株式会社プラン・ドゥ
杉山 浩一
POSTED | 2016.01.18 Mon |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:建築・不動産 創立:15年以上 決裁者の年齢:その他 商材:BtoC |
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古い社員寮が、活気あふれるシェアハウスに変身
中古物件を生き返らせる会社Topics
株式会社プラン・ドゥ 社長 杉山 浩一氏のONLY STORY
不動産に魅せられ36歳で独立
株式会社プラン・ドゥは、使われなくなってしまった中古物件を引き受け、新しい形に生まれ変わらせる住宅のプロ集団だ。
使われなくなってしまった物件というのは、例えば人から譲り受けても管理しきれなかった物件や、税金がかかるのを恐れて放置した物件等である。
また、個人だけでなく、企業でも古びた社宅などを持て余し、有効活用できずにいるケースが多々ある。
データとしても出ていて、現在日本の抱える空き家率は、総住宅数に対して13.5%(平成25年、総務省発表)と言われ、この数字はどんどん増加しているのだ。
このような状況の中、杉山浩一社長は同社を立ち上げた。そもそも不動産会社を始めたきっかけとは何だったのだろうか。
「最初はクレジットカード会社に興味がありました。でも、そこでは独立するための力がつくイメージができなくて。そんな時目に留まったのが、不動産会社に融資するプロジェクトファイナンスを扱う会社です。そこで不動産の勉強を始めたら面白くて、とうとう会社を興しました。不動産の魅力とは、何億、何十億という大きな金額の下で様々な人の思惑が交差すること。そして、毎回条件の異なる大きな“作品”を作り出すことですね。
不動産に携わっていく中で「不動産融資」をみる機会があったことです。人がやっているのをみて、自分だったら上手くいくのにと感じ、『だったら自分でやった方がいいよな』と思ったのが今の業界立ち上げのきっかけです。
もともと学生の頃から独立志向が強く、30歳までには独立したかったので36歳での決断は遅すぎるほどでしたね。」
都心+1時間以内でいける物件しか扱わない戦略
プラン・ドゥの仕事は、一言でいうと「中古マンション1棟分の循環型ワンストップサービス業」だと杉山社長は語る。
つまり、古くなったマンションを購入し、リフォーム、リノベーションを施した後、入居者に入ってもらう。
家賃収入が出来たところで、このマンションを棟ごと富裕層の顧客に売却し、その後、建物の維持と入居者の賃貸管理を同社が行う。
将来的にオーナーがマンションを手放したくなった際には、その売却の手伝いまでもするサービスだ。
もちろんこの工程のうちの、どれか一つだけでも依頼することができる。このようにオールインワンで顧客に関わるのは、業界的には珍しいという。
また、もう一つの事業として、企業の古くなった独身寮を購入し、シェアハウスに改装・運営する事業も行っている。物件の改装だけでなく、運営までも行っているのは同社ならではだろう。
仲介業者でもあり、コンサルティング会社でもあり、管理会社でもあるのがプラン・ドゥの特徴だ。
ただ、不動産業界で生き残るのは難しい。そこで杉山社長に同社の戦略を教えていただいた。
「ニッチな分野で一番になるのが、現状を生き抜くコツです。扱う物件の条件として、都心+1時間までの立地内で、鉄筋コンクリートの中古住宅というのは譲らない。我が社はこの狭い範囲内でのナンバーワンを狙っています。狭いからこそ既存の枠を超えた、色々なサービスやアイディアも出る。うちのそういう得意技を知った業者さんから仕事も回ってくる。大事なのは、どこまでこだわって明確なターゲットを持つかに尽きると思います。」
そう語る杉山社長の頭の中は、次のステップに向けての明確なビジョンがすでに描かれている。
業界の「リッツカールトン」を目指して
「今後のプランとしては、社内で同じこだわりや価値観を持った社員を100人まで増やすことです。
といのも、今まで外注していた仕事をワンストップにするには、最低100人が必要だと思っています。物件では、5万戸の管理を目指していきます。」
杉山社長の目指すゴールは、即戦力と管理物件の増加だけにとどまらない。
数字の先にあるもの、それは他社にはない独自の理想像だという。
「なぜあれだけリッツカールトンへの宿泊リピート率が高いのか。それは単に、建物や施設の立派さだけが理由ではないと思います。やっぱりそこで働いている人たちの、笑顔やおもてなしなどの素晴らしさが必ずリピートにつながっているんですね。」
それと同じで、うちが管理している物件だからこそ住みたいとお客さんに言ってもらうには、建物のデザインやおしゃれさは二の次なんです。
その前に、人間としてのホスピタリティや、ここまでやってくれるのかと思わせるような丁寧なサービス、そういう人間力がこれからの世の中差を付けていくと思います。
というのも今後人口が減ることで、さらに業界の競争が激しくなることが予想されるからです。
今後はどうやって人間的な関わりを深めていくかがテーマですね。
お客様に対して、安全、安心、快適、楽しいといったことを伝えられる力、それを培うための人材育成や社内教育を、採用を含めてもう一度見つめ直して行きたいですね。」
人同士の交流を深める場として、今後、外国人と日本人のためのシェアハウス、ご老人と若い人のためのシェアハウス作りにも強い関心を抱く杉山社長。
この柔軟さと実行力が、同社をステップアップさせる起爆剤となることを信じてやまない。