株式会社バズ
野村昌夫
POSTED | 2016.10.04 Tue |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:飲食店・実店舗 創立:9〜10年 決裁者の年齢:その他 商材:BtoC |
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綺麗になりたい気持ちに、進化で応える。
創業19年。激変する美容業界で勝ち残る人気サロン。Topics
株式会社バズ 社長 野村 昌夫氏のONLY STORY
美容とヘアメイクを両立するために。
初めて美容師として勤務したのが、大阪の心斎橋のサロンだったのですが、自分の可能性を広げたいという思いで、東京へ出て来ました。
その時は、「自分の店を持ちたい」というよりも「東京で頑張りたい」という気持ちの方が強かったですね。
テレビ局でのヘアメイクなどを担当するようになって、美容に限らない様々な経験を積んで行きました。そのうち「やっぱり髪を切ることが好きだなあ」と思うようになり、心斎橋のサロンに戻ることにしたんです。
当時は、今のようにたくさんの美容雑誌があるわけではなく、お客様の意識も、「この芸能人のような髪型にしたい」という程度でした。
女性を作り上げるという観点から見ると、少し物足りなかったですね。
再び心斎橋を出て、時代と美容の先端の地である青山のサロンで働き、毎週のように美容師たちが集まる麻布のイエローナイトで、ヘアメイクとファッションをひとつにしたショーに積極的に参加しました。
そこから改めてヘアメイクの面白さを感じるようになって、サロンとヘアメイクの仕事を並行してやるようになったんです。
でも、お客様との信頼関係が強くなり、「もっと綺麗になりたい」というお客様の想いに応えようとすればするほど手一杯になってしまって。
携帯もない時代でしたから、一度現場に出てしまうと予約もとれなくなるので、こうした働き方を、経営者に理解してもらうことも難しかったです。
自分の働きやすい仕事場を実現しなければならないという思いから、19年前に株式会社バズを設立するに至りました。
スタッフの力こそサロンの全て。
バズでは、まずスタッフの成長ありきで、それにふさわしい店舗を拡張していくという感じでやっています。
なぜなら、美容室にとってスタッフの力こそが全てだからです。
今や美容院の数はコンビニの数よりも多いと言われていて、5年以上継続できる美容室は業界全体のわずか2%程しかありません。
集客方法も、口コミから手軽なネット検索へと変わってきて、私たちの時代の当たり前が、もはや当たり前でなくなって来ている。
簡単に情報が手に入り、集客しやすい時代だからこそ、希望に応え続けられるスキルをスタッフが持っていなければ、お客様は価格の安いサロンに簡単に流れて行ってしまいます。
うちでは、全ての店舗において、パーソナルカラーを見極めたカラーリングのご提案ができるよう教育を行っています。
人は、同じ日本人であっても、目の色や肌の色がそれぞれ違いますので、その人が持っている色にカラーを合わせて選択する必要があります。
データを元にした根拠に基づいて、お客様のカラーと見合わせてそこからお客様の好きな色や「こうありたい」という希望に持って行きます。そのため、カウンセリングには非常に時間がかかりますね。
また、お客様をさりげなく褒めるコミュニケーションスキルの育成も大切です。
お客様の事を上手に汲み取れないと良いものには仕上がりませんが、感覚の良いスタッフは、お客様の心をポンと開かせることができる。
低価格が売りの美容室は効率を重視するので、そういうコミュニケーションに力は入れません。そこが大きく違うところです。
こういったものは、スタッフの力量や技量で差があり、極めるのは難しい事だと思います。
でも、私たちは結果を出さなくてはなりません。
その人その人に似合う根拠を見つけて提示してあげることが理屈となり、「似合っている」「この色にして良かった」と思ってもらえる結果が出せれば、それがお客様にとっての自信になり、「その髪、どこで染めたの?」という口コミになる。
そこから新たなお客様とのサイクルを生み出していくことで、単なる価格競争に巻き込まれない強さにつながっていくと思っています。
成長せよ。進化を止めるな。
美容業界も、この30年の間で大きく変わって来ました。
今30代後半の美容師たちは、「カリスマ美容師」に憧れて育った世代ですが、今の新人たちは、「カリスマ」という言葉すらも知りません。
就職先を決める時も、自分がどこで働きたいかということよりも、親の意見を尊重する子が多い。
「どういう美容師になりたいか」というスタンスを持たせることが、私の重要なテーマだと考えています。
お客様とスタッフ、両方のためにも、技術は進化していかなくてはなりません。
お客様の「もっと綺麗になりたい」という想いを満たすためには、今の時代にあったものを提供できないといけないですし、スタッフが成長でき、誇りを持って働き続けたいと思えるためには、今の時代、今の世代に応じた教え方をすることが大事なんです。
ですから、オーナーとなった今でも、私自身が常に現場に立ち続け、お客様の髪に接することが大事だと考えています。
お客様がいる限り、辞めたいという気持ちにはなりませんね。