株式会社農業総合研究所
及川智正
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POSTED | 2015.07.14 Tue |
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TAGS | 従業員数:101〜300人 業種:その他 創立:15年以上 決裁者の年齢:その他 商材:BtoB |
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いくつもの経験が、成功の最大の資本
日本の農業を、世界に誇れる農産業ビジネスへTopics
株式会社農業総合研究所 社長 及川 智正氏のONLY STORY
苦労をしても儲からない農業
全国480店舗のスーパーマーケットで生産者直送の新鮮な
農産物を購入できる『農家の直売所』。その経営会社である
株式会社農業総合研究所の及川智正社長に、会社をはじめた
きっかけなどを伺った。
「祖父が農業をしていたので、苦労しているのに儲からないのは
何故かと、小さい頃から思っていました。そして東京農業大学で
農業経済学を学び、『このままでは農業の未来が危ない』と
確信したんです。」
大学卒業後は農業と違う分野に就職したが、かねてから農業の
『仕組み』を変えたいと思っていたこともあり、結婚を機に
農業の道へ進んだ。
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生産と流通の立場を経験して得た気づき
1年間妻の実家でキュウリ作りを学んだ後、独立して生産販売を
行なったが、上手くいかなかった。
「2年目はアルバイト以下の月収でした。子供も生まれたので、
本気で東京に戻ることも考えました。」
しかし3年目、それまでの努力が実り注文が舞い込み、
周りの農家の数倍ほどの収入になった。そして大阪で
八百屋を営むことになり、ここで及川社長は大きな気づきを得た。
「生産者の時は1円でも高く値を上げたいと思っていたのに、
仕入れる側になると1円でも安く値を下げたいと思うんです。
両方の立場を経験し、もっといい流通の方法を考える
必要性を知ったんです。」
漠然と農業の仕組みを変えたいと思っていた及川社長は、
『流通』に目をつけた。
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農家の一言から生まれた、新しい流通システム
「やりたいことが見つかりハローワークへ行ったんですが、
やりたいことをできる仕事がなく、それで会社をつくったんです。
はじめは農家の営業代行を行い販路拡大にも成功しました。
しかし、営業という見えないものにお金は払ってもらえませんでした。
ただ、果物や野菜はいくらでもいただけたので、それらを駅前で
販売したのが、会社の始まりです。
そして活動を続けるうちに、『この野菜を都会に持っていって
くれないか。』という相談を受けたんです。正直、いいアイディア
だと思い、それで都会の中に道の駅のような場を作ることにしたんです。」
こうして、『農家の直売所』が誕生した。作りたいものをつくり、
値段を決め、出荷先を決める。メーカーはメーカーらしく、
小売は小売らしくという『普通の流通』を目指し、従来の農業界に
なかった流通システムを作り出した。
及川社長の様々な現場を経験が、会社にとって最大の資本となったのだ。
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農産業の確立が、農業の持続可能性につながる
会社を設立してから10年たったことへの思いを伺った。
「生きる上で不可欠な農業をなくさない仕組みを作りたい
一心でやってきました。そして農業をビジネスとして
成り立たせることが、未来永劫続く仕組みになると信じて
活動しています。信じてやり続けることが起業家の使命なんです。」
今後、海外への展開も視野に入れているという及川社長に、
若者へのメッセージをいただいた。
「早く社会に出て、力を試して欲しいと思います。
そして、『ありがとう』を言える人であってほしいと思います。
ありがとうの反対語は『当たり前』なんですが、たくさんの
ありがとうに気づける人であれば、どんな人生を歩んだとしても
間違いないと思います。」
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編集後記
経験することの大切さを改めて知りました。そして、
生産者は『ありがとう』と直接言われることがないし、
消費者側も『ありがとう』と直接言えることがありません。
でも、その裏にはありがとうが詰まっていることを
再確認しました。
日常の中の「ありがとう」を気づける人でありたいと思います。