髙橋さゆり

私自身、昔は全くといっていいほど英語を喋れませんでした。

そんな私が、なぜ、英会話教室で子供達に英語を教えられるまでに英語が上達したのか？そのルーツは海外での生活にあります。

私はもともと歯科衛生士で、あまり英語とは関わりのない仕事をしていたのですが、夫の仕事の関係で、海外で生活することになりました。

全く勉強しないままに海外に行くことになった私ですが、現地で夫と一緒に英会話を習っているうちに、ある程度は喋れるようになりました。

しかしある日、友達であり子供の英語の先生である人から「あなたも一緒に勉強しなさい」と言われました。確かにある程度喋れはしましたが、本は全く読めなくて。

その先生の言う通りに子供と一緒に勉強することにしました。

「フォニックス」という、海外の子供たちが音とアルファベットを一致させるために行う学習方法を実践して、文法も一から勉強することにしたのですが、日本に戻ってから2人目の子供のインターナショナルスクールについて行くと、1人目の子と全く同じことをしていたんですね。

さらにニュージーランドで生まれた3人目の時も同じように。

そうして3回も同じことをやっていると、英語の本も読めるようになり、発音も大人のものになって上達していきました。

その後は日本に戻って夫が開いた大人向けの英会話教室で、夫のサポートをしていました。

そうしていると、「子どもに英語を教えてよ」なんて言われることも多くなってくるのですが、話を聞くと、幼稚園や小学校の時に英会話教室に行っていて英語がペラペラだったという子どもも、中学に上がる頃くらいから恥ずかしいという感情が入ってくるのか、英語が喋れなくなってしまいました。

ものを真似して覚える「模倣学習能力」というのは12歳くらいで失われてしまうと言われています。

そこからは概念学習、つまり頭で考えるお勉強が必要となってきます。

本来はそういった年齢的なものに沿って学習方法も変えていかなければならないんですよ。

3人の子供を育てた私には、「英語をうまく話すのが恥ずかしい」という気持ちがとてもよくわかっていたので、なんとかそういう子供たちの力になってあげたいという想いが芽生えました。

そうして起業するに至ったのがこのワールドエデュケーションです。

私は、幼稚園、小学校と英会話を習ってきた子どもたちが成長しても英語を続けるために、本読みが重要になってくると考えています。

英語を上手に喋るのが恥ずかしいのは分かるけど、この本を読んで、という時にぱっと読めるような状況なら、子供が成長しても英語を続けられるんですよ。

その本読みのためには二つの能力が必要となって来ます。

一つ目は文章の意味が分かるということ。

ワールドエデュケーションでは、授業は全て日本語で行なってます。

英語で教える塾も多いですが、それでは文法がなあなあになってしまいます。

そうではなく、日本語で教えることで本当に文法が理解でき、文章の意味がわかるようになるんですよ。

二つ目が発音です。例えば「take」という単語をなぜテイクと発音するかというと、サイレントeという、最後のeは音を出さずに、その前の子音の前にある母音をエイと読みましょうというルールがあるからです。

そしてこの発音の学習方法は、昔私が学んだフォニックスという考え方。

ワールドエデュケーションはこのフォニックスという考え方を基盤に英語の発音を教えています。

また、私自身がそうして来たということもあって、親御さんと子供が一緒に勉強する環境を作っています。

基本的に親御さんが生徒さんの一歩先を行って、子供がわからないところがあったらアドバイスを出せるような関係を築いて欲しいですね。また、親子で英語が使えるようになれば、家の中で英語を使ったりと、英語が特別なものではなくなります。

そういった意味でも親子で学習するということには意味があると思っています。

ただこれらの学習方法は年齢とともに教え方も変わって来ますし、とても時間がかかるので、来たら最初に4年は我慢してくださいねと言っています。

それでもワールドエデュケーションの学習方法は、親御さんにも生徒にも好評なんですよ。子供たちはあまりにも楽しくて、今度の授業は来月だなんて言うとすごく待ち遠しそうにしています。

今年でワールドエデュケーションが3年目なので、1期目の子供たちがもうすぐ4年目のカリキュラムに入ります。そこで、これまでは日本人が教えていたのを、ネイティヴに切り替えようと考えています。

文法や発音、文章の組み立て方はもうできているので、あとはそれを会話として使っていけるように力を入れていきたいというところです。

自分の意見を英語で言えるようになって欲しいですね。これがこの1年の目標です。

また、事業の展開としては今年から新しく幼稚園、保育園に出張という形で教えているんです。フォニックスの本当にスタート段階から基礎を作っていって、その子達が本をある程度読める段階まで教えていきたいと思っています。

私には大きな夢があります。

このワールドエデュケーションの小さな小さなフランチャイズを作っていきたいです。 できるだけたくさんの子供に英語を学んでもらうために、お母さんが自分の子供を教える時に近所の子供も一緒に教える、そんな状況を作りたいなと。

英語についてわからないことがある時に、身近に先生がいたらいいと思いませんか?

私自身、子供と一緒にゼロから英語を学んできました。

だからこそ、英語ができるというのがどれだけ有利なのかが分かります。子供達にはその英語を小さいうちから身につけて欲しいですね。

外国の人が道に迷っていたら、英語で話しかけて道を教えられる、そんな子供たちが増えていったらいいですね。

☆取材・記事作成・構成＝中村、宮島、佐久間