岩田 雄介

約300人ものタレントを抱える一方で、
約100社のタレント事務所へのキャスティング管理も手掛ける。
さらにはCMや映画制作などのクリエイティブ事業、
最近では音楽制作まで手掛ける幅広い事業を展開している会社。
それは新宿の一角に事務所を構えるアイリンク株式会社だ。

「周りの人がみんな幸せになってくれれば、それで僕は幸せなんです。」

そう語るのはアイリンク株式会社　代表取締役の岩田雄介。
自身が俳優として、仲間と共に映画を制作した際に
『自分が一緒に仕事をしたいと思った人と仕事ができる幸せ』を感じ、
何よりも仲間が現場に繋がりキャスティングから制作や事務所、
タレントに感謝される喜びがきっかけで起業した岩田社長。

ここで起業について詳しくお話を伺った。
今はそのような印象を受けないが、岩田社長は元々シャイな性格だったそうだ。
そのため学生の頃は自身が表に出ない画家として活動。
しかし18歳の時、映画評論家の水野晴郎氏との出会いで俳優を始めてからは、
芸能界に携わる人生へとシフトチェンジしていった。

関西を基盤として俳優業を展開して数年がたち、
地元の静岡で中学校の美術教師を務め、休日を使用し映画制作を行う。
この作品から教師を辞めて上京することになる。

教師を辞める意見に周りから反対されることもあったそうだが,

「このまま過ごせば安定した人生をおくれるだろう。
どれだけ幸せな人生を生きても老いて亡くなる時に、今の自分は後悔する。
人生は一度きりなので絶対に後悔する人生をすごしたくない」

その想いから上京を決意することができたのだという。

ここで岩田社長から若者へのメッセージを頂いた。

「人生に成功だけしかないのだとしたら、それはきっと面白い人生ではないと思うんです。
失敗に比例して些細な喜びが、より幸せに感じられるようになります。
多くの失敗を経験した人ほど、乗り越えたときの幸せの感度は高まります。」

後悔しない人生を送ることを心がけているという岩田社長。
そこには、何かをやろうとすれば必ず失敗もある。
過去の大きな壁は今の自分には笑いごとである。

今の壁は何年後、何十年後の自分にはきっと笑ごとになっているはずだと語る。
いつか笑いごとになるのだから、今の目の前にある壁は、くよくよせず、目を反らさず、乗り越えていくこと。
乗り越えたと思ったらまたそこに大きな壁があるんですけどね（笑
いつか光の空間がある事を夢見て目の前の壁を越えて続けて行く事が僕の人生です。

これはきっと誰もが知っていて、どこかで誰もが思っていることである。
しかし、日常の中で失敗に対してこんなにもプラスの思考の意味づけをできる人は果たして何人いるだろうか。

今回のインタビューはとても面白いものだった。
それは、岩田社長の人柄の良さが一番の理由だろう。
「こんなにも人を魅了させることができる人がいるのだ」と知った。

そんな岩田社長へ職業柄、“緊張”について尋ねてみた。

すると、「緊張することは当たり前だから、緊張しないようにするのではなく、
緊張する自分を受け入れた上でどうずれば緊張が表に出ないかを考えれば良い。
緊張していても見せなければ他の人から見れば緊張していないと見える。
僕がシャイでもあなたから見ればシャイに見えないようにね」というアドバイスを頂いた。

これは俳優をしていた岩田社長ならではの対処法であると感じた。
私自身あがり症なため、この言葉はとても心強いものとなった。
これからは、緊張してしまい、尻込みしてきたことにも強気で挑んでいこうと思った。