株式会社ipoca

神本 龍

小売企業のDXを推進するマーケティングソリューション『ミセシル』

ビジョン:人々の価値観と様々なサービスを一本化する
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今回のインタビューは、小売流通業向けにビッグデータを活用したマーケティングソリューション『ミセシル』を展開している株式会社ipocaの神本氏にお話を伺います。『ミセシル』のサービス立ち上げのきっかけやお客様の活用事例、今後のビジョンについて語っていただきました。

株式会社ipoca 執行役員 シニアエバンジェリスト 神本 龍氏のONLY STORY


––株式会社ipoca(イポカ)のサービスを教えてください。

神本氏:私たちは「世界中の『人々の価値観』と『さまざまなサービスの価値』を独自のデータと特異なアイデアで一本化する」というビジョンの実現に向けて、主に小売企業様に自社開発のプロダクトを提供しています。

具体的には、購買データやネット検索履歴・位置情報などのビックデータを活用したマーケティングツール『ミセシル』や全国約2,500万人の行動データをもとに来館人数や行動エリアを分析できるプラットフォーム『流動outside』シリーズ、店頭情報プラットフォーム『NEARLY(ニアリ)』を運営しています。

––御社サービスを利用される企業にはどのような課題があるのでしょうか。

神本氏:日本の社会問題である人口の減少により消費者が減ったこと、それに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、以前よりも商圏の狭域化が進んだことから、小売業界では「多くの人に来て買ってもらえるか」だけではなく、「同じ人にいかに、何度も来ていただけるか?ファンになってもらい、どれだけ長期間にわたり、たくさん買ってもらえるか?」というLTV(顧客生涯価値)の最大化が鍵だと言われるようになりました。

LTVを最大化するためには、扱う商品の種類はもちろんのこと、売り場づくりや価格設定が重要です。しかし一方で、小売業界ではお客様の行動や購買データの収集が難しいという課題がありました。自分のお店にきてくれたお客様は何を買って何時に帰ったのかが分かるのですが、一歩店外に出てしまうと、競合店にはどのくらいの頻度で訪れて何を購入するのかが分からないのです。

そのような小売業界の課題を解決するために、弊社は独自に収集したビックデータを用いたソリューションを提供しています。

例えば『ミセシル』では、これまで自社データだけでは分析できなかった「競合店の客層」や「競合店で何を購入しているか」が分析できます。
それに加えて「こういう品揃えをすると購入頻度が上がる」といった改善策まで提案できるので、お客様1人当たりのLTV向上につながる改善が行なえることをご評価いただいております。

––御社の強みを教えてください。

神本氏:2つあります。1つは2007年の創業から約15年間「リアル×IT」のポジションで培ってきた専門性です。もう1つはITに精通していない小売流通の方でもデータを読み取くことができるUI/UX設計やサービスを形にする事業開発力が弊社の強みです。

––神本様が事業を行う上で、大切にしていることはありますか。

神本氏:弊社の「人々のために、世の中にはない新しい価値を、皆で創る」というミッションです。弊社には「今あるサービスではなく新しいサービスを作って世の中に貢献するんだ」という強い想いを持って働いているメンバーが多くいます。もちろん僕もその一人で、このミッションに共感したことが入社の決め手でした。

豆腐屋さんから始まった価値とサービスの一本化プロジェクト


––ミッションが入社の決め手と伺いましたが、神本様が株式会社ipocaに入られた経緯を教えていただけますか。

神本氏:私は大学卒業後、人材業界に就職しエージェントとして働いていました。人材ビジネスに社会的意義を感じる一方で、まだまだ未熟者でしたが、より自分の介在価値が高い事業にも興味を持っていました。

ちょうどそのころに、私が大学時代から親交のあった弊社代表の一之瀬から、誘いを受けました。私が24歳の時です。
新卒で入社した当時従業員規模1000人程の会社から当時5人のipocaに転職するには勇気が入りましたが、ipocaのミッションである「人々のために世の中に無い新しい価値を皆で創る」に「これだ!」と心から共感したことと、「選んだ道を正解にしてやるんだ」と心に決めて、思い切って入社を決めました。

––株式会社ipoca創業の背景を教えていただけますか。

神本氏:創業のきっかけは、代表の一之瀬が税理士として商店街の活性化プロジェクトで関わったとクライアント様であるお豆腐屋さんとの出会いでした。プロジェクトが指導する前からも彼はお豆腐屋さんのある商店街へよく通っていたのですが、プロジェクトをきっかけに、初めて美味しくて安い豆腐を提供していることを知ったそうです。ただ「自分にも周りの友人にも知られていなかったのが、すごくもったいなく感じた」と言います。

当時はおサイフケータイが出始めた頃で、インターネットとリアルがよりシームレスになっていくことが期待されている時期でもありました。そのような時代背景と自分自身の経験から「インターネットで世の中にある、いいモノをもっと地域の人々に届けていきたい」と考え、株式会社ipocaを立ち上げに至っています。要するに、需要と供給のマッチングということです。

––クライアントからはどのようなお声をいただきますか。

神本氏:とあるスーパーを運営されているクライアント様が『ミセシル』でデータ分析をしたところ、自店スーパーと競合スーパーを買い回りしているお客様は、競合店では、よくワインを購入されていることがわかりました。これまで品揃えに自信を持っていたワインカテゴリーがライバル店で買われていたことは予想外のことで驚かれていました。

そこで自店のワイン売り場を広げ、かつ入口付近で展開したところ、ワインだけでなくお酒全体の売上が上がり、さらにお酒に合わせてお肉やお魚、チーズの売上も上がり、結果的にお店全体の大きな利益につながったととても喜んでいただきました。

一般的なスーパーの集客方法は値引きが多くなってしまうのですが、値引きは利益を削って人を集める方法なので顧客が増えても、利益は上がりづらいという課題があります。利益を削らなくても、データから仮説を立てて、きちんとアクションを起こせば、結果が出ると示すことができた嬉しい事例の1つです。

小売流通業界のDXを推進していき、日本経済に貢献したい


––今後の目標を教えていただけますか。

神本氏:まずは『ミセシル』を着実に伸ばし、最先端の技術も積極的に取り入れ、目標であり、通過点であるIPOに向けて事業を加速させていきたいと思います。ビックデータとの親和性が高いAIや機械学習、ディープラーニングといった技術を取り入れながら事業を展開することで、業界に革新的なサービスを提供し続けられると考えています。

––長期的なビジョンを教えてください。

神本氏:先程お話した通り私たちは、日の目を浴びていないお豆腐屋さんの存在に課題を見出し、ビジネスを始めました。弊社のサービスを通じて、実店舗にしてもECサイトでも、地域の人々に根差した「お客様に求められているお店の形」を実現していき、その結果、日本経済に貢献できるような会社になりたいですね。

––社会的にはどういった影響を与えられる企業になりたいとお考えですか。

神本氏:私たちのターゲットの1つであるスーパーマーケットでは、食品を多く取り扱っています。現在、業界では、売れ残った食品の廃棄ロスが大きな問題としてあがっています。なぜ売れ残ってしまうかというと、要因のひとつは予測がブレてしまうからということです。

弊社のビッグデータを活用することで、地域の人々が求めているものやニーズ、需要などを予測できるようになると、適切に仕入れて販売が可能です。
結果として、廃棄ロスの削減は可能であり、このように私たちの事業は、SDGsやESGの観点でも大きく社会貢献ができると考えています。

––ありがとうございます。最後にメッセージをお願いします。

神本氏:小売流通業界はまだまだDXが進んでおらず、今後ますます大きな変革が求められている業界の1つです。弊社は15年間小売業界のデジタル化を推進してきた自負はありますが、1社だけではできることが限られていると実感しています。

そこで今後は独自のデータや技術、ネットワークなどを持つ会社様と一緒にビジネスパートナーとして小売業界のDXを進めていけたらと思っています。ご興味を持ってくださった方はぜひご連絡ください。お待ちしております。
そして採用もめちゃくちゃ力を入れています!一緒に働く仲間も大募集中です。

株式会社 ipocaの住所や電話番号、採用・求人等が載っているホームページはこちらから↓

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