株式会社Challenge Fund
根本雄輝
POSTED | 2020.01.29 Wed |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:IT・情報通信業 創立:5〜6年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoB |
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『ありがとう』が“はたらく”を変える
人と組織を支えるプラットフォームTopics
今回は、「やりたいことに挑戦できる世界を創る」ことを目指す、株式会社Challenge Fundの根本氏にお話を伺います。
企業やそこで働く方々の挑戦とやりがいのサポートにこだわっている同社。詳しい事業内容や起業のきっかけ、今後の展望について語っていただきました。
株式会社Challenge Fund 代表取締役 根本 雄輝氏のONLYSTORY
【経歴】
1992年3月24日生まれ/千葉県出身/帰国子女@シンガポール/世界大会出場@野球/フロリダ留学@テニス/新卒で㈱インテリジェンス入社(営業・商品企画・ビジネス開発)/個人で教育事業立ち上げ/『やりたいを"今"挑戦できる世界を創る』を理念とし、㈱Challenge Fundを創業
働く人たちを支援し、モチベーションの向上や成長を後押し
–はじめに、Challenge Fundの事業内容を教えてください。
根本氏:目指しているのは経営ビジョンでもある『やりたいを"今"挑戦できる世界を創る』ことです。現在2つのサービスの柱があります。
1つは、企業様の戦略人事をアウトソーシングできるサービス「KUROKO(クロコ)」です。企業の中に入り、採用戦略から採用後の支援まで、あらゆる人事面から企業の成長をサポートします。
2つ目は、接客サービス業に従事する方々へ「ありがとう」など感謝のメッセージを送ることができるシステム「koko tip(ココチップ)」の提供です。
コロナ禍によって、エッセンシャルワーカーと呼ばれる、社会生活の維持に必要な機能を支えている方々の重要性を強く感じることになりました。サービス業で働く人へ「メッセージ」という目に見える形で感謝の気持ちを伝えることができます。働くモチベーションが高まり、個人と組織の成長を促すことにつながります。
–KUROKOの「採用後の支援」とはどういったものですか?
根本氏:KUROKO(クロコ)は採用後の人材の定着、活躍までのフォローを行います。
これまで、中小企業の経営者様から「自社採用の失敗のリスクを恐れて、人材紹介サービスに頼っているが、見込みほどの成果が得られていない」という声がありました。
その一方で、「求人サイトや人材紹介サービスなどに高額な採用費をかけても、早期退職によって次の事業チャレンジができない」「企業成長のチャンスを逃した」との声もあります。
従来の人材サービスでは採用前から採用まで、つまり「採用したら終わり」が主な形態です。しかし弊社では、採用後の段階に重点を置いていて、入社後の人材の定着、活躍までが「採用の成功」と考えています。
具体的には、採用の前段階では、弊社KUROKO担当者が求人サイトやスカウト配信代行などを運用、各サービスのパフォーマンスを最大に発揮し、求める人材を適切に採用。そして採用後は、人材定着をサポートする仕組みを構築しています。
–koko tipの強みや差別化のポイントがあれば教えて下さい。
根本氏:koko tip(ココチップ)はスタッフとのお客さんのコミュニケーションツールで、業界初のサービスです。
お客様からスタッフへ「ありがとう」のメッセージなど評価が見える化されることは、働く側のモチベーションのアップや成長を促すことにつながります。
また、従来は上長の勘や経験で評価されていた部分が適切に評価がされるようになっていきます。これは個人のサービス改善、ゆくゆくは組織全体の向上にもつながります。
実際に導入した企業様からは「スタッフのやる気がアップした」「お店の雰囲気がよくなったと感じる」という声が寄せられています。
KUROKOという労働集約型のサービスと、koko tipというシステムサービスは、形は異なりますがどちらも働く人たちを支援し、働くモチベーションの向上や成長を後押しするものです。
やりたい仕事に挑戦する方たちを支援する、それはわたしたちの経営ビジョン「やりたいことを“今”挑戦できる世界を創る」の実現につながります。
やりたいことに、なかなか一歩踏み出せない人を応援したいと思い、起業
–起業のきっかけについて教えてください。
根本氏:私はもともと人材業界にいたのですが、実は起業のタイミングでは、人事事業は全くやるつもりはなかったんです。
そのため、社会人2年目からは、前職と並行して、スポーツ事業や教育事業などを友人の会社を借りて行っておりました。
–そこからどのようにして今に行き着いたのでしょうか。
根本氏:きっかけは大学でしていたテニスです。周りの人たちを見ると、どんどんプロになっていく人がいる一方、プロになる実力があるのにその選択をしない人も多くいました。
それはなぜかというと彼らには「みんなが就活しているから、私もしなきゃ」とか「日本でプロになってしまうと、それ以外の仕事ができなくなるのが怖い」とか、そういうブレーキがかかっていたんです。
話は変わりますが「262の法則」というものをご存知でしょうか。
これは組織における個人の傾向を表しており、2割は自分で道を切り開いて挑戦する人。もう2割は現状維持で満足している人。そして、その中間の6割は、やりたいことがあるのに理由をつけて「できない」と思い込んでしまう人を表しています。ブレーキをかけていたのはこの6割の人だと思ったんです。
ただ同時にこの6割の人たちが挑戦したらものすごく面白いことになるのではないかとも思いました。
その後、紆余曲折を経て起業に至るのですが、どんな事業にするか考えていたときに、大きい企業から小さい企業まで、どの社長も"人"に関して困っていたことに気がついたんですね。
「後継者がいれば」とか「自分の分身がいれば経営に専念できるのに」とか「人が採用できれば」という悩みが非常に多かったんです。
そこで、経営者も262の法則があるんだなと思いました。「人事」が上手くいかないために、次のステージに行けない人がいる。この6割の人たちの「人事」に関するお手伝いをすることができれば、その経営者の方々は次の挑戦ができる。6割が2割に上がる瞬間を作れるのではないかと思い、この戦略人事事業を始めました。
企業と個人の両方を支援したい
-KUROKOとkoko tip、2つの事業のきっかけを教えて下さい。
根本氏:どちらも共通するのは、人的な問題を解決したいと思ったのがきっかけです。
人材サービスのKUROKO(クロコ)については、前職の人材業界に在籍していたころ、経営者から「やりたいことはあるが、人がいなくて」「組織に問題があって新しいことに挑戦できない」というのをよく聞いていました。
例えば、建設業などのレガシー産業は、ITエンジニアと同じくらい、施工管理などの技術職を採用するのが難しい。かたやIT業界はどんどんいろんなベンチャーが新しい採用手法を生み出しているのに、レガシー産業の採用は人材紹介、求人広告など従来のやり方だけ。1人採るのに300万円も400万円もかけているところもあって。
わたしたちが入ればたくさんある採用方法の中から、その企業に合ったものを選んで提供できる。すべての企業でできるとは限りませんが、1人採用するのに30万円や40万円でできる場合もあります。人に困っているレガシー産業を支援したい、というところからKUROKOのサービスを作りました。
もちろん採用は大事。それ以上に入社後の成長も大事
根本氏:そして、KUROKO事業を行っているなかでkoko tip(ココチップ)のシステムを思いつきました。
他の職種よりもサービス業を選ぶ人って「接客が好き」を一番の志望動機で業界に入ってくる人が多いと思うんですよ。それにもかかわらず、接客業が嫌いになって辞める人も多い。そこがすごくもったいないと思っていて。
好きで得意なことを仕事にできている人って素敵なことで、本当にすごいと思っています。だからこそ志高くサービス業に入っても辞めていってしまうのを何とかしたかった。
今のサービス産業が抱える問題は大きく分けて4つの特徴があると考えます。
・業界的に低収益構造
・長時間労働や低賃金
・キャリアステップの選択肢が少ない。スタッフから入って、店長、スーパーバイザー。その先の選択肢は何か。
・評価・賞与の考課軸が業界として整備されていない
これらのうち、業界の低収益構造とキャリアステップは、構造的な問題なのでわたしたちが改善できるものではないので、じゃあ外部の僕が入って変えられるのってなんだろうって考えた時に、評価承認の少なさを増やすことができるんじゃないか。
「ありがとう」などのメッセージを贈ることで評価が見えるようになる。働くスタッフのモチベーションアップに「ありがとう」を伝えるシステムの開発にたどり着きました。
もうひとつ、KUROKOサービスの提供していたときに感じたことがあります。
企業が成長段階になるとどんどん人を採用します。ところが急成長に人がついてこなくなったり、ひどいときには組織が崩壊してしまう場合がありました。そんな会社を数十社見ていくうちに、当たり前のことが当たり前にできていなかったことが原因のひとつなんじゃないかな、と思うようになりました。
例えば、社長がなにか指示して、部下が実行したあとに社長は何の言葉もかけない。社員は次々と仕事に追われて日々過ぎている。ちょっとしたあいさつ、声かけや感謝の言葉がない。
一方で、組織も人もぐんぐん伸びている企業では、雰囲気がよくて「ありがとう」や声掛けが多いな、と感じたんです。「ありがとう」が増えれば、それだけで良くなることって多いんじゃないかな。そんな思いもあってkoko tipサービスを立ち上げました。
もちろん採用は大事です。それ以上に入社後の成長が重要だと考えます。せっかく良い人材を採用できても、活かせなかったり退職してしまっては、企業も人もどちらにとっても不幸です。
こういった経緯で、KUROKOは、企業と個人の両方を支援する人材サービスとして、koko tipは接客サービス業で働く人へ評価を見える化するコミュニケーションツールとして開発しました。
コロナ禍で感じた、「当たり前」の大切さ
-働く人を大事にするサービスということですね。
根本氏:それと、コロナ禍において接客サービス産業に従事する人たちの重要さをより強く感じました。
コロナ以前は「ありがとう」という言葉を当たり前に交わしていたと思います。今や店員やスタッフの接客に対して「ありがとう」が当たり前に言えなくなっていると思います。声に出したり、面と向かって言いづらい状況のなか、接客業に従事する方が仕事へのやる気を失ったり離れてしまったりしています。
働く人が、自分の仕事に誇りをもち働いてほしい。お客様から「ありがとう」などメッセージで元気に楽しみながら働けるよう支援したいです。
-今後の事業展開の目標を教えてください。
根本氏:大きな目標は『やりたいを"今"挑戦できる世界を創る』ことです。
その実現のために、KUROKO事業にて、企業を人事の立場からで支える実績を増やしていくこと、koko tip事業にて、ありがとうを通じて、接客業のはたらくを変えること、まずはこの2つの領域を全力で進めていきます。
やりたいことに挑戦する人を支援したい。そして、何より自分達が一番、掲げているVisionの体現者であり続けたいです。
–ありがとうございます。最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
根本氏:コロナによって、当たり前が当たり前じゃないことが分かりました。上記の想いでやっているので、KUROKOやkoko tipで力になれる部分が少しでもありましたら是非ご支援させてください!
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原