田所 周平

私は中学生のころバスケットボールが好きで、高校2年生のときにロサンゼルスとカリフォルニアであったマジックジョンソンバスケットボールキャンプに参加したことから、海外に興味を持つようになりました。

早稲田大学に入学した当初から交換留学をしたいという想いがあって、交換留学試験を受けたのですが、なかなか受かりませんでした。そこで2年生のときに2ヶ月ほどバングラディッシュにボランティアに行き、アジアという地域が好きになります。その後4年生のときにタイの東大にあたるチュラロンコーン大学に留学し、日本に戻ってから就職しました。

また、学生のころから起業したいという想いがあって、ETICという起業したい学生が起業家のカバン持ちをしたり一緒に働いたりできるインターンシップに一度参加したんです。その経験から、やはり一度就職して経験を積むべきだと思い、最初は大手衣料メーカーに、その後海外事業を展開している会社に何度か転職しました。

英語を活かしてメーカーで海外営業を行ったり、商社で中古車を海外に販売する業務に携わり、パプアニューギニアに駐在したこともあります。第二の首都のラエというところで、向こうの建設機械の販売もしていました。また世界一周のピースボートの通訳として船旅に同行したり、ワーホリを利用して1年間オーストラリアで暮らしたりもしました。

そういったものを経て、最初に転売ビジネスをはじめました。当時は副業という形で中古車の輸出を行いながら電化製品を中国から輸入してAmazonで売っていたんです。しかしなかなかキャッシュが回収できなかったり、レビューにアカウントの使用が左右されるという状況があり、悩んでいたところに友人からAirbnbを教えてもらって、新しくファーストコミュニティという会社を立ち上げました。

これは民宿の代行会社で、契約を使わずにAirbnbなどのサイトを利用して民宿のオーナーと海外を繋ぐという事業でした。これはうまく回って給料よりも稼げるようになったので、そこで会社を退職する決断をします。

その会社は去年の11月に売り、そこから民宿関係の知り合いの伝手でレジャーホテルの方と付き合いが始まり、その会社と提携して外国人の人材派遣、紹介、および就労ビザの申請という業務に入り込んでいきました。

株式会社Global Starsは、外国人に特化した人材派遣会社です。今後日本では外国人の需要はますます増えると思うので、そのあたりの行政手続きや申請にも関われるというのはひとつの大きな強みだと考えています。出身国として多いのは、フィリピン、ネパール、ベトナム、中国、モンゴルと多種多様ですね。

また、人材派遣会社は企業側について企業の求める求職者を探すというのが通常のモデルだと思いますが、現在株式会社Global Starsが取り組んでいるのは就職塾というかたちで、留学生が就労ビザを取って就職するにあたっての相談を受け、アドバイスするといったことを行っています。

就労ビザの申請において、留学生が専攻する学問と就職先が一致している必要があるんですね。例えばITを学んでいる留学生はIT企業に入社する必要があるので、そのあたりが日本人の就職活動とはまったく異なる点です。

候補者が大学を出ていなければならない、また、企業が雇用するにあたってきちんとした経営状態を保っている必要があるなどの観点からそれを満たせているのか確認します。そういったハードルをひとつひとつクリアしながら、申請に関しては行政書士の方の協力を得て進めることもあります。

今後の展望としては、自分たちで求人を開拓して企業との連携を強めていきたいですね。企業に直接外国の方を紹介したり、海外からのエンジニアやメカニックエンジニアを紹介できればと思います。具体的にエンジニアという職種をあげたのは、機械の操作や整備などのメカニカルエンジニアはビザが取りやすいためです。

現在は留学生を主な対象としているため、日本の学生とまったく関わりがなく、今後は接点を作っていきたいと思っています。素養として英語力が高いということは必須になり、プラスアルファで別の言語がしゃべれるとより良いと思います。

例えばFacebookなどを活用してサービスの広告を出したり、営業に近い形で紹介先の開拓をしたり、申請業務に携わってもらえるようなかたちを取りたい。特に法律や行政に関する学問を専攻している学生と一緒に働きたいですね。