株式会社クロスランゲージ

福田 光修

「言葉の壁はなくならない、でも言葉の壁に扉はつけられる」

自動翻訳プラスアルファ翻訳者による多言語対応の精度アップ
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今回のインタビューは株式会社クロスランゲージ代表取締役社長の福田光修氏に、同社で提供する2種の翻訳サービスや機械翻訳の利点などについてお伺いしました。

株式会社クロスランゲージ 代表取締役社長 福田 光修氏のONLY STORY

厳密な翻訳必須の各省庁でも採用

––株式会社クロスランゲージの事業内容からお伺いします。

福田氏:簡単に言えば翻訳会社です。翻訳方法が、弊社が自社開発したソフトウェアによる機械翻訳とプロの翻訳者による人的翻訳をハイブリッドで提供できる数少ない会社です。同時に通訳サービスも行っています。通訳はプロの通訳者の派遣からオンライン通訳、通訳機器販売と幅広いサービスを提供しています。

機械翻訳はお客さまのWebサイトの日本語をリアルタイムに自動翻訳できたり、スマホアプリのシステムに組み込むことで多言語対応を実現したりしています。機械翻訳は人力翻訳よりも早く大量な翻訳をすることに向いていますし、コストも抑えることが可能です。翻訳の精度は、プロの翻訳者にはかないませんが、人が翻訳するレベルに年々近づいています。

一方、人力翻訳はきちんと文脈を捉えた上で細やかなニュアンスまで汲み取ることができ、加えてビジネス文書から専門文書まで幅広い分野に対応できます。

今回は最近ご利用が増えているホームページの自動翻訳についてお話できればと思います。

––早速機械翻訳についてご質問させていただきます。利用される顧客はどういった業種が多いのでしょうか。

福田氏:在留外国人向けに情報発信が欠かせない自治体様、訪日したい外国人観光客向けにご当地をアピールする必要がある観光業の皆様、来日した外国人の方にお買い物や体験をしていただきたい商業施設運営の皆様の利用が多いです。留学生を獲得するための教育機関の皆様や海外に販路を拡大していきたい事業者様など多岐に渡っています。

どのお客様も翻訳業務を担当できる人材が内部にいないことに加えて、人手翻訳に比べた低い定額コストが決め手になっています。

––対応言語を教えてください。

福田氏:英語、韓国語、中国語は簡体字と繁体字に対応。その他、ロシア語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語・イタリア語・タイ語・ベトナム語・インドネシア語・アラビア語・クメール語・タガログ語・ダリー語・ネパール語・パシュート語・ヒンディー語・マレー語・ミャンマー語・モンゴル語まで対応しています。

––他社の翻訳サービスと比べて、御社の強みはどこにありますか。

福田氏:弊社はインターネットのない昭和時代から機械翻訳サービスを手掛けてきているので、機械翻訳に関しての知見はどこよりも長けていると自負しています。

また弊社の人力翻訳は特に厳密な翻訳を必要とする省庁でもご採用いただいているほど正確性・専門性が高いのも弊社ならでは特徴だと思います。

実は機械翻訳と人力翻訳の2つの翻訳をハイブリッドでサポートできる翻訳会社は国内でも数社しかありません。お客さまの多言語対応ニーズに合わせた翻訳サービスを提供できる点も弊社の強みだと言えると思います。

––お客さまの反応はどうでしょう。

福田氏:「コスト削減に繋がった」と喜んでもらうことが多いです。人による翻訳では文字量に比例してコストが膨らんでしまうので、弊社の年間定額料金は安いと言われます。

観光関連の事業をされているお客様で、Webサイトの日々の更新にまず日本語で更新して、多言語対応のための翻訳会社へ連絡、その後に翻訳会社から納品された内容を自分でWebサイトにアップデートするという負担の大きい作業をしていました。その解消のため弊社の自動翻訳サービスを導入したところ、「情報更新に手間がかからなくなった」と喜んでいただきました。

無くならない言葉の壁に扉をつけるのが私の使命

––続いて、福田様が代表になられるまでの経緯をお聞きします。

福田氏:私は前職では教育関連の求人サイトの事業責任者で、翻訳通訳とは無縁の仕事をしていました。その会社では留学生も多く仕事をしていたので、多言語の重要性は肌で感じていました。。当時インバウンド需要が右肩上がりで伸びていた時期でしたので「今後自動翻訳の時代が到来する」と考え、2018年7月に株式会社クロスランゲージにジョインしました。

自分は外国語が非常に苦手・不得手なので、自動翻訳があれば自分のような言語弱者が救われるということに魅力を感じたことも入社の後押しになりました。その後2019年4月に代表に任命され今に至ります。

––入社後、特に印象に残っていることを教えてください。

福田氏:代表になってすぐに、音声認識技術を開発している中国の企業を見学する機会がありました。音声認識や翻訳の研究は日本よりはるかに進んでいて、話す言葉がリアルタイムで画面に表示されだけでなく、言い間違いえた言葉も即座に訂正され、中国語の多くの方言もきちんと翻訳される高度な技術を目の当たりにしました。

われわれも外国語に携わる事業としている以上は、海外でのテクノロジーの進歩を、現地に行って見聞きしなくてはならないと感じた出来事でしたね。

––現在はどのような想いで経営をされていますか。

福田氏:例えば「Trust me」は日本語では「私を信じて」と表現をされますが、アメリカでは「私の名前にかけて保証しよう」というような重い意味を持っています。

こうした文化や感性の違いがある以上、私は言語の壁は絶対に無くならないと思っています。しかし異なる言語の人々が自由にコミュニケーションできる世の中にしたいと思っています。そのために、翻訳や通訳をいったサービスは、言葉の壁を壊してなくすことはできませんが、「言葉の壁に扉をつける」ことはできるものだと考えています。それを実現するのが私の使命だと思いながら経営に取り組んでいます。

翻訳会社として外国語での情報発信の大切さを伝える


––将来をどう展望されていますか。

福田氏:コロナ禍によるインバウンド需要の減少、国内需要の落ち込みの中、機械翻訳と人力翻訳の両輪を生かして、今の難局を乗り切っていきたいですね。

その先の話としては、AIの学習機能を駆使して、お客さまごとにカスタマイズした翻訳システムの提供を視野に入れています。現在行っている機械翻訳と人力翻訳・翻訳者の派遣に加えて、今後は翻訳システムの開発にとどまらず、お客さまのご要望に様々な多言語ソリューションで対応できる翻訳会社になりたいです。

––社会的にどういった意義を持つ会社でありたいですか。

福田氏:日本には素晴らしい日本語で発信されているコンテンツがたくさんあります。しかしグローバルでは日本語はほとんど読まれない、発見されないのが実情です。英語をはじめとしたグローバルな言語で発信しない限り、そのコンテンツは日本国内までで国境を超えることはほとんどありません。

素晴らしい日本のコンテンツを世界に届けるためにも、まず外国語で発信することの大切さを啓蒙していきたいです。ゆくゆくは世界中に日本語の情報を正しく発信できる環境をエンドユーザーに届ける会社になりたいと思います。それが弊社の責務であり、日本の国力向上につながると思っています。偉そうですが(笑)。

––最後に、読者へのメッセージをお願いします。

福田氏:コロナ禍によりオンラインでのコミュニケーションが増え、場所にとらわれない働き方が増えてきました。それは単に日本国内にとどまらず海を越えて自社情報の発信をする必要ができているといえます。その海外向けの情報発信をする際に、弊社がお役に立てるようでしたら、ぜひお声がけいただきたいと思っています。

学生の皆様には他文化・異文化に触れることを大事にしましょうと伝えたいですね。英語や中国語の情報は、日本国内で流れる何十倍・何百倍もの量であふれているので、語学を壁とせずに外国の情報にアクセスして生の情報を手に入れていろいろ感じて欲しいです。

執筆=増田
校正=笠原

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