FPサテライト株式会社
町田 萌
POSTED | 2019.02.05 Tue |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:研修・コンサル 創立:5〜6年 決裁者の年齢:30代 商材:その他 |
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保険を扱わない?お客様第一の金融コンサルとは
金融リテラシーの向上と、FPの能力発揮の場を作るTopics
今回のインタビューは、ファイナンシャルプランナーとして企業や個人に向けた金融コンサルティングを行うFPサテライト株式会社の町田氏にお話を伺います。同社は幅広い視点から金融面の課題を解決し、日本のファナンシャルプランナーのあり方を発展させるために尽力しています。
FPサテライト株式会社 代表取締役 町田 萌氏のONLYSTORY
【経歴】
1992年 千葉県佐倉市出身。2011年 千葉県習志野市立習志野高校商業科卒業、2015年 日本大学商学部卒業。中学生から吹奏楽を始め、高校では部活動に没頭する。その中で、音楽に携わり続けることに限界を感じていたところ、ファイナンシャルプランナー(FP)という職業に出会う。大学に進学してから本格的にFPの勉強を始め、在学中に2級FP技能士、AFP、証券外務員一種、日商簿記2級等の資格を取得。また、外資系損害保険会社やeラーニング専門企業で実務経験を積む。卒業後、税理士法人に約1年勤めた後、宅地建物取引士を取得し、個人事業主として2016年11月に開業。2018年4月に法人化。現在は、金融商品を取り扱わずにお客様の立場に立った中立的な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとし、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。
お客様に寄り添った金融コンサルティング
–FPサテライト株式会社様の事業内容を教えてください。
町田氏:FPサテライト株式会社はBtoB、BtoCいずれも対応した金融コンサルティングを行う会社です。ファナンシャルプランナーと聞くと保険の販売をしているという印象を持つ人が多いと思いますが、弊社は保険の販売は一切行っておりません。
その理由としては、お客様に本当に合ったものを提案する際に、商品が入ってくるとブレが生じてしまうからです。本当にお客様に合うものだけを提案することを考えた時、それらは扱わない方がいいという判断に至ったんです。保険の他にも証券や不動産など、金融商品の取り扱いはせずに、コンサルティングを行うというスタンスで事業を展開しています。
–コンサルティングでは具体的にどういったことをしていただけるのでしょうか。
町田氏:個人・法人問わず、家計・財務の状況を把握し、改善策を提示し、その後のフォローアップを行っていきます。様々な選択肢がある中で、お金に関するご相談をワンストップで承っています。
具体的な内容としては、個人向けサービスですと、家計の将来のシミュレーションを行います。例えばこれから結婚を控えている人だったら、結婚後にどのタイミングで家を購入するのか、保険はどうするのか、希望しているお子様の人数と教育費の予算などを考えます。
そして、今の収入や支出から最終的に家計がどうなるのかというシミュレーションを50年先くらいまで計算して、今の収入だと支出がオーバーしてしまうという結論に至った際は、どのようにバランスを取るのか、お客様と一緒に考えていくというアプローチを取っています。
また、BtoBだと、事業継承や経営の資金繰りの相談はもちろん、これから創業する方、創業したばかりの方で、融資や資金繰りを考えていきたいという相談を受けることも多いですね。
それらは税理士の仕事と重なる部分もあるのですが、ファナンシャルプランナーはキャッシュフローをもとに資金繰りを考えます。弊社は経営革新等支援機関に認定されていることもあり、税理士さんとは異なる視点で経理・財務のサポートができるんです。
また、小規模な会社では社長が経理もすべて行っていることがあるので、場合によっては私が経理事務に入ってサポートするというサービスも行っています。
–他社との差別化をはかっている点や、強みを教えてください。
町田氏:やはり、保険などの商品を扱うことなくお客様に合ったものを一番に考えサービスを提供しているところです。
また、ファナンシャルプランナーは1人で事業をされている方が多いのですが、弊社には私を含め8人ものファナンシャルプランナーが所属をして、事業を展開しています。この点もひとつの特徴であると言えますね。
–そう言った御社の特徴を活かしたサービスをご利用されたお客様からは、どのようなお声をいただきますか。
町田氏:保険料が高いと感じていらっしゃる方や、保険加入を勧められているが本当に必要な保険なのかを確認したい方に、特に大きな経済効果を感じていただき、お喜びいただいています。中には月々の保険料を6万円削減し、年間72万円の保険料を節約できた方もいらっしゃいます。
–事業に対して最も重要視している点は何ですか。
町田氏:お客様の話をきちんと聞くことですね。そして答えはひとつではないので、お客様が一番良いと思う選択肢を提案すること。最後はお客様に決めていただくというところは徹底しています。
FPとして働くには独立の道しかなかった
–事業を立ち上げるに至ったきっかけについて教えてください。
町田氏:私は学生時代に吹奏楽部に所属していたのですが、部活が原因で軽度のうつ病になってしまいました。そこから、音楽の道を進むと言うことに限界を感じ、人生の方向転換を考え、たまたまファナンシャルプランナーという仕事を知ったんです。
そのときはまだ、独立などにこだわりはなかったのですが、大学に入って本格的に勉強して、いざ就職しようと思ったときに、ファナンシャルプランナーの会社は数が少ない上に新卒で入社するのが非常に難しいことに気付きました。だからといって、保険会社や証券会社に入ると、ファナンシャルプランナーの広い専門範囲の中でごく一部の仕事しかできない。それはあまりにもったいないと感じたんです。
ファナンシャルプランナーとしての能力を最大限発揮できる仕事に就くためには、今の日本では独立以外に道がない。その結論に至って、20歳のときに独立を決意しました。そのための準備を進めているときに今の夫に出会い、一緒に事業を作ろうという話になって、2人でこの会社を立ち上げました。
–起業してから印象的だった出来事はありますか。
町田氏:起業してからの2年間、とても目まぐるしくて、色々なことがあったのですが、特に去年法人化してからはセミナーや交流会も行いました。スタッフにたくさん助けられたのですが、交流会などはお客様によって雰囲気が変わるので、良い会だったと思えるときはスタッフのみならずお客様の協力もひしひしと感じました。
そういったこともあって、人への感謝の気持ちを一層身に染みて感じ、人との繋がりの大切さを改めて学ぶことができたと思います。
拠点を増やし、金融教育にも尽力したい
–今後の展望について教えてください。
町田氏:法人化して間もないので、スタッフのフォローや業績アップなど、業務的な部分をまずは整えていきたいと考えています。そして、環境が整ったら、拠点を増やしていきたいと考えています。この2~3年のうちに5拠点くらい広げていきたいと考えていますが、最初の視点を増やすのが難関だと思うので、まずそこに向かって走って行きたいと思います。
そして、ゆくゆくは1都道府県に1カ所以上は支店を作りたいと考えています。
–社会にとってどのような会社になりたいですか。
町田氏:業界を変えるくらいの会社になりたいですね。私がファナンシャルプランナーになろうと思ったときに、すべての分野を網羅したお客様に寄り添った会社が少ないと感じました。ファナンシャルプランナーを目指す人が、その現実を知った時に、その夢を諦めずに済むよう、きちんと活躍の場を与えられるような会社になりたいと思います。
また、世界的に見て日本は国民全体の金融リテラシーが低いという課題を抱えているため、金融教育にももっと貢献していきたいと考えています。教育に関しては、利益度外視で、学生や若い方にしっかりとアプローチをかけていきたいですね。
米国と違い、日本においてはまだまだファナンシャルプランナーという職業は正しく認知されていませんが、ファナンシャルプランナーはお金に関して幅広い分野でご相談に応じることのできる職業です。この仕事の認知度を高め、ファナンシャルプランナーとして活躍できる人を増やすべく、様々な事業を展開し、拡大していきたいと思います。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原