株式会社フジサワ・コーポレーション
澤田 剛治
POSTED | 2019.06.13 Thu |
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TAGS | 従業員数:51〜100人 業種:製造業 創立:15年以上 決裁者の年齢:その他 商材:BtoB |
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看板やディスプレイの企画制作、施工で企業の広告支援
創業72年目、幅広い業界のノウハウ×最新技術で勝負Topics
今回のインタビューは、屋内外広告や看板、ディスプレイ制作を手がける株式会社フジサワ・コーポレーションの三代目経営者澤田氏にお話を伺います。展開する事業内容や、澤田氏が事業継承時に抱いた問題意識、そして今後のビジョンなどを語っていただきました。
株式会社フジサワ・コーポレーション 社長 澤田 剛治氏のONLYSTORY
ビジュアルプロモーションで企業をブランディング
–まずは、株式会社フジサワ・コーポレーションの事業内容を教えてください。
澤田氏:弊社は視覚に訴える“何か”を用いて、企業の広告宣伝やブランディングを行う会社です。
具体的には、屋内外広告や看板、店舗やオフィスなどのサイン・ディスプレイのデザイン企画から制作、現場の施工まで一括してサービスを提供しております。
たとえば看板に関して言いますと、お客様のニーズをお伺いした上で、一番効果が高いと思われる媒体を私たちが選定し、それに対し実際にビジュアルを制作し、現場で施工するところまで全て承っております。
弊社は、1947年に創業してからこれまでに得たノウハウと最新技術を駆使し、広告やブランディングをより効果的に行うお手伝いをしています。
–業界内での他社との明確な差別化ポイントはありますか。
澤田氏:そうですね、大きく3つの特徴があります。
1つ目は、制作の品質や専門性の高さ、そしてそれに基づくお客様からの信頼ですね。
弊社はおかげさまで創業72年目を迎え、72年の間にさまざまな鉄道会社様とのお仕事をしてきましたが、そもそも鉄道業界とお仕事をするには資格が必要なんですね。弊社はその資格を取得し、絶えず更新することで、お客様からは大変高い評価を得ています。
2つ目は、過去から未来に渡って技術が変化していく中、どんどん挑戦をして、新しい技術を取り込んでいるところです。
1つ例をあげるとすれば写真ですね。写真をビジュアル制作に活用する場合、昔は写真現像技術を使用していましたが、それがインクジェット技術へ変わり、さらに現在は静止画を組み合わせたり、動画による広告へと転換している。そうやってお客様が求めているものを時代に合わせて変化させていけるのが強みです。
3つ目は、非常にたくさんの業界のお仕事をさせていただいていますので、各業界のノウハウを別の業界で活かすことができる点です。たとえばオフィス内装のお仕事に鉄道業界の安全管理方法を応用したり、いろいろな業界をまたがったノウハウを幅広く活用することができます。
–事業を運営する上で一番大切にしていることを教えてください。
澤田氏:私は社員の成長が会社の成長だと思っているんですね。だからこそ、組織の文化を大切にしながら、社員を成長に導いていくことが、経営最大の仕事だと思っていますし、もっとも大事なことだと考えています。
高度成長時代に事業を営んでいた先代の父の時代は、弊社もワンマントップダウンの経営でした。しかし、経済成長がなくなり、むしろこれから落ち込んでいくと言われている時代に、会社が成長していけるためのモデルはワンマントップの経営ではありません。会社の成長を目指すためにも、とにかく社員重視を徹底しています。
社員・従業員が主役である会社に
–事業継承をされたきっかけと、その際の問題意識について教えてください。
澤田氏:もともと創業は先々代の祖父の時代でして、三代目となる私がこの会社に入社したのは2007年のことでした。はじめは一般の営業職からスタートしまして2012年12月に社長に就任しました。
きっかけは2011年に別々の事業会社であった3社を、フジサワ・コーポレーションの1社に統合したことです。それまでの営業職からその時初めて経営に携わることとなりました。
–それでは、2011年が大きな転機となったのでしょうか。
澤田氏:そうですね。この出来事が私が本質的に経営に携わるきっかけになりました。
さきほども申し上げたように、先代の父の時代からワンマン経営が続いており、会社自体も指示が降りてこないと何もできないという会社でした。とにかく社員が主役である会社に改善することと、社員から意見や発案が出せるボトムアップな組織に変えたいというのが1つの課題意識でした。
会社の経営の方法はいくつかあると思うのですが、やはり私は、会社は社員が主役であると考えています。なので会社の方針を変えるとしても、70年間以上続いているものを、いきなり左だったものをぎゅっと右に切り替えて、その変化に耐えられない人をバラバラと落としていくようなことは、社員主体の私の哲学に反しているんです。
だからと言って、なれ合いの組織を作りたいわけではなく、これまでの組織を変えるためには緩やかなカーブを切り直すことが必要だと考えています。判断される人によっては「そんな生ぬるいことではこの競争社会を生きていけないのでは」と心配されることもありますが、そこは私が一番こだわりたい部分です。
–どのようにして今のビジュアル制作事業を始めるに至ったのでしょうか。
澤田氏:1963年に創業者である祖父がアメリカの建設業界の視察に行き、その時にニューヨークのセントラルステーションでカラーフィルムの使った電飾看板を見たんです。
当時日本で屋外看板とえば手書きの看板という時代。それなのに海を越えたところには、こんな看板があるのかと驚き感銘を受けたそうです。そこから、日本に帰ると同時にカラーフィルムを現像する事業を始めました。
将来的にはビジュアルマーケティングを
–短期的な目標を教えてください。
澤田氏:これまでは現場を主体に制作を繰り返してきましたが、今後はディレクションや企画に力を入れて行きたいです。
そのほかにも、デザイン部分を充実させたり、もっと設計ができるようにしたり、あるいはお客様の代理人として現場でプロジェクトを回せるようなプロジェクトマネージャーを輩出したり、と様々な面でお客様のお役にたてるようになりたいと考えています。
–長期的な目標を教えてください。
澤田氏:将来的にはビジュアルを活用したマーケティング企業を目指しています。ご存知の方も多いかと思いますが、視覚情報から人間が認知することは90%弱もあるんですよね。つまりビジュアルはとても大切なので、今後はビジュアルを活用したプロモーションからビジュアルを活用したマーケティングをしていきたいと考えています。
–社会的にどのような会社になって行きたいとお考えでしょうか。
澤田氏:日本は今世界の潮流から少し置いていかれていますよね。この状態から脱却するためには、日本の企業が活性化をして、しっかりと新しい価値を生産できるようになることが必要だと思っています。
だからこそ、日本の企業は自社をブランディングしていくことが大事なんです。そして私たちはそのサポートをすることで、社会的な意義を見いだしていきたいと思っています。将来的には「ビジュアルプロモーションといったらフジサワ」というふうになっていたいです。
執筆=山田
校正=笠原