまり、入社を無理に促すことをせずに、就活生が少しでも多くの企業を回って知見を広げるためのお手伝いができることが、弊社のサービスの特徴ですね。
–事業の中で楽しかったり喜びを感じたりする部分はありますか。
森山氏:私は前職のベンチャー企業でエージェント事業の立ち上げをしていたのですが、その時はどうしても売上目的で、学生に対して指示をしてしまうことが多くありました。
しかし今はそれが一切なく、本当に親身になって企業やイベントを紹介できているので、就活生たちも身構えずに寄り添ってくれていると感じています。そういったコミュニケーションを就活生と取れるのがとても楽しいですね。
–実際に企業側の開拓と、学生側の開拓はどのようにされていますか。
森山氏:企業の開拓に関しては、メール・フォームマーケのシステムをいれておりすべて外注しています。また、半年に一度企業の採用担当者様を集めたオフラインのイベントを開催しており、その場で私が直接当社の理念とサービスをお伝えすることによってご契約を頂いております。
学生の開拓に関しては、Web広告や大学からの紹介が中心ですね。あとはホームページからのエントリーもあります。また、現在は陰キャ学生にターゲットを絞った自社のオリジナルメディアである「陰キャ就活」を立ち上げています。
–事業を運営する上で、大切にしていることはありますか。
森山氏:学生第一優先で、本人の意思決定を全力でサポートすることを大切にしています。
自分自身で納得感をつくることが大事
–起業に至るまでの経緯を教えてください。
森山氏:私はリーマンショックの翌年に大学を卒業したこともあり、就活にとても苦労しました。記憶しているだけでも40社はお断りされたと思います。自分が社会から必要とされていないような感覚になり、とても悔しい思いをしました。
そんな中、ある専門商社から内定の連絡をもらった時は本当に嬉しかったですね。配属された部署は決してホワイトな環境ではなかったものの、「今辞めたら自分を雇ってもらえる会社はどこにもない」という危機感から4年間がむしゃらに営業をしました。
気付けば社内で営業成績が評価され、新卒採用のプロジェクトの立ち上げを任されることになり、プロジェクト自体はとても成功したのですが、私が特に手をかけて採用した新入社員が入社後すぐにやめてしまい、大きな衝撃を受けたと共にとても悔しい思いをしました。
会社側にも問題があったのかもしれませんが、それ以前に本人がその会社で働くことにちゃんと腹落ちせずに入社してしまったのかもしれません。やがて、耳障りの良い志望動機で就活をして、ダメでも他を探せば良いと考える学生が増えてきたことに違和感を覚えるようになりました。
はじめのうちはこの問題意識を学生に対して感じていましたが、たくさんの就活生と関わるうちに、数十年間変わらず、現在の就職環境に最適化されていない古い就活の仕組み自体が原因だと考えるようになったのです。
この問題を解決するためには、私自身が就活のシステムを再構築しなければならないという使命感を持ち、起業に至りました。
–ご自身の実体験から起業をされたのですね。
森山氏:はい。結局のところ、その会社が自分に合っているかどうかは本人の問題なので、入社してみなければ分かりません。しかし、自分で行動し、多くの会社を見てその中から決めたという納得感を自分自身でつくることがすごく大事だと思っています。
そのために弊社は、就活生ができるだけ多くの会社に足を運べるよう、サポートをしています。
就活生の活動を社会全体で支えるために
–短期的な目標を教えてください。
森山氏:現在は、就活生がより自由に簡単に就職活動をすることができ、企業がより安価かつ自社にマッチした学生と会うことができるアプリ「らくらく就活(仮)」のサービス開発とシリーズAの資金調達を行っている最中です。
2020年10月のリリースに向けて、100社以上の掲載企業の開拓と月5,000人の学生登録を目指しています。
–長期的な目標を教えてください。
森山氏:さらなる展開として、学生の登録費や企業側の掲載費用が一切かからないアルバイトのメディアをつくりたいと思っています。
たとえば、アルバイト後に店長が学生のレビューを入力し、そのレビューをもとに私たちが開発したアプリを使った就活に繋げていく。つまり、第三者の評価をもとに学生が就活でき、企業側も今までになかった視点で学生を選ぶことができるという仕組みをつくっていきたいですね。
–事業を通して社会的にどういった企業になりたいとお考えですか。
森山氏:日本の就活生の活動を支える仕組みを提供する企業ですね。
日本の未来を担う就活生の活動を、企業や学校が一体となって社会全体で支え、またそれを後輩へと繋げていくエコシステムを構築することを目指しています。
–ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。
森山氏:経営者様に対しては、やり方1つで採用の単価を一気に下げることができますので、お力添えができることがあればぜひお声がけください。
これから就活を始められる方に対しては、ぜひ妥協せずにたくさん行動して欲しいと考えています。企業選びには正解はありません。自分が納得できる会社・働き方は自分が行動し続けた先にしか見つけることはできません。
一生に一度しかない就活の機会を無駄にせずに、1社でも多くの企業と出合うことを意識して就活に取り組んでいただけると嬉しいです。
執筆=山田
校正=米山