株式会社リアライブ
柳田 将司
POSTED | 2018.08.02 Thu |
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TAGS | 従業員数:51〜100人 業種:人材(採用・派遣) 創立:11〜14年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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なぜ “入社3年後のミスマッチ” は増え続けるのか
採用現場における深刻な相互理解不足解消に挑む!Topics
約32%
この割合が何を示しているか、お分かりでしょうか。
これは、厚生労働省が発表した「新規学大卒就職者の就職後3年以内離職率」にあたる割合です。この割合はこの10年ほどで急増していると言われています。
これほどの新卒社員がたった3年で苦労して入社した会社を辞めてしまうのは、なぜなのか。
今回は、『入社3年後のミスマッチをなくす』という理念を掲げ、主に新卒採用マッチングイベント事業や新卒・中途人材紹介事業を展開する株式会社リアライブの代表取締役・柳田 将司氏にお話を伺います。
“私たちは、中小・ベンチャー企業と学生がミスマッチなく出会える機会を作り出す。それによって、若者の『生きる力』を呼び覚まし、『強い日本』を呼び覚ますのです。”
株式会社リアライブ 社長 柳田 将司氏のONLY STORY
増え続ける企業と求職者のミスマッチ。その原因とは?
企業側と学生側の両者にとって、こうしたミスマッチが起こることは時間・コスト的に大きなロスであることは明らかです。もちろん、両者ともにそれを望んでいるわけではないはず。
それでは、なぜミスマッチというものがなくならないのでしょうか。
「入社3年以内の離職率の高い状況が続いている原因は、企業と学生の両者の側にそれぞれ課題があると考えています。
まず学生側の課題は、自己と社会に対する理解不足です。そもそも自分が何に向いているのか、自分の強みや弱みが何なのかがわからない。「商社」や「コンサル」という言葉もイメージのみが先行したまま就職活動に取り組んでいるというのが現状なんです。
その原因として考えられるのは、学生の『考える力』の低下。
インターネットが普及したことで、人々は多くの情報を容易に獲得できるようになりましたよね。その結果、自分の頭で考えるという機会が奪われ、その力が低下してしまった。」
情報技術の進歩によってもたらされた利便性によって奪われた思考力。学生自らがそのことに気づくのは、社会人となってあらゆる壁と対峙するようになってからでしょう。
その一方で、企業側が抱える課題とはどのようなものがあるのか。
「一方で、企業側の課題としては、学生の人間性を見抜けないこと、会社の良いところだけを見せているということが挙げられるでしょう。
例えば、アメリカにはミスマッチの軽減と定着率の向上に効果的とされる[※1]RJPというもの認知されていて、企業側がありのままの情報を求職者に届けようという意識がある。日本には、それがありませんよね。
加えて、人事が設定するKPIにも私が疑問を感じています。一般的には就職説明会や選考に何人の学生を呼べるかという数をKPIを設定する企業が多いと思います。入社した後に何人残っているか、あるいはどのくらいの人がその後活躍できているかというKPIはありませんよね。
果たしてそれでいいのでしょうか。
人事が学生たちの入社後の姿を考えられない仕組みになっているという課題を、私はここに感じています。」
[※1]RJP…「RJP」とは、Realistic Job Preview(現実的な仕事情報の事前開示)の略で、企業が採用活動に際し、求職者に仕事や組織の実態について良い面だけでなく悪い面も含めた、ありのままの情報を提供することをいいます。
年間400イベント!就活解禁前に企業と学生が出会える場づくり
学生と企業のミスマッチという大きな問題意識を抱いた柳田氏は、『入社3年後のミスマッチをなくす』という理念を掲げ、2012年に株式会社リアライブを創業しました。
「まず、学生には早い時期から就業経験やキャリアに関する知識を得られる場を作りたいと思ったんですよね。一方で、企業側にも学生の本来の能力や素の行動が見られる機会を提供したいなと思い、株式会社リアライブを創業しました。
中小・ベンチャー企業と学生がミスマッチなく出会える場を作り出そうと考え、多くのマッチングイベントを開催しています。インターネット上の情報だけで理解できる範囲はかなり限られてしまうので、それぞれが直接会えるという機会の創出には力を入れていますね。」
その言葉通り、株式会社リアライブは6社50名ほどの規模のマッチングイベントを年間400回開催しています。就活解禁前のタイミングでこうしたイベントを開催することで、より早い時期に企業と学生が知り合えるという点を重視している。
しかしながら、株式会社リアライブが開催するマッチングイベントの特徴はそれだけではない。イベントに来場する学生の層に大きな特徴があると言います。
「私たちは基本的にソーシャルメディア・100万人のフォロワーを抱えるSNSアカウントによって集客・宣伝を行うので、イベントに来てくれる学生はそうした情報を自主的に収集している学生。つまり、就職活動に積極的で、前向きな学生が多いです。
また、イベントに参加する企業のお名前は公開しません。そのため、企業規模を重視する大手志向の学生は私たちのイベントには来ませんね。
こうして中小・ベンチャー志向の学生を集めてイベントをしていると、そうした学生を探している企業側の方々も喜んでくださいますよ。企業側のリピート率で言えば、80%以上。」
このようなこだわりを追求し続けた結果、「出会える学生の質が高い」と評判を得ている株式会社リアライブ。学生の可能性を見出し、企業とのミスマッチを防ぐため、学生側からみればシビアとも思えるコンテンツも提供しています。
そこには、どのような想いが込められているのでしょうか。
「会社や経営のことを知ることができる体験型のビジネスゲームを用意しています。学生にはそのゲームに挑戦してもらって、人事担当者は順位をつけます。55人中2位といった感じで。
学生からすれば、55位なんて取ってしまうと落ち込むじゃないですか。しかしですね、そういった経験を積ませてあげることがキャリア教育だと思うんです。実際には、最初は下位の順位を取っていた学生が、何度も挑戦するうちに順位を上げていくことがある。
こうしたことを行っているのは、私たちが学生の伸びしろと成長を信じ、早い段階で気づきを得てほしいと思っているからなんです。」
徹底してミスマッチの原因を解決しようとする姿勢。そして、学生の成長を引き出そうとする教育の視点。
それらが形になったものが、株式会社リアライブの展開する新卒採用マッチング事業です。
企業からニーズの高まるLINE連携の採用管理システムをサービス化
最後に、柳田氏に今後の展望を伺いました。
採用現場における企業側の負担を軽減できるシステムのサービス化しました。
「イベントに出た後、企業がエントリーを捌ききれないということがあるんですよね。大半の企業がエクセルを使っているため、メールや電話の取りこぼしがあることも少なくありません。
そこで、株式会社リアライブではLINE連携の採用管理システムをつくりました。具体的には、各求職者の選考状況が一目でわかるように管理できたりメールを自動で送信できたりするようなシステムを作ろうとしています。LINEで学生とコミュニケーションをとることにより、歩留まり率の改善ができます。」
その一方で、エンジニア採用イベントの多開催も進めています。
「IT系の専門学生などをはじめ、エンジニアやプログラマーを目指す学生への就職支援を強化していきたいと考えています。というのも、企業側のエンジニアへのニーズが今とても高まっていっているんですよね。
具体的には、プログラミングをオンラインで2ヶ月間教育したのちにマッチングをしたり、専門学校とタッグを組んで専門学生を集客したりといった方法を考えています。今、大卒市場はレッドオーシャン化しているため、こうしたところに一気に特化して進めていこうと考えています。」
さらに、柳田氏はこう続けました。
「私たちは、これからもブレない想いを胸に事業を続け、様々な領域への進出を視野に入れています。また、採用が決まって終わりというのではなく、新卒で入社していく人材を継続的に支援したいという想いもありますね。」
柳田氏のお話を伺っていると、『入社3年後のミスマッチ』がなくなる日が本当にやってくる気がしてなりませんね。柳田氏と株式会社リアライブの今後のご活躍から目が離せません。
中小・ベンチャー志望の学生をお探しの企業様、あるいは中小・ベンチャー企業への就職を考えている学生は、ぜひ一度株式会社リアライブが開催するマッチングイベントを訪れてみてはいかがでしょうか。