監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
年末の挨拶メールを取引先へ送るとき、いつ送ればよいのか、どこまで書けばよいのか迷うことはないでしょうか。
この記事では、送る時期の決め方と場面別の例文、休業の告知を同じメールに入れる書き方、返信をもらったときの返し方までを解説します。
年末年始の挨拶メールが読まれる条件
この時期のメールは、相手の受信箱で埋もれやすくなります。
読んでもらうために何が要るのかを整理します。
同じ文面が何十通も届いている
取引先の担当者には、同じ時期に多くの挨拶が集まります。
定型文だけのメールは、開かれずに処理されます。
差がつくのは、相手との間に実際にあった出来事に触れているかどうかです。
一行でよいので、今年その相手と何をしたかを書きます。
相手が知りたいのは休業の期間
挨拶そのものより、いつからいつまで連絡が取れないかを気にしています。
休業期間を本文の上のほうに書くと、用件として扱ってもらえます。
緊急時の連絡先があれば、あわせて示します。
年始の営業開始日も同じ行にまとめます。
返信を強いる書き方をしない
挨拶に返信を求めると、相手の手間を増やします。
ご返信には及びませんという一行を添えると、気を遣わせずに済みます。
返信が来たときだけ、短く返せば十分です。
やり取りを長引かせないことが、この時期の礼儀になります。
年末の挨拶メールを送る時期
早すぎても遅すぎても効果が落ちます。
目安の決め方を示します。
相手の御用納めから逆算する
多くの企業は十二月二十八日前後に仕事納めを迎えます。
その三営業日前までに届くように送ると、落ち着いて読んでもらえます。
最終日に送ると、片付けの中で流されます。
相手の業界によって納めの日は違うため、分かる範囲で合わせます。
自社の休業が決まってから送る
休業期間が未定のまま挨拶だけ送ると、二度手間になります。
社内の休業日程が確定してから一度で送るほうが、相手の管理も楽になります。
決まるのが遅れる場合は、先に休業の案内だけを出す方法もあります。
挨拶と告知を分けるなら、告知を先にします。
送る相手に優先順位をつける
全社に一斉送信すると、文面が薄くなります。
今年取引のあった相手には個別に書くと決めておくと、負担が偏りません。
名刺交換だけの相手は、一斉送信で構いません。
分ける基準を先に決めておけば、毎年迷わずに済みます。
送信の前に宛名と社名を見直す
この時期は同じ文面を使い回すため、宛名の差し替え漏れが起きます。
別の会社名が残ったまま送ると、挨拶そのものが逆効果になります。
差し込みを使う場合も、送信前に数通を目視で確認します。
役職名の変更があった相手は、名刺や署名欄で最新のものに直します。
場面別の年末の挨拶メール例文
相手との関係によって、書く内容が変わります。
四つの場面で例文を示します。
今年取引があった相手に送る例文
具体的な案件に触れると、定型文から抜け出せます。
相手の名前と案件名を本文に入れると、個別に書いたことが伝わります。
感謝は一行に収め、長く書きません。
休業の案内は本文の後半にまとめます。
件名:年末のご挨拶と年末年始の休業期間のご案内(株式会社△△)
〇〇株式会社
田中様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の佐藤でございます。
本年は、商談管理の仕組みづくりでご一緒させていただき、誠にありがとうございました。
九月に稼働を開始できましたのも、田中様に社内の調整をお引き受けいただいたおかげです。
さて、弊社の年末年始の休業期間につきましてご案内申し上げます。
休業期間:十二月二十七日(土)から一月四日(日)まで
一月五日(月)から通常どおり営業いたします。
期間中にいただいたご連絡は、五日以降に順次ご対応いたします。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、本メールへのご返信には及びません。
今年は取引のなかった相手に送る例文
動きがなかった相手にも、接点を残す意味があります。
来年に向けた一言を短く添えると、再開のきっかけになります。
取引がなかったことには触れません。
売り込みを入れると、挨拶の体裁が崩れます。
件名:年末のご挨拶(株式会社△△ 佐藤)
〇〇株式会社
鈴木様
お世話になっております。
株式会社△△で営業を担当しております佐藤でございます。
本年もお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
来年は、貴社の営業部門で話題にのぼっていた商談の可視化について、あらためてご提案できればと考えております。
弊社は十二月二十七日(土)から一月四日(日)まで休業とさせていただきます。
来年も変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
名刺交換だけの相手へ一斉に送る例文
一斉送信では、誰にでも当てはまる書き方にします。
宛名を会社名だけにして、個人名を入れない形が安全です。
人数が多いときは、宛先を非公開にします。
挨拶と休業案内の二点に絞ります。
件名:年末年始の休業期間のご案内(株式会社△△)
各位
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
株式会社△△でございます。
年末年始の休業期間につきまして、下記のとおりご案内申し上げます。
休業期間:十二月二十七日(土)〜一月四日(日)
一月五日(月)より平常どおり営業いたします。
休業期間中にいただいたお問い合わせは、営業開始後に順次ご返信いたします。
皆様よいお年をお迎えくださいませ。
年始に送る挨拶の例文
年始は、短く早く送るほうが印象に残ります。
営業開始日の午前中に届くように用意しておくと、先頭に並びます。
長い抱負は書きません。
今年の予定を一行入れると、次の連絡につながります。
件名:新年のご挨拶(株式会社△△ 佐藤)
〇〇株式会社
田中様
あけましておめでとうございます。
株式会社△△の佐藤です。
旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
本年は、昨年ご相談いただいた拠点展開の件について、一月中にあらためてご提案に伺えればと存じます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
休業のお知らせを同じ一通にまとめる
挨拶と告知を分けて送ると、相手の受信箱が混みます。
一通にまとめる際の並べ方を示します。
件名に休業の案内だと分かる語を入れる
挨拶だけの件名では、用件として認識されません。
件名に休業期間のご案内という語を入れると、後から検索して探せます。
会社名も件名の末尾に添えます。
年末のご挨拶という語とあわせて使えます。
日付は改行して独立させる
文章の中に日付を埋めると、読み飛ばされます。
休業期間の行を単独で置くと、ひと目で分かります。
曜日まで書くと、相手が自社の予定と照らし合わせやすくなります。
開始日も同じ形で並べます。
期間中の対応方針を一行書く
連絡が取れない期間に何が起きるかを、相手は気にしています。
いつから順次対応するのかを明記すると、問い合わせが減ります。
緊急の窓口があるなら、その条件も書きます。
無い場合は、無いと書いたほうが親切です。
休業前にやり残しを一覧にする
挨拶の準備と同時に、年内に片付ける用件を洗い出します。
相手の返事待ちになっている案件を先に催促すると、年明けの立ち上がりが変わります。
返事が来ない相手には、休業前の最終日を明記して連絡します。
年内に決まらない案件は、年明けの再開日を相手と約束しておきます。
返信が来たときの返し方
挨拶に返信が届いたら、短く返します。
三つの型を押さえておけば迷いません。
相手から先に挨拶が届いた場合
先を越されたときは、送るはずだった文面を流用しません。
いただいたことへの御礼を先頭に書くと、後追いの印象が薄れます。
こちらの休業期間は、同じ返信の中に入れます。
送信予定だった旨は書きません。
返信に具体的な相談が含まれていた場合
挨拶の返信に用件が混ざることがあります。
挨拶への返礼と用件の返事を、段落で分けると読みやすくなります。
年内に対応できない用件は、着手できる日を書きます。
曖昧にすると、年明けに催促が来ます。
役職の高い相手から返信が来た場合
決裁者から直接返信が届くこともあります。
短く返し、次の面談の希望を一行だけ添えると、機会を逃しません。
長文で返すと、かえって負担になります。
年始の訪問を打診するなら、この一往復が入り口になります。
年始の挨拶で差がつく一行
年始は全社が同じことを書くため、差がつきにくい時期です。
その中で読まれる書き方を示します。
前年の出来事を一つだけ挙げる
抽象的な感謝は、誰に送っても同じ文章になります。
相手と実際にあった出来事を一つ書くだけで、文面の密度が変わります。
数字が入っていれば、さらに具体的になります。
挙げるのは一つで十分です。
今年やりたいことを提案の形で書く
抱負を述べるだけでは、相手の行動につながりません。
今年こうしたいという内容を、相談として書くと返信が生まれます。
時期を入れると、予定として扱われます。
重い提案はせず、顔合わせの打診にとどめます。
送信の時刻をそろえる
年始は営業開始の午前中に集中します。
前日のうちに下書きを用意しておくと、朝一番に出せます。
予約送信が使える環境なら、そちらを使います。
午後になるほど、埋もれる確率が上がります。
挨拶を次の商談につなげる
年末年始の挨拶は、翌月の訪問をつくる数少ない機会です。
つなげ方と、その限界を整理します。
年始の訪問を打診する
挨拶の返信が来た相手は、反応が良い相手です。
年始の挨拶回りという名目で面談を打診すると、断られにくくなります。
目的は顔合わせに限定し、提案は持ち込みません。
日程は一月の第二週以降を提案します。
担当者止まりで終わる場合もある
挨拶が届いても、決める立場の人まで届くとは限りません。
担当者と決裁者では、年始に見ている情報が違います。
担当者経由の提案は、社内で優先順位を落とされやすくなります。
年始にこそ、判断できる相手と直接話す価値が出ます。
決裁者と直接つながる場を併用する
オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。
年始の面談を、担当者を介さずに設定できます。
挨拶回りと並行して使うと、一月の商談数を確保しやすくなります。
一方で、単価の低い商材や、担当者の判断で完結する商材では効果が出にくい傾向があります。
まとめ
年末の挨拶メールは、相手の御用納めの三営業日前までに届くように送ると落ち着いて読んでもらえます。
一通の中に感謝と休業期間と年始の連絡予定を入れると、相手の確認が一度で済みます。
件名には休業期間のご案内という語を入れ、日付の行は独立させてください。
今年取引があった相手には個別に書き、名刺交換だけの相手は一斉送信で構いません。
返信が届いたら短く返し、役職の高い相手には次の面談の希望を一行だけ添えます。
年始の挨拶は、前年の出来事を一つ挙げるだけで定型文との差がはっきり出ます。
そのうえで担当者止まりの案件が多いなら、年始に誰と話しているかを見直してみてください。
よくある質問
Q. 年末の挨拶メールはいつ送ればよいですか
A. 相手の仕事納めの三営業日前までに届くように送ります。
最終日に送ると片付けの中で流されるため、避けてください。
自社の休業日程が確定してから一度で送るほうが、二度手間になりません。
Q. 挨拶と休業のお知らせは分けるべきですか
A. 一通にまとめたほうが、相手の受信箱が混みません。
件名に休業期間のご案内と入れておけば、相手が後から探しやすくなります。
休業日程の確定が遅れる場合に限り、告知を先に出す形も使えます。
Q. 一斉送信で送ってもよいですか
A. 名刺交換だけの相手であれば問題ありません。
宛名は会社名だけにし、個人名を入れない形が安全です。
今年取引のあった相手には、個別に書き分けてください。
Q. 挨拶メールに返信は必要ですか
A. 本文にご返信には及びませんと添えられていれば、返さなくて構いません。
返す場合は、いただいたことへの御礼を先頭に書き、短くまとめます。
用件が混ざっていたときは、返礼と用件の返事を段落で分けてください。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

