株式会社アレコアグループ

吉野 翼

ダンサーだからこそできる独自の形で社会・地域へ貢献

今後目指すは、やりたいことをやり続けられる環境作り
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株式会社アレコアグループは、ダンス関連事業を行う「C-crew」をはじめとする、【AC-S(店舗運営部門)】ダンススタジオ/美容室/ネイルサロン/飲食店/アパレルプリントショップなどを展開している。

その他にも、関連事業を活かし、【AC-E(イベント部門)】【AC-C(キャスティング部門)】にて事業拡大をしている。

株式会社アレコアグループの始まりに関わるダンスとの出会いや事業に込めた想い、さらに今後の目標・夢までを代表を務める吉野氏に伺った。

株式会社アレコアグループ 社長 吉野 翼氏のONLYSTORY

ダンスを通して手に入れた仲間と価値観


まず、株式会社アレコアグループの事業の軸にある『ダンス』と吉野氏との出会いについて伺っていく。

吉野氏がダンスを始めたのは高校1年生の時。ストリートで格好よく踊る先輩に魅かれ、仲間に加わった。日々、仲間と集まりたい時に集まってダンスをするのが楽しかったと振り返る。

一方で、ダンス仲間は地元の年上の先輩が多く、同じ高校の同級生の友人とはあまり交友関係を持っていなかった。高校2年生になり、親しい高校の同級生が退学していく中で、自分自身も学校を辞めようと思った時、尊敬する父の言葉で退学を踏みとどまる。

「『どうせ辞めるんだったら、思いきり好きなダンスをしてから辞めなよ』と父が言ってくれたので、文化祭でダンスを披露しました。すると、それを見た同級生や後輩たちから声を掛けられたりして、周りに友人ができていった。そして、いつの間にか高校を辞める気なんて無くなっていました。今思えば、父はそうなるところまで考えて言葉をかけてくれたのだと思いますね。

そんな父は、もう1つ助言をくれました。卒業したら、大学に進学して、感性の近い仲間を作り、また思いきりやりたいことをやればいい、と。」

高校を卒業後、福祉関連の大学へ進学。父の言葉を受けて考えた末、吉野氏は“ダンスで青春の素晴らしさを伝えること”を大学生活のテーマに決める。次第に共感してくれる仲間が増えて、数人しかいなかったダンスサークルも70人を超える程に。日々楽しくて、ダンスサークルに没頭する学生生活になった。

その一方で、次第にダンスへの考え方も変化をしていったという。

「最初は、メンバーと踊っている日々を純粋に楽しんでいました。しかし、イベントへの出演をはじめ活動の幅が広がってくると、良くも悪くも周囲から“評価”をされるようになってきたんです。その頃から違和感を覚え、自分の中で『ダンス』というものとより深く向き合うきっかけになりました。」

その後、ある出来事を通して、新たなダンスとの向き合い方を見出すことになる。

「大学の授業で行ったキャンプの最終日前夜、キャンプファイヤーの時にトーチを使ったダンス発表役を務めました。仲間と必死に練習した後に、火を囲みながら皆の前で披露するのですが、それが本当に気持ちよくて。披露した後は、皆で感動して泣いていたのを覚えています。

“やっぱりダンスってこうだよね!上手い、下手じゃない。ダンスでしか得られない感動をたくさんの人に伝えたい。”

そう感じた僕は、それまでのダンサーとして自分が踊る立場から一歩引いて、ダンスによって得られる感動を提供する側になりたいと思うようになりました。

それからは地元のお祭りに参加したり、ダンスのイベントを開催したりするようになったのですが、老人ホームで高齢者の方と子供たちが一緒に踊れるイベントを開いた時のことはとても印象に残っていますね。高齢者の方でも見やすい動きや喜んでもらえるような音楽を取り入れるような工夫をすると、みなさん泣いて喜んでくれたのです。

ダンスというものが、“自分のためにやるもの”から“誰かのためのもの・誰かを喜ばせるもの”に変わった瞬間でした。」


ダンサーの生活や人生を豊かにするために、次々と事業立上


大学卒業後は、先生という立場から学生の青春生活をサポートしたいと思い、大学教授を目指して大学院を受験。しかし、大学の仲間と過ごした経験則から、教育に携わるなら幼児教育を学びたいという想いもあり、大学院への進学を取り止め、福祉の関連会社に介護士として入社した。

その後、介護士として働く傍ら、学生時代のダンスサークルの顧問の元で “一般財団法人日本キッズコーチング協会”の設立に携わる。コーチング技法を使った子どもの指導方法を活かし、キッズコーチングを指導法としたダンス教室を開校した。

「ダンスの練習と発表を通して設定した目標に対してやりぬき、“誰かを幸せにできる”という感動を仲間と共有する体験を子どもたちに感じて欲しかったんです。そうした経験を重ねた子ども達は、きっとダンスを通して『夢をつかむための生きる力』を育むことができると思っています。」

その想いは、現在のLove Dance Studio Treesの運営に注がれている。

それから子どもの教育の仕事に専念しようと1年で退職した吉野氏は、ダンスを通して子どもたちのために何かをしたいという気持ちは常に持っていたという。合間を見つけては、子どもの教育に関連した勉強会やセミナーにも参加。自然や地球などの環境に負担をかけず、子どもにもやさしい商品の企画・開発、マーケティングに携わった。経営のセミナーや啓発セミナーにも参加し、ビジネスと向き合う事が多くなっていった。

そのような中、ふと、今していることが子どもたちのためになっているのか?自分は一体何をしたいのか?と、自分を見失ってしまう時期があった。子どもたちのために、という想いの強さが迷いを生じさせたのかもしれない。

「気持ちをリセットするために、当時携わっていた仕事も環境も変えて、地元の老人ホームでまた介護士の仕事を始めました。そのホームでのイベントを企画したり、地元の仲間に会って話をしたりするうちに自分自身と向き合うことが多くなってきて…。


そのような中、老人ホームで子どもたちがソーラン節を踊るイベントについて相談されることがありました。正直、その時はダンスをしていたこと自体を隠しておきたかったのですが、引き受けることになりました。」

それがきっかけで保護者と子ども達の声もあり、定期的に公民館などで子ども達を対象にしたダンスレッスンを行うようになると、吉野氏の気持ちにも変化が表れ始める。


「『やっぱりダンスっていいな。』

そう感じるようになって、もう一度仕事として、『ダンス』ととことん向き合っていこうと決めました。

『ダンスを通して、仲間との感動共有体験を。夢をつかむための生きる力を。』

改めて、そのような想いがはっきりと腑に落ちて、ダンスを通して自分のやるべきことが見えた瞬間でもありましたね。」


その後、地元でダンス仲間を募り、仲間と共にダンス教室を開校した吉野氏は、本格的にビジネスとしてダンスと向き合い始める。ダンスのイベントやハロウィンパーティーをはじめとした地元の子どもたちのための活動に注力した。

社会と向き合い、ダンスを仕事にするための環境を整えてくという想いと活動は、 現在の“C-crew”につながっている。

そうした広がりが見える一方で、ダンサーが置かれる厳しい現実にも直面した。そのことが、株式会社アレコアグループ立ち上げの経緯に深く関わっている。

「ダンスの仕事というのは不安定で、ダンスを続けたくても経済的な理由で止めざるを得ないという仲間がたくさんいたのです。そこで、副業的に働けて、仲間が集える飲食店を自ら開業しました。ダンスに関わる事業でも企業や団体への営業を始め、日本武道館で行われる美容関連のイベントのオープニングの演出の依頼を請けるまでになりました。

そのような活動を続けていると、イベント等でヘアメイクを行っている方々もダンサーと似たような悩みを抱えていることを知りました。そこで、その解決のために美容室やネイルサロンも開業。経理や事務の処理も増えていったので、事務員も雇いました。テレビ出演やCMのバックダンサーの依頼も増え、キャスティング事業を起ち上げ、大手企業との取引も増えていくにあたって、株式会社化したという経緯ですね。」

ここまでお話を伺うと、一見すると多様な事業を展開する株式会社アレコアグループの真の姿が顔を出してくる。

株式会社アレコアグループとは多様な事業を展開するために立ち上げた会社ではなく、ダンスを通して仲間が増え続けていく中で発生する課題を解決していく過程で必然的に生まれた会社だったのだ。

「 今一番嬉しいのは、メンバー自らが自らの企画を実行できた時。メンバーの活き活きとした姿を見るのが楽しいし、嬉しいのです。

僕としては、まずは身近な人の幸せ感を大切に最優先に考え、その先で共感してくれる人が増えれば、さらに笑顔の輪も広がる。そんなイメージを胸に、事業やメンバーと向き合っています。」

ダンサーだからこそできる独自の形で社会・地域へ貢献


吉野氏がダンスを仕事にしたときから胸に誓うミッションは、一言で言うと『ダンスで社会的課題を解決すること』。まずは、そのミッションを吉野氏らにとって最も身近な土地である地元・鶴ヶ島において実現していこうと、今メンバーは足並みを揃える。

「これまでに多くの事業・イベントに携わってきましたが、印象に残っているものの1つに鶴ヶ島で行われたイベント『つるがしま水かけまつり』があります。

このイベント開催の背景としては、ミャンマーを応援するホストタウンになった鶴ヶ島が何をすべきか悩んでいたことがありました。そこに対して、僕たちはダンサー・イベンターとして何ができるか考えた。そして、提案をしたのが鶴ヶ島やミャンマーの古き良き文化と自分たちのダンスを掛け合わせた“SPLASH FESTIVAL in TSURUGASHIMA”。

というのも、鶴ヶ島には『脚折雨乞』という国選択無形民俗文化財、市指定無形文化財に選ばれた祭事・行事があります。これは、長い龍神をみんなで担いで湖に沈めるというお祭りで雨乞いの意味が込められています。一方で、ミャンマーの祭事・行事を調べてみると、『水かけ祭り(ダジャン)』があるということを知りました。そこで、それぞれの国や町の文化を大切にしながら互いの親近感を生み出すきっかけになればと『つるがしま水かけまつり』を鶴ヶ島の行政とともに企画、開催しました。

そこに対して、僕たちはダンスと音楽という手段を通してエンターテインメント性をプラス。性別、世代、国籍を問わず、楽しめるイベントへと作り上げたことで、関わってきた地元のイベントの中でももっとも多くの笑顔が見られたものになりましたね。」

文化への尊厳を保ちつつも斬新な発想を活かして企画した『つるがしま水かけまつり』は成功に終わったのだが、その開催までの道のりは簡単なものではなかった。

「歴史ある伝統文化というものは、それを代々受け継いで来られた方々がいて、それを後世に伝えようとして集まった保存会の方々がいます。そのような方々にとって、当初は伝統文化にエンターテインメント性を掛け合わせるということが受け入れていただけないこともありました。

一方で、僕たちとしては文化自体への想いは大切にしつつも、残し、伝えていくためには時代によってスタイルを変えていくべきであるという考えも持っていました。そこで、僕たちの想いや実績を伝え、イメージを共有できるまで力を尽くしました。

結果的には、行政から街全体をも巻き込む事が出来て、ダンスを中心とした演出が多方面から評価され、感謝の声をいただくことで、ダンスの社会的価値を向上させることができたと確信しました。」


今後の展開を伺うと、事業のさらなる多様な展開が見えてきた。「関わる人全てがやりたいことを実行でき、やり続けられる環境づくり」をテーマに、主婦やインストラクター業の方達へ向けたダブルワークの推進に携わっていくという。

「例えば小さな子どもを持つインストラクターが本業と両立してさらに収入を得られるというような、ダブルワークスタイルを推進していこうと考えています。そのために、子どもへの教育、自分の時間、安定した収入を1つの場所で実現できる環境を整えようと進めているんです。」

現在、吉野氏らはサテライトオフィスを中心とした事業内託児のこども園の創設や、リズム教育、自然体験の教育、STEAM教育を行える教育環境の提供などを計画中。そのような教育が受けられるスペースと同じフロアの中に、ワークショップスペースやステージを併設した屋外テラス、打合せスペースやお惣菜をテイクアウト出来るようなカフェスペースを併設するなど、主婦が子どもを預けながら安心して働けるような空間設計の構想を深めている。

吉野氏率いる株式会社アレコアグループの挑戦は、依然としてとどまることを知らない。

いつでも目指す姿を確かめられる、唯一無二の言葉


最後に、吉野氏が仕事や人生において大切にしていることを伺うと、ある言葉が書かれた画面を見せてくださった。

「僕の憧れや目指す姿を表してくれている言葉があるんです。


(出典:https://www.holstee.com/

日本語に訳すと、このようになります。
この言葉の感性には憧れを感じますし、無意識に惹かれますね。


僕は、自分をいたって普通の人間だと思っています。そのため、特別な感性は持ち合せていないので、この言葉を生み出せるような生き方をしている人に憧れるのです。やはり、好きなことに没頭している人間、信念を携えている人間が一番格好いいですよね。

僕の場合、考えが偏りがちになる時にこの言葉を思い返すことで、改めて自分と向き合えたり行いを振り返ったりできるようになりました。常に心の何処かに置いておいて、いつか立ち返る場面があったり、そこからまた教わることがあったり。あるいは、必要だと感じた時に思い出したりする“心のお守り”のような言葉なんです。」

現在では、目標やビジョンを共にするメンバーともこの言葉を共有しているという。

「メンバーにとっても、チャレンジする時の心の支えや視野を広げるきっかけ、悩みから抜け出すきっかけにつながってくれればと思い、そっとこの言葉を伝えています。

『もっとやりたいことをやってみようよ!いつも僕は応援しているよ!』という想いを伝えたい時には一番いい言葉なんです。逆に言うと、僕からはこの言葉を伝えるだけです。その上で、選択や行動をするのは本人ですからね。

ただ、僕がこの言葉に教わり、気づかされ、救われたように、メンバーにも何かいい影響があればいいなと思っています。」

まさに、身近にいる人の幸せを最優先に考える吉野氏らしさが伺える言葉である。



取材=山崎・伊東
執筆=佐久間
編集=山崎

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