スター電器製造株式会社

鈴木 穰

DIYに”溶接”という新しい風を

工業用だけでなく、家庭でも使える溶接機具を開発
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スター電器製造株式会社 社長 鈴木 穰氏のONLY STORY

工業用の溶接機から、家庭用の溶接機へ


スター電器製造株式会社は、今年で創立55周年を迎えた。先代の社長から鈴木穣社長へバトンタッチが行われ、15年が経つ。当初は建築現場や工場で使われるような、プロ用のポータブルな溶接機を作っていた。

日本の電源は基本的に100ボルトである。100ボルトという弱く小さな電気で溶接作業をするのは、
技術的にとても難しかった。しかしスター電器製造株式会社ではそれを克服し、職人向けの小さな溶接機を開発していた。

「欧米からDIYという概念が入ってきたとき、先代はこれだ!と思ったそうです。

それから一般の家庭で趣味や日曜大工に使える溶接機の開発というチャレンジが始まりました。そして、それは終わりが無く今でも続いています(笑)」


正直なところ、日本では一般の人が鉄で何かを作るということはなかなか浸透しなかった。家庭用溶接機は、金属製品の修理にだけ使われることがほとんどだった。

だが、徐々に「自分が使うものを自分で作れるのはかっこいい」「木はやり尽したから次は鉄をやりたい」という意識が芽生え始め、溶接して0から世界にひとつだけのオリジナルな何かを作る人が増えてきた。

「震災もきっかけとなり、自分の人生は自分で作る!!自分の大切なヒト・生活・モノは自分で守る!!自分で作る!!という風潮が生まれたんです。

広い意味でのDIY、サバイバルですね。また、DIYは災害に備えるだけではなく、家族とのふれあいも生み出しました」


「ウチは中小企業ではない」と社員に教えられた


子どものころから、鈴木社長は自社の商品に親しみながら育った。

「ちょっとした商品のパッケージ詰めなど、自然と手伝いをしていました。いろいろな社員の力を借り、滑ったり転んだりしながら意欲的に取り組んでいる父が、とてもかっこよく見えましたね」

鈴木社長には、2代目という意識があまりない。父と二人三脚で仕事をしてきたからだ。

「一般の人に溶接を広めるのは、一朝一夕ではいきません。時間を掛けて地道にやってきましたから、私と父と、セットで1代目だと思っています」

時代の移り変わりに合わせて、鎌倉に溶接体験スクールをオープンすることができた。自分達の店・工房を持つことを実現できたことにより、仕事にも誇りを持てた。

父から教わったことも多いが、社員に教えられたこともたくさんある。

「私は、中小企業という言葉、括り方、世間の物差しがあまり好きではないのですが、昔は『中小企業だから』を枕詞に言い訳したり、諦めたりしていた時期もありました。

ある時、ある社員から『日本全国、どこのホームセンターを見てもウチの商品が置いてありますよね。それって凄いことです!だから僕はウチの会社を中小企業だとは思っていません!』と言われたんです。目からうろこの視点・発想だと思いましたね」


鈴木社長が社員に求めるのは、口や頭よりも先に、手や体を動かすことだ。

「例えば誰かが倒れていたら、何も考えずにすっと助けられる人。そういう人材を求めています」

併せて鈴木社長は、20代の若者にいろいろなチャレンジをしてほしいと語る。

「成功も失敗も、自分の経験になります。無駄な経験は一つもありません。頭でだけ考えず、先に体を動かしてください。心配せずとも理屈は後からちゃんと付いてくるものだと」


願いは家庭での溶接・鉄工DIYが文化となること


木材を使い、自分で棚や椅子などを作るDIY、日曜大工はすでに浸透している。それと同じように、金属や鉄を使う工作もしっかり根づいてほしいと鈴木社長は願っている。

「私たちが運営する溶接体験スクールは、鎌倉にあります。観光地という恵まれた立地に、物珍しさも手伝って、タレントさんや若い女性など多くの方が来てくださいます。

このスクールがきっかけとなって、ものづくりの楽しさや鉄という素材や溶接の魅力を知ったり、それを仕事にしようと思ったりしてくれたらいいと思います」


日本はものづくりが基本となってきた国である。溶接・鉄工が一時的な流行ではなく、これから先ずっと定着した文化になることだ。

スター電器製造株式会社の住所や電話番号、採用・求人等が載っているホームページはこちらから↓

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