株式会社クインティア

占部 竣平

“テレビを見ない若手世代”が放送業界の変革に挑む

26歳の若手起業家が語る 現在の放送に対する熱い熱意とは
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今回は、動画配信サービスのコンサルティングや放送のDX支援を展開する株式会社クインティアの占部竣平氏にお話を伺います。平均年齢22.5歳という若手エンジニアが活躍する同社の強みや事業立ち上げ時の想い、今後のビジョンについて語っていただきました。

株式会社クインティア 代表取締役 占部竣平さんのONLY STORY


1996年、東京都江戸川区生まれ。関東地方を転々とした後に、親の転勤で福岡に引越し、2012年に九州産業大学付属九州高校に入学。同高校の部活動の一環で、文化祭と体育祭のライブ配信を私学では初のYouTube Liveで実施。2015年に福岡工業大学に入学。情報系サークルを立ちあげ、SECCON学生3位など多数実績を獲得。また、学生の時からピクシブ株式会社、株式会社ミラティブなどで学生アルバイトとしてサービスローンチなどを経験。

大学卒業後、フリーランスとして動画配信サービス等の開発に従事。2021年に大学の同期と共に起業。現在は経営者でありながらも現役エンジニアとして、開発にも取り組み、iOSDCやDroidKaigi、Tokyo Video Techなど多数カンファレンスで登壇も行っている。

技術力とスピードでニーズに応える   


―まずは、株式会社クインティアの事業内容をお聞きしてもよろしいでしょうか。

占部氏:弊社は、動画配信コンサルティングと放送DXの主に2つの事業を展開しています。

動画配信コンサルティングは、動画配信サービスを立ち上げるために必要な企画設計から、開発、オペレーション運用までオールインワンでサポートするサービスです。2022年6月にリリースしたばかりのサービスですが、動画配信を行う企業が増えたこともあり、たくさんのお問合せをいただいています。


放送DXは、放送システムの変革に向けて我々が最も注力しているところです。具体的には、地上波放送とIP放送と呼ばれる、いわゆるインターネットの放送での同時配信に欠かせないクラウドプレイアウトシステムやモバイル回線での中継システムなどを開発し、誰でも簡単にインターネット放送局が作れる環境作りを支援しています。

同時放送と言えば、今年4月から「TVer」が地上波の放送をインターネット上でも同時配信するようになったことはご存じでしょうか。これまでは同時配信を行っているところはほとんどありませんでしたが、「大手キー局と同じような同時配信がしたい」と考えられている方々のニーズにお応えできるように体制を整えています。

―御社のサービスを利用される方は、どういった点に魅力を感じているのでしょうか。

占部氏:顧客に寄り添ったサービスを提供している点だと思います。例えば、弊社はバーチャル背景や美顔フィルター、ボイスチェンジャー機能を持つSDK(ソフトウェア開発キット)の開発や提供を行っています。開発には「顧客をベンダーロックインに陥らせないこと」を意識しており、ベンダーを限定せずに、どこでも使える状態で販売しています。

他にも、サービスを探している顧客に対して、代理店契約を結んでいる特定のベンダーだけを提案するということはせず、最適なものであると判断したら弊社が使っていないようなサービスであっても提案することがあります。

このように、顧客視点に立って活用しやすいサービスの提供や提案を心がけています。

―他にも御社の強みや差別化ポイントはありますか。

占部氏:エンジニアの創造力です。例えば私自身は音楽業界で音響に携わってきましたし、他にも現場で音声担当やカメラマン、MC経験者などあらゆるバックグラウンドで経験を積んできたクリエイターが集まっています。そのため課題をいち早く理解し、技術で解決することができるんです。

放送業界では大手企業が競合として多い中で、少数精鋭の我々がこの業界に切り込めている理由は、エンジニアの理解力とスピード感にあると思います。

エンジニアの目線で放送業界を変革する


―起業のきっかけは何でしたか?

占部氏:エンジニアの目線から放送業界を変えていきたいと思い、起業を決意しました。私は休みの日も開発に取り組むほどエンジニアリングが好きなので、実は経営やビジネスにはもともと興味がなかったんです。

ではなぜ起業したのかと言うと大きく2つあります。

1つ目が、ビジネスサイドがエンジニアの技術や成果を理解していないと感じるケースが多かったからです。経営と開発現場の橋渡しをするCTO(最高技術責任者)がいれば上手くいくという話でもないと感じ、そうであればCTOを目指す道ではなく、自分で会社を立ち上げてCEOにチャレンジしたいと思いました。

2つ目は、海外のテクノロジーを日本にもっと取り入れるためです。海外と比べて日本はテクノロジーの進歩が遅れているため、これまで私は日本の市場ではなく、海外の動向を見て学んできました。その中で着目したのが「ライブストリーミング」です。海外では同時配信が当たり前に行われていましたが、当時はまだ日本ではほとんど行われていませんでした。これは好機だと思い、2019年9月に起業しました。

―起業してから今に至るまで印象に残っていることはありますか。

占部氏:組織の成長と共にオフィスが移り変わっていったことです。創業してはじめの1年間は、ほとんど私1人で経営を行い、営業を行い、コードを書いて事業を回していました。当時は都内でレンタルオフィスを借りていましたが、人がやっと1人入れるかどうかの手狭な部屋で、空調が無かったため夏は尋常ではない暑さの中で働いていました。

2年目になると会社も成長し人数も増えてきたので、WeWorkを借りました。サーバーを置けるレンタルオフィスを探していて、見つけたのがWeWorkでした。

ところがその後、新型コロナウイルスの流行によって緊急事態宣言が出たため、心機一転で福岡に本社を移転したんです。大学時代の同級生や後輩をスタッフに誘っていたため、福岡出身者が多かったということも福岡を選んだ理由の1つです。既に東京の放送局や企業とのお付き合いはありましたが、インターネット環境があれば全国どこの企業に対してもサービスが提供できるため、懸念なく東京から地方移転を決意できました。

最年少企業が放送業界に新しい風を吹き込む


―今後の事業展望についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

占部氏:今後2~3年でライブ配信の市場でトップシェアを取りたいと思います。動画配信コンサルティングやSDKの販売に注力していくことはもちろん、SaaS事業の展開も視野に入れながら顧客のあらゆるニーズに応えていきたいと思います。

特に近年、メタバースが流行っていますが、弊社のSDKは、UnityやUnreal Engineにも対応しているため、動画や音声周り、ライブ配信周りで力強いサポートができることは間違いありません。


長期的な目標は、今の放送業界のあり方を変えていくことです。今後テレビは、地上波放送ではなくインターネット放送がどんどん強くなっていくでしょう。それに向けて通信障害やインターネットの体制問題などの今ある課題を解決しつつ、多くの方が不快に感じられている動画広告を流さないで済むようなマネタイズの仕組みも作っていきたいと考えています。

現在若年層のテレビ離れが加速しています。放送業界の中で最年少のスタートアップである我々こそが、放送業界に新しい風を吹き込むべきだと思っています。

―ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。

占部氏:我々は若い会社ではありますが、技術力には自信があります。同時にコミュニケーションも大事にしているので、業種や業界を問わずどんな方でも真摯に向き合っています。私自身、現在は経営者でありながら営業やエンジニアとしても活動していますので、もしもお困りごとがあればお気軽にご相談ください。



執筆=山田
校正=笠原

株式会社クインティアについて

■企業情報
会社名 :株式会社クインティア
設立  :2021年9月
事業所 :【本社】東京都中央区銀座1丁目12番4号N&EBLD.6F
事業内容:AI技術を活用した発音・滑舌・アクセント矯正アプリの開発、受託開発、コンサルティング業務

■ 本記事に関するお問い合わせの連絡先
取材、広報に関するお問い合わせ
pr@quintia.co.jp
営業、事業提携に関するお問い合わせ
sales@quintia.co.jp
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