株式会社佐田
佐田 展隆
POSTED | 2015.09.15 Tue |
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TAGS | 従業員数:101〜300人 業種:製造業 創立:15年以上 決裁者の年齢:その他 商材:BtoC |
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オシャレは“おもてなしの心”の自己表現
“オーダースーツ=高嶺の花”を覆す老舗メーカーTopics
株式会社佐田 社長 佐田 展隆氏のONLY STORY
創業90年、オーダーメイド一筋
自分の好みに合わせて生地やデザインを自由に選べ、
体にジャストフィットするサイズのスーツが、気軽にお手頃な
価格で作れると聞いたらワクワクするのではないだろうか。
そんなオーダースーツの製造小売業を長年行っている、
株式会社佐田の佐田展隆社長に話を伺った。
「弊社は自社工場を仙台と北京(中国)の2箇所に持ち、
年間12万着のオーダースーツを製造している、
オーダースーツの大手専門メーカーの1社です。
そして、国内32か所に直販店舗を展開する、
製造小売業(SPA)も手掛けています。
生地企画から製造、小売まで、サプライチェーンの
大部分を自社グループ内で行える、国内でも稀有な企業です。」
同社では自動化、機械化そして分業化を究極まで
進めたオーダースーツのものづくりをしている。
オーダースーツの海外縫製オペレーションを、
この規模で回している会社は他にはない。
仙台、北京の工場の従業員に常に伝えていることは
『あなたが1番大切な人が着るスーツだと思って扱ってください。』
だそうだ。国内の工場にも言えることだが、特に
海外の工場には言い続けているという。
そうすることで従業員の心持ちが変わり、
より精巧なスーツが生まれる。
オーダースーツを身近なものに
オーダースーツと聞いて“高嶺の花”をイメージする人が
多いのではないだろうか。しかし、なんと同社が展開する
直販店「オーダースーツSADA」では、お試し19,800円(税抜)
から作ることが可能だ。
「実はオーダースーツは既製品よりも効率が良いのです。
在庫を抱えなくてよいので処分するリスクが伴わないこと、
大きな店舗を持たなくて良いので家賃も人件費も
抑えられることなど、多くのメリットがあります。
デメリットを挙げるとすれば、出来上がりを
イメージしにくいことですね。」
だからこそ、販売スタッフがどれだけ顧客に出来上がりを
イメージしやすくするかが重要となってくる。また、
原価率は高いが販売管理費などを抑えられることから、
質の良い商品を提供できることも納得だ。
同社は最近、ホームセンターの一角に店舗を出店した。
「独立店舗に比べて商業施設はオープンなので、
店内で待ってもらう必要がありません。買い回りができ、
ファミリーで訪れられるところに出店したかったのです。」
分かりやすく、行きやすい、さらに出店家賃も抑えられ、
とても理にかなった出店方法だ。
ビジネスの世界で失敗しないオシャレとは
そもそも、なぜ日本人はスーツをよく着るのだろう。
「戦後まもなく、まだ日本が裕福でなかった時代に、
重要な商談などの勝負の場面では、既にスーツが
着られていました。相手への感謝と敬意の気持ちを示す
「おもてなし」の為の重要アイテム、それがスーツ
だったのではないでしょうか。
私はスーツが原因で失敗を重ねるビジネスマンを
多く見てきました。俗に「真実の瞬間」と言われる
最初の4分間で、後にその印象を覆すのが困難とされる
第一印象が人に焼き付けられると言います。
ここで「だらしない格好をした人」だと思われてしまう
ことは、とても勿体無いことですよね。特に「だらしない」
印象を相手に与えてしまうのは、体に合わないサイズの
スーツを着ている人だとのデータもあります。
残念ながら今の日本では、その様な方を多く
お見かけするのも事実です。」
本来の意図に沿わず、理由を知らずに
ただスーツを着ている人が多い。
元々の理由を辿ると、自分に合った
スーツを着ることの重要性が理解できる。
日本のスーツ文化はおもてなしの精神
同社の事業理念は『オーダースーツの着心地と楽しさで、
日本のビジネスシーンを明るく元気にする』ことである。
「かつての日本のビジネスパーソンの身なりには、
おもてなしの心が込められていました。自分と
会ってくれる相手に、感謝と敬意を伝える為、
当時はまだ高価だったスーツを彼らは身に纏ったのです。
その結果、世界で類を見ないほどスーツを着る文化が、
日本では育まれました。この先人たちの築いたスーツ文化を
再構築することで、日本のビジネスパーソンの身なりは
本当にしっかりしていて素晴らしいと、世界で評価される
ような世の中を作りたいと思っています。」
さらに多くの人へ届けるため、今後は年間9〜10店舗の
出店を計画しているという。
最後に若者へのメッセージをいただいた。
「ぜひ良いスーツを着てビジネスの世界でのオシャレ、
身なりに全力で気を遣ってください。ビジネスの世界では、
自分の為にするのではなく相手の為に身なりにも
全力を尽くすのが本来のオシャレです。」
若者へオーダースーツを広めたいという
強い気持ちが伝わってきた。
編集後記
日本人は大切な場面の時ほどスーツを着る。
なぜ?と疑問に思うこともなく、これまで
スーツを身につけてきたように思う。
今回のインタビューで、“ビジネスの世界での
オシャレ=おもてなし”と学んだので、
自分に合ったスーツでビジネスの場へ行きたいと思った。
人を大切に、自分を強く、生きていこうと思います。