株式会社タグログ

吉田 晃輔

企業とグローバル人材を結ぶ採用プラットフォーム

現地オフィスで事前就業が可能
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今回のインタビューは採用プラットフォーム「Taglog Next」を展開する株式会社タグログの吉田氏にお話を伺います。外国人人材採用のミスマッチを防ぎ、日本企業のグローバル化のサポートを目指す「Taglog Next」について、マッチングの要諦を教えていただきました。

株式会社タグログ 代表 吉田 晃輔氏のONLY STORY


【経歴】

1986年、静岡県浜松市出身。2009年、横浜国立大学経営学部卒。新卒で入社した自動車メーカーでは海外営業部門に所属し、南西アジアのディストリビューター(パキスタン・スリランカ・ネパール・ブータン・バングラデシュ)の経営支援を担当。また前職在籍中に2年間ボランティア休職をとり、東アフリカ・ルワンダの村落にて農産物の加工支援プロジェクトの立ち上げ・運営をおこなう。

2017年にESADEビジネススクール卒(MBA/スペイン)を卒業後、バングラデシュを中心に自動車・二輪業界を中心に複数の事業を運営している(Asian Holdings: http://asianholdings.com.bd/)

ミスマッチを防ぐ「お試しリモート入社」


–株式会社タグログの業務内容からお尋ねします。

吉田氏:弊社は、グローバル人材と日本企業を直接つなげる採用プラットフォーム「Taglog Next」を展開しています。

人材紹介と言えばオフラインが従来の形ですが、「Taglog Next」は企業の求人票から求職者の応募、面接の日時調整、そして採用までをひとつのオンラインプラットフォーム上で完結できるサービスとなっています。

–「Taglog Next」が解決する課題とは何でしょうか。

吉田氏:私が前職のメーカーに在職していた時、せっかく外国人を採用できても半年くらいで辞められてしまう現状をたくさん見聞きしました。その定着率の低さはひとえに求人側と求職側のミスマッチに原因があると考えられます。

「Taglog Next」ではミスマッチ率を改善するために、「お試しリモート入社」という制度の試行を始めています。これは、半年または1年間リモートで実際の仕事に関わることで、企業とグローバル人材の最適なマッチングを実現していく試みです。

リモートワークの拠点となる場所は弊社が提供するほか、情報面でのセキュリティ対策や勤怠管理などへの目配りも万全です。現在はバングラデシュにある弊社オフィスを提供し、トライアルをしています。

–グローバル人材の採用の現状についてどう考えていますか。

吉田氏:私はグローバル人材を採用する際に、日本語ありきという考え方を改めるべきだと思っています。

日本語を習得済みの人材の中から選ぶだけでは、選択の分母が狭くならざるを得ません。それよりも、たとえばIT人材を求めるのであれば、IT人材としての能力や経験、日本で働きたいという意欲を重視すべきです。

また、IT企業が海外でプログラムを作る場合、いくら現地のエンジニアが優秀でも日本から的確な指示を英語で出せなければ意味がありません。そのためには専門知識を持つ外国人スタッフを国内に採用することが大切であり、日本企業のグローバル化、ダイバーシティ推進には必須の条件であると思っています。

–「お試しリモート入社」以外に、他の人材紹介会社との差別化ポイントや強みは何でしょうか。

吉田氏:求職者の履歴書データを保有しており、過去に日本企業と面接をした際のレイティングデータも見られる点が強みですね。これによって応募者の能力や特性が把握でき、プラットフォームの質も向上していっています。

バングラデシュでも郷に入っては郷に従え


–「タグログ」立ち上げの動機を教えてください。

吉田氏:前職のメーカー在籍時に外国人採用の失敗を目の当たりにした経験に加えて、海外へ進出しようとして採用で失敗してしまう企業を多く見てきたことから、この分野で自分にできることはないかと以前から考えていました。

また、私が2017年からバングラデシュで別の事業を運営する中で、高い能力を持ち日本で働きたいと思っている人々がかなり多くいることを知り、そうした方々のために機会を提供したいと思ったのが立ち上げの経緯です。

–もともと起業志向はありましたか。

吉田氏:学生時代にはクラブを作ったり、就職して1年後にはボランティア休職を2年間取って、東アフリカのルワンダの村で農産物の加工支援プロジェクトを立ち上げて運営したりしていたので、自分で何かを始めたいタイプなのかもしれませんね。

–事業を立ち上げて大変だったことはありますか。

吉田氏:「郷に入っては郷に従え」という言葉は、バングラデシュにいても意識しなくてはならないと痛感しました。自分自身が良かれと思っても、バングラデシュの人にとって必ずしもそうではないことも多く、現地の考え方を理解しなければ事業の成功はないと学びましたね。

工夫次第で言語の壁は越えられる


–短期的、中長期的な目標をお伺いします。

吉田氏:短期的には、「Taglog Next」を通じて日本で働く外国人が増え、日本での仕事や生活に幸せを感じてもらうことが目標です。

中長期的には、私は日本企業のグローバル化に特に興味を持っているので、弊社のサービスを利用して日本でキャリアを積んだ外国人たちが、日本企業のグローバル化の力になってくれたら、こんな嬉しいことはありませんね。

また、雇った外国人の能力を日本企業が評価し、その人の出身国に進出したいと思っていただけた場合、弊社がサポートする形で一緒に事業をできたらすごく良いと思っています。

–日本企業のグローバル化の課題は何でしょうか。

吉田氏:やはり言語の違いに対する拒絶反応の強さですね。この課題を解消するためには、言語力が不十分でも工夫次第で仕事は回るという成功モデルを重ねていくことが先決で重要になります。

いろんな企業と一緒に仕事をすることで、業務を進める上で言語よりも重要なものが見えてくるはずです。「言葉がしゃべれないからうちはやりません」というマインドセットを少しずつ変えていきたいですね。

–社会にとってどんな存在の会社でありたいですか。

吉田氏:外国人が日本に来て仕事をしようとする場合、日本企業の担当者が現地に飛んで、流れ作業のように求職者と面接するケースが多いのが現状です。しかし、これがミスマッチが多い原因であり、外国人人材が日本でいろんなトラブルを起こすことにもつながっているように思います。

弊社のサービスであれば、人となりや仕事との相性などを正確に把握できるためミスマッチやトラブルも減り、それが外国人人材の環境改善につながっていきます。労使双方に幸せをもたらせる会社でありたいです。

–最後に、読者へのメッセージをお願いします。

吉田氏:事業競争力強化やダイバーシティ推進のために外国人人材の活用を検討している企業様、海外での事業展開を計画されている企業様を、弊社は全力でサポートさせていただきます。ご連絡をお待ちしています。

執筆=増田
校正=米山

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