株式会社エース・マーチャンダイズ
秋山真哉
POSTED | 2016.08.25 Thu |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:卸売業・小売業 創立:15年以上 決裁者の年齢:その他 商材:BtoC |
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面白い仕事は、女性がつくる!
社長以外、全員女性!「好き」の力でアイデアを生む会社。Topics
株式会社エース・マーチャンダイズ 社長 秋山 真哉氏のONLY STORY
エンタメとの出会い。命をかけた闘病生活。
弊社は、もともとは、スロットマシーンのコインを作る会社でした。創業者は、妻の父。社員は、私と妻の母の2人だけ。それが今では、全員女性社員という会社になりました。この変化には、エンターテイメント業界との出会いと、私の命をかけた経験があります。
大手コンビニチェーンの立て直し店長として全国を奔走していた私は、そんな生活に疲れを感じ、義父の会社に転職しました。小さなワンルームで、コインと向き合う毎日。次第に「自分が活躍する場を作らないと」と焦りを感じるようになったんです。
そんな時に、テレビのバラエティ番組で観たのが、お笑い芸人が劇団四季の舞台に挑戦する姿でした。次の日には劇団四季へ電話をして営業をかけていましたね。「舞台を観て感じた感動を観客に持って帰ってもらうには、グッズを買ってもらうことが一番だ」と直感したんです。グッズ制作のノウハウなんて皆無でしたが、「このチャンスをモノにしたい!」と必死でした。受注してからは、単価を下げるために中国へ飛んで身振り手振りで業者を探し、クライアントから「Webショップを開設したい」と言われれば、短期間で実現しました。まさに死に物狂いで仕事をこなしていきましたね。
そんな中で、人生最大の転機が訪れます。膿胸という病気を患い、二度の瀕死状態を味わったんです。病院の手術室で、いよいよ危ないという状態にまでなりました。その時、ずっとお世話になっていた女性の看護師さんが叫びました。「秋本さん、頑張って!」と。
毎日のように「秋山さん」と声をかけてくれていた方だったんです。なのになぜ、今「秋本さん」なのか。そう思ったら急に意識が戻ったんです。魂が身体に戻った。まさにそんな感じでしたね。
今となっては笑い話ですが、闘病生活を通じて感じたのが、「自分の力では何もできない」という事実でした。自分の力で何も出来なくても、みんなが活躍できる『場をつくる』ということ。そこから会社の方針を大きく変更し、女性会社に目を向け、女性が活躍できる場を創ることで社会に貢献したいと決心したんです。
やりたいことをとことんやる。だから面白い仕事になる。
弊社では、現在販促グッズをメインに取り扱っています。ミュージカルなどのエンターテイメントをテーマにしたもの。東京・横浜に販売ショップを、福岡に子会社を、香港とアメリカのNYに拠点を広げました。劇団四季、東宝、宝塚など、クライアントも増えていますね。
「作品から得た感動のカケラを、冷めぬままに持ち帰ってほしい!」というこだわりを実現させるため、自由な環境の中で、商品企画から制作・販売までをグローバルな視点でトータルコーディネートできる仕組みを構築しています。その根本にあるのが、「やりたいことをやる」という社風です。やはり、「好き」という気持ちには勝てないと思うんですね。
例えば、弊社にはバービー人形が大好きな社員がいますので、ライセンス契約をとり事業をスタートしました。彼女が提案をしているのが、「大人バービー」というブランド展開です。クライアントがターゲットにしている若者世代ではなく、本来のコアなバービーファン世代を狙った提案です。こういう提案ができるのは、本当にバービーが好きだからこそなんですよね。私は、お金になるかどうかわからなくても、彼女たちを信じます。
もちろん私も、私自身が好きなことを切り口に仕事をしています。私は野球が好きなので、最近「おそ松さん」と「侍ジャパン」のコラボレーション商品を仕掛けました。こうした働き方は、特に大きな会社では絶対にできないことでしょうね。
女性の様々な幸せのカタチに答える雇用を構築。
日本のエンターテイメント業界では、施設の老朽化や東京オリンピックの影響で、多くの劇場やホールが閉鎖されています。そこで、2020年までは、もうひとつのエンターテイメントであるスポーツ業界、特に野球業界に斬り込んでいきたいですね。2020年以降は、本業であるエンターテイメント業界に戻ってきたいと思っています。
会社としては、今後は女性の様々な幸せのカタチに対応できる労働環境を整えていきたいです。子育てをしながらフルタイムで働きたい人、産休をとって時短勤務したい人、自宅で仕事を受けたい人。女性には、色んな幸せのカタチがあると思うんですね。
今後、日本の働き方は、終身雇用から複数雇用(1人の人材が複数の企業で働くこと)へと変わって行くと思います。その時、2つのことを同時に処理できる女性は、業界をまたいで実力を発揮できると思うんです。今はたまたまうちの会社に所属している優秀な人材が、世界中に拡散して、グローバルな視点でうちの仕事をしてくれる。そんな働き方を実現できたらと思いますね。