ハイマネージャー株式会社
五十嵐 未来
POSTED | 2019.11.19 Tue |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:その他 創立:5〜6年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoB |
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従業員の心理的安全を実現するためのマネジメント支援
人材獲得競争で勝ち抜くための職場環境を作るTopics
今回のインタビューは、マネジメントの支援サービスを展開するハイマネージャー株式会社の五十嵐氏にお話を伺いました。多くの社会人が一日の大半を過ごす会社がより居心地の良い場所になるようサポートする同社の取り組みについて語っていただきます。
ハイマネージャー株式会社 取締役 五十嵐 未来氏のONLYSTORY
【これまで】
PwCコンサルティング合同会社(2016-2019)
-人事コンサルティング領域に従事
-テーマ:採用戦略・EX向上戦略支援・HR Tech活用戦略支援・人事制度及びカルチャー設計 等
-担当業界:エネルギー・Web系・航空・建設・化粧品・自動車・通信等の大手企業
【現在】
ハイマネージャー株式会社に取締役COOとして参画 -セールス・カスタマーサクセス・マーケティングを中心に事業推進を担う
パーソナライズド・マネジメントサービス(マネジメントのサポート)を展開
–ハイマネージャー株式会社の事業内容を教えてください。
五十嵐氏:弊社は「すべての人が一人で悩みを溜め込まず、 気軽に悩みを吐き出す事が できるようにすることで、楽になる」ことをミッションに掲げ、パーソナライズド・マネジメントサービス(マネジメントのサポート)を展開している会社です。具体的には従業員の心理的安全性・エンゲージメント向上のためのツール「HiManager」の提供を行っています。
「HiManager」ではエンゲージメントの可視化やOKR・1on1・称賛・フィードバックなどエンゲージメント・マネジメントデータの管理に加え、それらのデータを基にメンバー1人ひとりにとって最適なマネジメントのアクションをレコメンドする「ナッジ機能」を備えています。
–とても面白いサービスですね。
「HiManager」で行えること、その中でも例えばエンゲージメントの可視化はどのように行うのでしょうか。
五十嵐氏:エンゲージメントの可視化はエンゲージメントサーベイを活用し、従業員に質問をして、その回答によってその従業員の会社に対する愛着を測っていきます。これは「会社に求めるもの」「自分の会社を人に勧められるか」などの10項目ほどの質問からなっています。
–エンゲージメントを可視化した後はどういったことをされるのでしょうか。
五十嵐氏:その後は、OKR(目標管理)と、コミュニケーションの活性化としてのCFR(カンバゼーション・フィードバック・レコグニション)を行っていただきます。
CFRは日本ではまだあまり知られていませんが、海外では一般的なワードで、カンバゼーションだと1on1、フィードバックならまさにフィードバック、レコグニションだったらお互いに賞賛するなど、そういったコミュニケーションをサポートしていきます。
その中でもリアルタイムなアクションがポイントになっており、毎日や週に1回と高頻度なコミュニケーションをとっていただき、エンゲージメントの向上を目指します。
OKRでは従来の上から与えられた数字ではなく、会社の求めることと自らのやりたいことを数字としてすり合わせながら目標として掲げていきます。私たちはこれを「期待のアライメント」と呼んでいるのですが、そのすり合わせがエンゲージメントにも関わってくると考えています。
また、これらのデータをツールに入れるだけでは、ただの管理ツールになってしまうため、データを基にメンバー一人ひとりにあったアクションをマネージャーに対してレコメンドし、行動変容を促す「ナッジ機能」を提供しています。
具体的には、Aさんのヘルススコア(調子)が下がっていたら、「Aさんに称賛を送って勇気づけてみましょう。Aさんは分析思考のタイプなので、データや数字に基づいて褒めてください」といったリコメンドを送付しています。
‒他社との差別化をはかっている点や御社ならではの強みについて教えてください。
五十嵐氏:強みは弊社の社員ですね。と言うのも、弊社のメンバーのバックグラウンドは人事系のコンサルタントないしはコーチングのプロを経験してきた人材が多いんです。
OKRとか1on1など、もちろんツールで支援することも重要視しているのですが、やはりクライアントとコミュニケーションを取りながらサポートすることはとても大事だと思っています。だからこそ相手の話を聞きながら目標に向かって伴走できる人材がいるという点がハイマネージャー株式会社の大きな強みになっていますし、その力でマネージャーをサポートし、マネジメントを変えていきたいと思っています。
心身の健康に関心を持ち、今の会社へ
‒ハイマネージャー株式会社の取締役になられた経緯について教えてください。
五十嵐氏:私は昔から心身の健康というものに関心を持っていたため、前職のコンサルティング会社を離れる際にも「次の会社は心身の健康に関わるような事業をしている会社にしよう」と考えていました。
代表の森は元々前職の先輩で関わりがあったのですが、私よりも先に前職を辞め、ハイマネージャーを創業していました。彼は「原体験発信や心理的安全性をキーワードとしたサービスを作りたい」「社内の関係性を高めていく会社にしたい」という強い想いがあり会社を立ち上げていました。
この会社の想いは自分の関心とも繋がると感じ、その上で森と共に自分に今後のキャリアを広げられると思い、参画を決意しました。
‒心身の健康に関心を持つようになったきっかけはありますか。
五十嵐氏:きっかけは大きく2つあります。ひとつは学生のときに父を亡くしたことです。それからずっと、健康について意識する日々を送っていました。
もうひとつは前職でコンサルティングの仕事をしていたことです。コンサルティングはハードワークで周りのメンバーでも心身を壊しがちな人も多かったため、健康と仕事を両立するためにはどうすればよいか、深く考えるきっかけとなりました。
働く環境をより良くするために
‒今後の目標について教えてください。
五十嵐氏:弊社のミッションである「すべての人が一人で悩みを溜め込まず、 気軽に悩みを吐き出す事ができるようにすることで、楽になる」を実現させることですね。
そのために、まず短期的な目標としては現在保有しているデータを活用して、マネージャーに対して従業員の心理的安全性を高めてもらえるようなアクションをリコメンドする「ナッジ機能」を充実していきたいと思います。
その後はマネージャーだけでなく、従業員に対してもナッジを送っていき、AIが社員の感情に沿って、サポートを提言してくれるようなサービスにしたいと考えています。
また、ハイマネージャー株式会社の世界観をより多くの人に共感してもらえるよう、セミナーやイベントなどで弊社の価値観や想いを皆さんに知ってもらいたいですね。
少子化やグローバル化が進んでいるため、現在世界中で人材獲得競争が起きているんです。そのような状況の中でいかにエンゲージメントを高めていくかというのは、すべての会社に共通する課題だと考えています。
世の中のマネジメントを変えて、人生の中で大きな割合を占める「仕事」というものを、より良い環境で行えるよう、今後もハイマネージャー株式会社は尽力していきたいと思います。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原