株式会社きさいや

宇都宮 康夫

人が活き活きするためのセキュリティを構築する

老人ホームから地域を活性化する仕組みを作り、社会貢献
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株式会社きさいや 社長 宇都宮 康夫氏のONLY STORY

自分の正しいと思う道を求めて起業した生体認証の専門家


映像とセキュリティを融合した技術を基盤に事業を展開したうえで、そこから先、日本の行く末を見すえた展望を掲げる会社がある。宇都宮康夫社長は、60歳にして前職を辞め、自身の経験から得た知見をもとに会社を立ち上げ、最終的には社会貢献を目指しているという。
まずは、株式会社きさいや起業にいたるまでの思いをうかがった。

もともとは日立系列の会社で生体認証技術を専門としていたという宇都宮社長。指紋や顔、静脈などを登録することでセキュリティを実施する技術だ。銀行のATMなどでお馴染みだが、こうした技術を長く専門としてきた社長が前職を辞めた経緯は。

「前職は大手企業だったため制約があり、自分のしたいことはなかなかできませんでした。その中でも僕は反骨精神があり、当時のトップに直談判して開発費を認可してもらったような人間なので、自分で考えたことを新しくやりたいと思っていたんです。」

現在は、人より目立ちたくないといった風潮があり、目立つことがいじめにつながることも多いが、社長は「人と違うことを必ずやれ」と自分の子どもたちに教えてきたという。
少しでも人と違うと目の敵にされるが、そうしたことをおかしいと言える事が重要だと。
社長が周りに迎合せず、正しいことはやるべきだという感覚で仕事してきた結果が、起業だったというわけだ。最近では、年金機構のデータ流出が問題となるなど、セキュリティについての報道もかまびすしいが、マイナンバー制度の実施も目前となり、さらにいっそう注目される分野になっている。
しかし実際、個々人がそれぞれのセキュリティにちゃんと目を向けているだろうか。
間近にあるセキュリティの危険性を感じられていないのではないか。社長はそんな警告を発している。

「基本的な対策についてセミナーを行ったりしますが、なかなか実施されないのは、危機感がないから。セキュリティに、規模の大小は関係ありません、必ず守らないといけないものです。
会社であれば、入り口のドアや、インターネットにつながっているパソコン。そこを守らないと、関係者以外が自由に出入りしてしまいます。そのために、生体認証のセキュリティや監視カメラを使って事業を展開しているのです。」


レガシーなローテク装置を使って最新のIT技術を提供  


生体認証技術を応用した機器と監視カメラに加えて、デジタルサイレージなどにも事業展開している。

だが、今もっとも社長が推進したい事業は、こうした基礎技術をもとした次世代ナースコールシステム。病院や老人ホーム、デイサービスなどに設置されているナースコールを、ITの力で安価にし、高齢者にも施設経営者にも使いやすくしようというものだ。
従来のナースコールシステムを設備として設置すると1000万円以上かかる。加えて、工事の人件費。これでは、老人ホームを立ち上げようとしても、設備費が負担になる。

しかし、ナースコールをITの力でできるようにすれば、負担はゼロ。それが最初の発端だという。
そもそもは、社長のご母堂が現在介護サービス付き有料老人ホームにおられ、そこからいろいろな実態が見えてきたのがきっかけ。
部屋の中のリモコンの利用方法ですらままならない入居者の生活を何とか改善したいと考えているうちに、いろいろなアイディアが浮かんできたのだ。


「うちの母は、テレビ、室内灯、エアコンといったリモコンを使いこなせません。多くの人は、使いたいと思ったリモコンが使えず、思うようにならず助けを求めます。たったそれだけのことでも、ホーム管理者の仕事は増加します。それを解消するために、複数のリモコンの機能をひとつに入れられる学習リモコンを使ったらいいと思ったんです。
テレビのリモコンについている赤・青・黄色のボタンのうちで、赤ボタンが『助けて』だと教えれば、認知症の人でも何となくわかりますよね。
一番いいのは、子どものころから見慣れているテレビの受像機を使うということ。なじみのないものには拒否反応を示すんですが、テレビであれば大丈夫なんですよ。」

先ほどの話に戻れば、ナースコールというのは結局、自分が困ったときに使うものだ。ナースコールを押すのに躊躇する入居者もいるが、テレビの赤ボタンならわかりやすい。
反対に、リモコンが使えずにナースコールを押すこともなくなる。センター運営者の呼ばれる回数も減るうえに、安価ですむ。現在は、ものづくり補助金の申請が採択され、事業を推し進めようとしているところだという。

社長の発想はそれだけにはとどまらない。
利用者の部屋に電話がない実体に疑問をなげかけ、IP電話を利用した家族と簡単にコミュニケーションをとることができる機能を提案。

現在、ホーム管理者からの発信は、インターホンをかけるか、実際に行くかしか手段がない。テレビにテロップ(文字)で伝えたい情報を流す。スケジュールを組み自動的に配信する。従来の作業量と比較するととても楽になる。情報を見てもわからなければ赤ボタン、わかれば青ボタンと決めておけば、わからない人だけをサポートすればよいのだ。

「実際、他の企業ではテレビを使ってそういうことをやろうという発想になっていませんが、これは映像屋の技術としてはたいしたことはありません。簡単にできるんです。これは老人ホームに限ったことではなくて、さまざまなところで応用可能です。双方向で発信できますし、パソコンは不要。今のIT機器に慣れていないキーボードをうまく使えない人を、レガシーなローテク装置を使ってハイテク技術でバックアップしてあげるというのが、IT屋としては重要だと思っているんです。」

夢のある仕事をしたい、その一念を持ち続けること  


宇都宮社長の発想はつきないが、今後の展開はどのように考えているのだろうか。

宇都宮社長の夢は、<地方創成>へと向かっている。
「限界集落や破綻しようとしている市町村を立ち直らせるために若者を地方に送りだすというのは机上の空論です。
むしろ、人口が減って困っている市町村に毎年500人が住める老人ホームを建設すれば、10年で5000人。老人ホームに来ると同時に住民票を写してもらえば、自治体としては人が増えますよね。アメリカではそれをCCRCと言います。>北部から南部に移住してきた老人が楽園都市を作り上げて、そこには向学意識がある老人が多いんです。その、日本版CCRCを目指して老人ホームを作ろうとしているわけです。」

新しい事業を始めるときにはまずコンセプトありき。夢のある仕事がしたいという社長の言葉はそれを裏づけている。60歳を過ぎて会社を辞めてしまい、家に引きこもるようになったのはもう昔の話だ。

今はそうした時代ではない。みんな元気なうちに大学で勉強したり、ゴルフをしたりともっと楽しもう。それが社長のコンセプトだ。本当に体力がなくなれば、ホームでひと休みすればよい。

老人大国になっているのは日本だけの話ではない。今や、中国や韓国も同じ道をたどっている。
しかし、日本のような手厚い看護ができていないのが実態だ。そこで、日本の技術を身につけるべく養成しようというプロジェクトも現在ベトナムで進行している。
社長は、若いうちに海外に行ってもらいたいという。「危ない目にいろいろあうかもしれないけれど、文化の差を吸収してもらいたいと思います。そして、人と違うことを必ずして、目立ってほしい。目立つことに対する逆風をおかしいと言えるようになってほしいと思っています。自分が正しいと思うことをやっていってほしいのです。」

自身の事業という枠にとらわれない社会貢献を目指す社長ならではの言葉だ。


編集=勝野・山崎

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