株式会社いなほ

山根裕二郎

アニメーション制作の撮影や3DCG、講師業まで

関わる人が小さな幸せを積み重ねていけるような会社に
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今回のインタビューは、アニメーション制作を手がける株式会社いなほの山根氏にお話を伺います。事業の内容はもちろん、起業の経緯、今後目指していくビジョンについて語っていただきました。

株式会社いなほ 社長 山根 裕二郎氏のONLY STORY


【経歴】

1980年生まれ、広島県呉市出身。2003年に北海道東海大学を卒業。
大学生活中にアルバイトとしてアニメ会社に入り経験を積む。卒業後アニメ会社に入社し専門技術を習得しフリーランスに転向、技術の習得だけでなく人と人とのつながりを学ぶ。
専門学校講師として生徒たちの成長を見守るなかで、若手の幸せと成長を助力し応援することがライフワークになると考え起業を決意。2017年6月に《株式会社いなほ》を立ち上げる。
企業理念である、
「関わった人を少しだけ幸せにする」
「若手に活躍の場を」
「想いをかたちに」のもと経営を行う。

アニメだけではなく、多くを発信していける会社へ

ーまず、いなほの事業内容をお伺いしたいと思います。
山根氏:現在は9割がテレビや映画で流れているアニメの中間セクションを請け負っているような状態で、メインとしてはアニメーション撮影と3DCG制作の業務を行っています。
撮影作業では、まずクライアントにいただいたセル画(※1)と背景を合成し、映像に加工していきます。それに新たな映像効果を追加するVFXと呼ばれる技術を用いて、現実世界では表現できないような画面効果を加えていき、画面をより盛り上げていきます。
もうひとつの3DCG制作は、画面内で立体物を作成して、それにアニメーションをつけていく作業になります。現在のアニメーションはセル画が主流なんですが、今後発展が予想される、3DCGにも注力しています。

そして残りの1割で企業様に向けて映像をご提供する実写映像の事業をやっております。
メインの方のアニメのお仕事というのは発注があって初めてお仕事になるというところがあり、自分たちに発注が来なかった場合に立っていけないのではという懸念がありました。その問題を解消するために、自分たちで発信できるものを増やしていきたいと思ったのがきっかけです。
実写映像を専門としているスタッフがいたので、じゃあそういう事業部を作ってやってみようか、というところからスタートしています。今までご依頼いただいた企業様でいうと、社労士の方や、飲食店、ブライダル系の式場などといったところで映像をご利用いただいてます。
また、他にも外部の方と協力してインプロ(※2)研修事業というのもやらせていただいております。

※1 セルとよばれる透明シートに描かれた絵
※2 台本のない即興劇

ーインプロ研修事業はインプロをやろうと思ったのですか?
山根氏:知り合いの声優さんにインプロをやっている方がいて、その方から「これを事業に使えないかな」というようなご相談があったんです。そこがきっかけとなって色々お話をしたり、実際に私が体験したりするうちに、これってワークショップになるんじゃないかなという発想に至りました。インプロが様々な企業さんの輪を作るいいツールになると思ったのです。
企業におけるインプロの具体的な活用方法の例としては、上司の部下の仲が心配というチームがあったとしたら、そこにファシリテーターとインプロバイザー2名を入れさせていただいて数時間の演劇を一緒にやっていただくといったイメージです。
最終的には、怖いと思っていた上司の方にこんな一面があるんだとか、部下の方に対してこんな思いを抱いているんだというような、普段の業務だけでは見えてこないところに気づいていただけるような場をご提供するということが、インプロを通して一番やりたいことです。
パワハラなど様々なハラスメントが社会問題になっていると思うんですけど、それらが起こる前にすべてをまるっと輪にしていければいいなという思いがこの事業には込められています。

─事業をやられる際に気を付けていることや、大事にしていることはございますか?
山根氏:もちろん我々の映像で喜んでもらうというのが1番なんですけども、それにいくまでの行程として、やはり寄り添った形で映像づくりをするというところをしっかりやっていきたいなと思ってます。
完成したものを見せた時にお客様に「損した!」と思ってほしくないんです。「なんかイメージと違うな」「あ、こうじゃなかったんだけどな」という諦めをしてほしくないので、事前にしっかりヒアリングをさせていただいて、できるかぎりお客様のイメージに沿うものをご提供するようにしております。

若手の育成にかける想い

ー 起業に至るきっかけを教えてください。
山根氏:私がフリーランスのころに専門学校の講師をさせていただけるタイミングがあったのですが、巣立っていった子たちがアニメを続けたいけれど、金銭面などの様々な事情で苦労する部分があり、どうしても辞めなきゃいけないといったような問題に直面するところを幾度となく見てきました。そういったことから、そのような子たちを受け止める場所が欲しいなという思いに至って起業を決意しました。
ただやっぱり事業を続けていくにあたって、受け止めるためには自分たちに力がなくてはならないというところも最近は感じていて、そこをしっかり伸ばしていきたいと考えております。

ー理念をお伺いしてもよろしいでしょうか?
山根氏:理念は三つあります。
まず一つ目に、 関わっていただいた方に少しでもいいから幸せになってほしいという気持ちをもって取り組みたいということで、「かかわった方に少しだけ幸せを」。
そして二つ目に、先ほど述べた「若者に活躍の場を」。
最後の三つ目に、我々の仕事はお客様の気持ちや妄想を形にする、ビジュアル化することだと思っているので「想いをかたちに」といった理念を掲げています。

ー社名はどのように付けられたのでしょうか?
日本だけではなく、海外の人にも自分たちの作る映像を見てほしいという気持ちがありました。そのためには和名の会社がいいのではないかというのが最初に思い付いたアイデアです。そこから色々な和名を探し、「いなほ」という名前にたどり着きました。
稲の穂の粒ひとつひとつが自分たちであると考え、「どんどん大きく実っていくぞ」という気持ちを持ち続けようという意気込みました。さらに、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざがあるように、自分たちも大きく実っても驕らないようにしていこうという気持ちも込められています。

また、理念のひとつにもあるように、私には若手の子たちに活躍してほしいという思いが強くあります。ベテランの人がキャリアを持って活躍するのは当たり前かと思いますが、そういう世界ではなく、若い子たちがインスピレーションを持って活躍していく場にしたくて、そういった理由からコーポレートカラーは「若さ」のイメージを表せるように若草色にしました。

─若手の育成に非常に注力されているかと思いますが、そんな若手の活躍どういったときに実感されますか?
山根氏:ディレクターが先導して業務に当たっていくという形ではあるんですけど、そんな中でなにもオーダーしてないのに、自発的に「これやっときましたよ」、「これって必要ですよね」みたいなところを自分たちで考えて準備してくれたり、進めておいてくれたりですかね。
ディレクターが気づかなかったところに気づいて自分からやってくれたり、社内プロジェクトとして自分たちで何か発信してくれるなどといったようなことがあると、とても幸せです。

関わる人すべてを豊かさを届ける会社へ

─山根社長のやりがいは何ですか?
山根氏:恐らくこれから実感していくことが多いかと思いますが、弊社のスタッフが豊かになっていくということが一番やりがいを感じる瞬間です。
ただ無条件に豊かになってほしいというよりは、努力した先に豊かさを掴んでもらいたいなという思いが強くあります。その瞬間を見るのがすごく好きなんですよね
もちろん金銭的にもそうなんですけど、技術的にもやってきたことへの満足度みたいなところも含めて、豊かになっていく姿を見ることに大きなやりがいを感じています。

─いなほの強みはなんでしょうか?
「型にはまらない」というか、「こういう型があるからここにはめて、こういう映像作りますよ」ということをあまりしたくないと思っています。
お客様それぞれに作りたい映像があるはずなので、既存の型にはめないように気を付けています。「自分たちがこうだからこうしよう」という自分本位な進め方ではなく、「お客様が表現したいものはこれだからこういう表現にしよう」といったお客様それぞれの想いに寄り添う意識をもって映像作るようにしてます。
そういったこともあって量を沢山作ることはできないのですが、それよりも出来上がった時に「あ、こんな風になったんだ。よかったな。」と満足していただけるように、ひとつひとつ心を込めて制作しております。

─社会にとってどういった存在でありたいかなどといったお考えはございますか?
うちの映像を見たらホッとするよね、と思っていただけたらと思います。
色々な変化が起こっているこの時代に、心に安らぎを与えられるような存在になっていけるといいなとは思いますね。

─今後の目標をお聞かせください。
最終目標は自分たちの劇場アニメ、劇場映画を作ることです。
それらをずっと作り続けることで、みんなが豊かになっていけばいいなと思います。
『みんな』というのは、社内・内部の人はもちろんですし、私たちの映像を見た方々の心も豊かになっていくような、そんな映像づくりができるようになっていきたいです。

─最後に読者へのメッセージは何かありますか?
何かあった時に思い出していただける会社になりたいと思っています。
何かをしたいときにはいなほを思い出していただいて、我々が力になれることがあれば、ご一緒していきたいなと思いますので宜しくお願い致します

株式会社いなほの住所や電話番号、採用・求人等が載っているホームページはこちらから↓

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