恵比寿機工株式会社
高橋 健一
POSTED | 2016.12.13 Tue |
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TAGS | 従業員数:51〜100人 業種:その他 創立:15年以上 決裁者の年齢:60代 商材:BtoB |
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「他とはちょっと違った建設会社」を目指して。
どん底から這い上がった2代目が辿り着いた目標とは。Topics
恵比寿機工株式会社 社長 高橋 健一氏のONLY STORY
全ての経験を未来のために。
高専卒業後、いくつかの業界で実績を上げた後、29歳でこの会社に入りました。
創業者が一代で築き上げた会社でしたが、6年前に業績が悪化し、会社存続のために企業再生プロジェクトに当社が応募し、そのメンバーに私も参画しました。
その結果、創業者と血縁関係もない一社員の私が経営を託され、会社を潰したくない一念で引き受けました。
他社での経験や実績もありましたから、転職という道もあったのですが、35歳の時に建てたマイホームのローンも抱えていましたし、他の社員のためにも会社を継続しなければ!という思いが強かったのです。
会社を引継ぐと同時に莫大な借金も背負うことになり、連帯保証人になり、自分の家も担保に入れました。
もともと経営者を目指してきた人生ではなかったので、経営の知識なんて何もなかったですし、最初は本当に辛かったです。
特に銀行の借り入れもできない中で、毎月資金繰りに追われるのが本当にキツかった!
自分では気づいていなかったのですが、毎日ため息ばかりついていたそうです。
いつもしかめっ面で、キツい言葉を投げつけて…社員のみんなも辛かっただろうと思います。
あの頃のことは、今でも思い出したくないくらいです。
ただ、必死で頑張っていればなんとかなる!という気持ちで挑み続けたおかげで、就任2年目で売り上げ目標達成の目途をつけることができました。
これは、経営者として未熟な私を信じてついてきてくれた社員たちのおかげです。
だからこそ、今は経営者として、社員が安心して働ける会社を作りたい。
社員時代に感じていた不安や不満、経営者として味わってきた苦労など、全ての経験を未来につなげていきたいと思っています。
他とはちょっと違う建設会社になる。
建設基礎工事の杭打ち・障害撤去・既存杭の引抜が社業ですが、他社が出来ない低空頭狭隘地や、時間が短い鉄道軌道内工事に特化しています。
所有重機がほぼ低空頭専用設計になっていて、軌道内で故障しても外部から動かせる緊急脱出装置を備えていたり、自社で整備部門も持っているなど、うちにしかできない強みはたくさんあります。
現場が厄介であるほど挑戦のしがいがありますし、達成した後に大きく成長できますから、新しい機械を作ってでも対応するように心がけています。
オペレーターたちも、機械を動かさない時は片付けをしたり、限られた時間でできることをみんなでやるようにしています。
そうした姿勢が価格を超えた信頼感に繋がり、新しい指名をいただけているんじゃないかと思います。
「苦労している現場があるんだけど、恵比寿機工ならできるんじゃない?」という言葉は、私たちにとって最高の褒め言葉です。
私は、この会社を「他とはちょっと違う建設会社」にしたいのです。
条件の厳しい業務ばかりだからこそ、やる気と熱意を持って働ける職場を作りたい。
そのために、「30歳で家を持つこと」という目標を掲げ、業績に関係なく社員として採用し、保険環境もきちんと整備しています。
これは、日雇い契約が一般的なこの業界では、かなり珍しいことだと思います。
私が35歳で家を買った時は、日雇いでしたのでローンを組むのに非常に苦労しました。
安息の場所である家を手に入れるのに、「いつ首を切られるか」なんて不安を感じながら働いていては、モチベーションも上がりません。
「有給休暇の100%消化」を新たに取り入れたのも、しっかり働いてしっかり休むことで、高いモチベーションを維持して欲しいという思いからです。
従業員数はピンチの時から2倍に増え、売上も2倍になりました。
安心して働ける会社を目指して、今も変化をしている最中です。
安心して働ける環境を作る。
会社というのは一族ではなく、優秀な社員が継続していくべきだと思いますので、末長く安定した経営を続けていくために、毎年継続して若い世代を採用できる、魅力ある会社を目指します。
そのためには、やはり従業員が安心して働ける環境を作ることがマストです。
私の世代で、先代の頃から残っている不安要素をどんどん無くしていき、小さくても中身の濃い会社を、次の経営者へ引き渡していきたいです。
手始めとして、今月に約1000坪の土地を購入して本社の完全移転を進め、早期に借入を圧縮し株価対策、事業継承に向けて動き出したいと思っています。
厳しい仕事でも、チームワーク良く頑張ってくれている笑顔や、若くして家を購入できて喜ぶ彼らの笑顔を見ると、胸が熱くなります。
相当苦労はしましたが、ある意味どん底からのスタートで良かったなとも思います。
あとはもう良くなっていくしかないですから。
彼らの笑顔を末長く守っていくことが、私の使命だと思っています。
社是である「ベストを尽くして挑戦する」気持ちを忘れず、常に危機意識を持って、現状に満足せず前進していきます。