監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
マーケティングオートメーション(MA)は、リードの獲得や育成を効率よく進めるためのツールです。
主な機能と導入の流れを押さえ、自社で活用できるかを確認しましょう。

マーケティングオートメーションの意味と、リードの一元管理やスコアリングなど主な機能を解説しています。導入のメリットとデメリット、課題の明確化から他部署との連携までの導入の流れもまとめました。
監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
マーケティングオートメーション(MA)は、リードの獲得や育成を効率よく進めるためのツールです。
主な機能と導入の流れを押さえ、自社で活用できるかを確認しましょう。

マーケティングオートメーション(MA)は、リード(見込み客)の獲得や育成を効率的におこなうツールです。
休眠顧客の掘り起こしや新規開拓・リードの育成・業務の効率化といった目的で導入されます。
マーケティングオートメーションが注目される背景には、インターネットの普及があります。
顧客は簡単に多くの情報を得られるようになり、企業から顧客にアプローチする従来のタイミングでは既にサービスの検討が終わっていることがありました。
自社サービスを検討してもらうためには、顧客がサービスの導入を検討する前からコミュニケーションを取り、候補に入れるように活動する必要があります。
そういった活動を効率的におこなうためにマーケティングオートメーションが注目されているのです。

マーケティングオートメーションによって搭載されている機能は異なりますが、主に7つの機能が搭載されています。
【マーケティングオートメーションの主な機能
リードの一元管理機能とは、Webサイトや展示会・セミナーなどさまざまな方法で入手したリードの情報をまとめて管理する機能です。
見込み客の情報とは、展示会やセミナーで集めた名刺や過去に取引した企業名・現在取引している企業名などです。
リードが個別で管理されて共有できていない場合は、リードへの対応が漏れてしまい、顧客に育成できる機会を逃す可能性があります。
また、営業マンが同じリードに対してアプローチをかけるといった非効率な営業となる場合があります。
しかし、マーケティングオートメーションでリードの情報をまとめて管理できれば、リードの放置や重複したアプローチの防止が可能です。
メール配信機能とは、リードにメールを一斉配信する機能です。
リードをセグメント化して、セグメントごとに最適なタイミングで最適なメールを配信できるため、リードの購買意欲を高めやすくなります。
配信するメールは、キャンペーンをお知らせするメールやセミナーのリマインドメールなどです。
新しいサービスのリリース情報やWebサイトの更新といった情報は、誰でも平等に知りたいものであるため、リードに同じ内容で一斉配信しても問題ありません。
しかし、自社サービスの導入事例やホワイトペーパーに関する情報などは、情報を必要としているリードが限定されるため、セグメントごとに配信する形式が向いています。
スコアリング機能とは、リードの行動にスコアをつける機能です。
リードの行動には、Webサイトへの訪問やメールの開封率・イベントへの参加率などが挙げられます。
成約につなげるためには、リードの購買意欲が高くなっている段階でアプローチする必要があります。
しかし、購買意欲が高い段階を把握できないと、購買意欲が高い最適なアプローチのタイミングを逃してしまうでしょう。
スコアリング機能を活用すれば、リードの行動でスコアリングされて、購買意欲が高い状態のリードを把握できます。
優先度がわかるため、むやみやたらにアプローチする必要はなくなり、業務効率を改善することが可能です。
アラート機能とは、特定の条件に該当するリードが特定のアクションをおこなったときに営業マンに通知する機能です。
特定のアクションには、メールの開封やWebサイトの訪問などが挙げられます。
例えば、サービスの更新月がもうすぐの見込み顧客が自社のWebサイトを見た場合に通知するといった設定が可能です。
サービスの更新月が近い見込み顧客が自社のWebサイトを見ているということは、自社サービスを検討していることが予想されます。
自社サービスに興味を持っているタイミングであるため、リードが必要としている情報を与えるなど適切なアプローチをおこなえば成約につなげられる可能性が高いです。
このように、アラート機能を活用すれば、アプローチの最適なタイミングを逃さずに成約につなげやすくなります。
フォーム作成機能とは、お問い合わせフォームやランディングページを作成する機能です。
マーケティングオートメーションを利用せずにお問い合わせフォームやランディングページを作成する場合、 HTMLやCSSの知識が必要となります。
プログラミングの知識がない人は作成することが難しいうえに、コーディングを間違えればページデザインが崩れてしまいます。
しかし、フォーム作成機能を活用すれば、画面の指示に従うだけで簡単にフォームの作成が完了します。
また、作成したページのテンプレートを保存できるため、2回目以降のセミナーなど似たようなページを作成する際に大幅に手間や時間を削減することが可能です。
レポート作成機能とは、マーケティング施策をおこなった結果をレポートにする機能です。
作成できるレポートには、メールの開封率やWebサイトのコンバージョン率などが挙げられます。
マーケティングで成果を出すためには、施策をやって終わってはいけません。
施策の結果を分析してPDCAを回すことで、効率的な営業が可能となり成約率が向上するものです。
レポート作成機能を活用すれば、マーケティング施策の結果をデータとして可視化できるため、改善点を見つけられます。
分析する項目が多過ぎると改善点が見つけづらいため、必要最低限の項目に留めましょう。
連携機能とは、マーケティングオートメーションを外部ツールやアプリと連携する機能です。
連携するツールには、CRMやSFA、名刺管理ツールなどが挙げられます。
マーケティングオートメーションをCRMやSFAといった外部ツールと連携させると、より精度の高い効果測定がおこなえたり、リードに対してより最適なアプローチができたりします。
データをそれぞれ入力する必要がないため、入力にかかる時間や手間を削減できて、入力ミスを減らすことも可能です。
マーケティングオートメーションによって連携できるツールが異なるため、導入前に既存のツールと連携できるか確認しておくことをおすすめします。
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マーケティングオートメーションを導入するメリット(効果)は3つあります。
【マーケティングオートメーションを導入するメリット】
マーケティングオートメーションでは確度の低いリードにもアプローチできるため、リードを最大限に活用できて、保有する顧客情報のすべてが資産になります。
営業の目的は売上の向上であり、目先の売上ばかりを追い求めると、成約につながるまでに時間を要するリードは放置されてしまうことがあります。
放置されるリードが展示会で獲得したものであれば、展示会の開催費用を一部無駄にしていることとも言えるでしょう。
しかし、マーケティングオートメーションを活用して確度の低いリードに継続的にアプローチすることで、着実に購買意欲を高められます。
それにより、リードの集客にかけた費用の無駄を削減できます。
スコアリング機能を活用すれば、アプローチすべきリードの優先度を判断できます。
マーケティングオートメーションでは確度の低いリードにアプローチできるため、顧客情報すべてが資産となります。
資産が増えるメリットがありますが、リードが多くになるにつれてリードごとの確度を把握しづらくなって管理が難しくなります。
それにより、確度の高いリードを放置して、確度の低いリードにアプローチしてしまうこともありえるのです。
しかし、マーケティングオートメーションでリードの優先度を把握できれば、優先度が高い順にアプローチできるため、営業効率を高めることが可能です。
マーケティングオートメーションを活用すると、業務の属人化を防げます。
属人化とは特定の人しか業務をこなせない状態であり、部署異動や退職で担当者が変わる際に引継ぎがスムーズにおこなえません。
さらには、担当者によって業務の品質にバラつきが出たり、売上を支えていた営業マンが退職すると売上が下がったりします。
しかし、マーケティングオートメーションを活用すれば、営業マンは業務で得た情報を入力するため、ある情報を特定の人しか知りえないといった状態を防げます。
営業マンのスキルや知識を標準化できるため、誰が新人を教育してもバラつきがなく、人材教育も簡単におこなえます。

マーケティングオートメーションを導入するデメリットは3つあります。
【マーケティングオートメーションを導入するデメリット】
マーケティングオートメーションを導入したからといって、翌日から効果がでるものではありません。
マーケティングオートメーションでリードを育成して、確度が高いリードを営業部門に引き渡し、営業部門がクロージングに成功することで成果となります。
また、マーケティングオートメーションを導入してもすぐに組織に定着しないでしょう。
運用できれば業務効率が改善しますが、操作になれるまでには時間や手間がかかります。
即効性を期待してマーケティングオートメーションを導入したにもかかわらず、なかなか効果がでないうえに、導入費用や運動費用・人件費ばかり発生することも考えられます。
マーケティングオートメーションでは、リードの段階にふさわしいコンテンツを継続的に提供する必要があります。
提供するコンテンツは、メールマガジンやホワイトペーパーなどです。
一度コンテンツを作ってしまえば、半永久的に資産となります。
しかし、リードに価値を提供できるコンテンツを作るには時間と手間がかかってしまう点がデメリットです。
業務の効率化を目的にマーケティングオートメーションを導入したにも関わらず、業務が増えてしまったと感じる人もいるでしょう。
他の業務に追われてコンテンツの作成に時間を割けずに、リードを効率的に育成できない場合も考えられます。
その場合は、コンテンツの作成を外部に委託したり、社内でコンテンツ作成をおこなう担当者を別で配置したりしましょう。
マーケティングオートメーションには、リードを一元で管理できる機能が搭載されています。
しかし、導入したからといって既に保有しているリードの情報は自動的に取り込めません。
CRMでリードの情報を管理していた場合は、CSVでリードの情報をファイルに書き出して、MA用にデータを整えてから取り込む作業が必要です。
名刺などオフラインで獲得したリードに関しては、手作業で入力する必要があるでしょう。
マーケティングオートメーションを運用し始めると業務効率化により業務負担が軽減されますが、導入段階では大きな手間が発生してしまいます。
リードの情報を移行する際、数字やカタカナで半角と全角が違うと、同じリードでも別のリードとして登録してしまう場合があります。
修正作業を発生させないためにも、あらかじめデータ移行のルールを決めておきましょう。

マーケティングオートメーションの効果を高めるために、マーケティングオートメーションを導入する流れを理解しておきましょう。
【マーケティングオートメーションを導入する流れ】
まずは自社が抱えている課題を明確にします。
課題を明確にしないまま導入すると、PDCAを回せずにあまり効果が得られないことが考えられます。
営業活動の最終目的は、売上の向上です。
売上を向上させるためには、どのような問題を解決すべきなのか課題を明確にしてください。
そのうえで、自社が抱える問題を解決するためには、そもそもマーケティングオートメーションが最適なのかも検討しましょう。
課題によっては、CRMやSFAの方が適している場合があります。
ツールによって搭載されている機能は異なります。
課題を明確にできたら、課題を解決できる機能が搭載されているマーケティングオートメーションを選びましょう。
マーケティングオートメーションを選ぶ際は、主に以下の点を確認してください。
【マーケティングオートメーションを選ぶポイント】
導入するマーケティングオートメーションが決まったら、次はシナリオを作成しましょう。
シナリオとは、特定のアクションを起こしたリードに対してあらかじめ決めたアクションを返すことを定めたものです。
主にリードの育成段階で活用します。
シナリオを作成すると、ある程度リードの行動を想定できるようになり、適切なタイミングで適切なアプローチをおこなうことが可能です。
成約率の向上が期待できます。
人員に余裕がある場合は、マーケティングオートメーションを運用する役割を分担することをおすすめします。
マーケティングオートメーションにはさまざまな機能があり、一人では機能を使いきれない場合があるでしょう。
考えられる役割には、リードの育成担当や効果測定をおこなう担当などがあります。
人員に余裕がなく、一人でマーケティングオートメーションを使用する場合は、最低限の機能が搭載されているシンプルなものを選ぶと機能を最大限に活用できるでしょう。
マーケティング部門にはリードを獲得・育成する役割があり、営業部門にはリードにクロージングする役割があります。
成約につなげるためには、マーケティング部門でリードの確度を高めて、適切なタイミングで営業部門へ引き渡す必要があります。
しかし、マーケティング部門と営業部門がうまく連携できていなければ、せっかく購買意欲を高めてもクロージングする機会を逃してしまうでしょう。
また、営業部門へ引き渡したリードの購買意欲が十分に高くなっていなかった場合はマーケティング部門へ戻すこととなります。
マーケティング部門から営業部門へ最適なタイミングで最適な状態のリードを引き渡すために、どのくらいの確度のリードを引き渡すかと言った認識を共有しておきましょう。
マーケティングオートメーションは休眠顧客を掘り起こせるため、社内で保有する顧客情報を最大限に活用できます。
本記事で紹介したマーケティングオートメーションを利用するメリットやデメリットを理解して、マーケティングオートメーションの導入を検討してください。
ちなみに、当社オンリーストーリーではビジネスマッチングサービス「チラCEO」を提供しています。
経営者と効率的にマッチングできるため、マーケティングオートメーションと併せて導入してみてはいかがでしょうか。
A. インターネットの普及で、顧客が自ら情報を調べて比較するようになったためです。
購入を検討する前の段階から接点を持つ必要が高まりました。
そのため、顧客の関心に合わせて情報を届ける仕組みが求められるようになりました。
A. 効果が出るまで時間がかかること、配信するコンテンツを準備する手間がかかること、既存データの移行に手間がかかることです。
小さく始めて効果を確認しながら広げると、負担を抑えて運用できます。
A. 課題を解決できる機能が搭載されているか、操作性は高いか、どのような外部ツールと連携できるか、セキュリティ体制は整っているかを確認します。
無料トライアルなどで実際の使い勝手を確かめてから導入すると失敗を防げます。
A. リードの行動を想定して、どのタイミングでどのようなアプローチをするかを決めたものです。
シナリオを作ると、適切なタイミングで適切なアプローチができます。
まずはシンプルなシナリオで成果を確認し、必要に応じて少しずつ分岐を増やしましょう。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。