株式会社IDOBATA
今村 邦之
POSTED | 2020.01.06 Mon |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:BPO・業務委託 創立:5〜6年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoB |
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学会の参加受付、決済、要旨集抄録集作成管理を一元化
国際会議におけるコストを軽減するサービスを展開Topics
今回のインタビューは、国際会議の開催に必要不可欠な業務を軽減するシステム『MaAC』を提供する株式会社IDOBATAの今村氏にお話を伺いました。小規模な学会の開催支援というニッチな需要に応える同社の取り組みや今後の目標について語っていただきます。
株式会社IDOBATA 社長 今村 邦之氏のONLYSTORY
【経歴】
1987年、鹿児島県姶良市出身。2008年、米国アラバマ州立大学ハンツビル校経営学部マーケティング専攻を卒業。専門商社と人材会社で勤務後に、2012年に親友2名と共にフリーター向けの教育型就職支援の株式会社UZUZを創業。2018年8月より取締役会長に就任。UZUZにて無料就職支援スクール『ウズウズカレッジ』を設立した背景から教育関係に更に興味を持ち、基礎研究に従事している研究者の支援を目的とした株式会社IDOBATAを2018年7月に設立。
小規模な国際会議の開催を支援するシステム
–株式会社IDOBATAの事業内容を教えてください。
今村氏:弊社は国際会議における事務作業を効率化するシステム『MaAC(マーク)』を提供している会社です。具体的には参加者の管理、決済の管理、要旨集・抄録集の管理の3つの管理を一元で行えるシステムです。
まず、国際会議についてお話しすると、国際会議は大体3日から5日にかけて開催され、大規模なものであれば1000人参加するものもあります。その中でも私たちが主な対象としているのは100人から300人ほどが集まる会議です。
会議では、運営者は参加者の受付や参加費の徴収などの業務を行う必要があります。また学会では、要旨や論文をまとめた要旨集・抄録集と呼ばれる資料が配布されるのですが、その作成・管理の業務も運営者の業務になります。それらをWeb上でまとめて行えるのが『MaAC』です。
–要旨集・抄録集の管理について詳しく教えていただけますか。
今村氏:要旨集・抄録集の管理には、要旨の収集や査読者による確認、プログラム順の並び替えなどの業務があるのですが、全て人の手で行っており、アルバイト1名を10日間雇うくらいの業務量だと言われています。
例えば並び替え業務では、参加者何百人もの投稿をプログラム順に並び替えていたため、どうしてもヒューマンエラーが発生し、全員文のデータの加工をしなければならないこともよくあるんです。
それを『MaAC』を使えば「並び替え」のボタンを押すだけで、簡単に投稿内容の並び替えができます。そのほかにもある様々な機能から、要旨集・抄録集作成の業務時間を短縮し、より学会の中身に集中できるようになります。
国際会議の準備期間はアルバイトを雇って事務作業をすることも多いのですが、『MaAC』の導入によって人件費を削減できるというのは、ひとつの大きなメリットと言えます。
‒『MaAC』の強みはどこにあるとお考えですか。
今村氏:そもそも要旨集を作成するツール自体が非常に少ないのですが、そのニッチな要旨集作成ツールと参加管理と決済管理が一緒になっている国際会議に特化したシステムであることが強みですね。
また国際会議に関するシステムはどうしても1000人規模の大きなものを対象にしていることが多く、100から300人という小規模な学会に対応するシステムは今までほとんどなかったんです。その規模に対応したシステムであることも、『MaAC』の特徴だと思います。
基礎研究の研究者から相談を受けたことがきっかけ
‒『MaAC』の開発に至った経緯を教えてください。
今村氏:『MaAC』は私が8年前に立ち上げた人材紹介事業のつながりからできたものなんです。その会社は単なる人材紹介会社ではなく、教育に力を入れており、その関係で大学の教授と関わることが多くなっていったんですね。
ある時、東京大学のサイエンスカフェというイベントに参加し、そこで基礎研究を行っている研究者と話す機会があったんです。そこから何人もの研究者から「基礎研究は応用研究に比べて予算も少なく、企業とのマッチングも難しい。その上国際会議を行うにあたってのノウハウもない」という悩みを聞くようになりました。
その課題を解決するために立ち上げたのが株式会社IDOBATAという会社で、『MaAC』というシステムなんです。
‒基礎研究を専門にされている研究者の課題を解決したいと思ったことが一番の理由なんですね。
今村氏:はい、その通りです。『MaAC』はなかなか競合がいないような、今まで世の中になかったサービスなんですが、それはターゲットが多くはないからそもそも作られなかったということなんです。その領域でもあえてビジネスを始めたのは、ニーズがあることがわかっていたから。
その上、大学の研究者の方々は非常に聡明な方が多く、特に基礎研究分野では答えがない領域に向けて日々新しい施策を考えてチャレンジしています。深夜土日問わず、様々な課題に取り組んでいる姿は見るだけでも刺激になりますし、同時に研究者の方々が日本の未来のための研究活動に一層集中できるように支えになりたいと思ったんです。
研究者と企業のマッチングをして国力向上へ
‒今後の目標について教えてください。
今村氏:弊社が掲げる『基礎研究を社会に伝える』というビジョンの実現ですね。研究に一層集中して頂けるように周辺業務を効率化・削減するようなサービスを提供すること、彼らの実績をより効果的にプロモートしていくこと、それにより産学連携の活性化が一層進むこと。
そのためのサポートをし続ける会社でありたいと思います。
‒産学連携の活性化をしたいとのことでしたが具体的にはどのようなことを考えていらっしゃいますか。
今村氏:基礎研究に携わっている人や大学の研究者と企業をマッチングさせるようなサービスを展開していきたいと考えています。実は欧米やアメリカでは研究者と企業のマッチングはとても盛んなんですね。日本でもこの数を増やしていくことが国力を上げることに繋がるだろうと考えていますので、そのためのサービスを展開していきたいですね。
‒ありがとうございます。最後に読者へメッセージをお願いします。
今村氏:IDOBATAは副業メンバー5名で構成しており、まだまだ脆弱な組織で御座います。当社のビジョンに共感し、副業やインターンでも構いませんので、話を聞きたいという方は是非ご連絡頂けると嬉しいです。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原