株式会社NFL
川辺 友之
POSTED | 2014.05.30 Fri |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:製造業 創立:15年以上 決裁者の年齢:50代 商材:BtoC |
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日本のものつくり文化を廃らせてはならない!!
日本で唯一自社製造工場を持つ、フォーマルスーツの専門店Topics
株式会社NFL 社長 川辺 友之のONLY STORY
製造から販売までをオールインワンで
紳士服の製造工場を持ち、日々紳士服の製造から販売までをワンストップで行っている会社がある。商品になる紳士服は一日でたったの10着だけ。タキシード、燕尾服、モーニングコートといった、フォーマルスーツを専門に、製造から販売までを全て一社で行っているそうだ。そのような、現代の日本では非常にめずらしい業態でビジネスの展開をしているのが、株式会社NFLだ。
株式会社NFLの代表である川辺社長は、元々大手スーツメーカーを経営する家庭に生まれた。川辺社長の父親は先代から家業を引き継ぐと、薄利多売の戦略で一時期は日本で2番目に大きな紳士服製造会社となった。
しかし製造に重点を置きすぎたことが原因で、粗利が伸びず、事業は製造から小売業へとシフトしたそうだ。その後先代から家業を引き継いだ川辺社長が、もう一度紳士服の製造も自社で行いたいと独立、起業をしたことが、株式会社NFLの始まりである。このような川辺社長の行動に対して、当時は周囲から猛反発があったと川辺社長は語る。
「自社工場を持って会社を建てると言ったとき、父親を始めとする周囲の関係者からは猛烈に反対をされました。今では日本国内にある紳士服の縫製工場は九州、東北にわずかに残るのみで、それ以外のものは全て海外で作られています。そのような時代に逆境するかのごとく、NFLでは自社工場を持つことに決めたのです。
しかしそれが結果的に功を奏して、事業は10年目を迎えて、今では大阪、東京合わせて、直営店を4店舗も展開することができています」
日本のものづくり文化を紳士服で継承する
とはいえ、自社工場を持つには、莫大な費用がかかる。それにも関わらず、なぜ自社工場という形態にしたのか。
「実は今の日本のスーツの8割は中国製で、日本製のものは1割しかないんです。特に大手企業では海外で大量生産された商品ばかりを輸入するので、目の前にあるスーツは誰が作ったものなのか全く分からないような状況なんです。
私は日本のものつくりの文化に誇りを持っていて、だからこそ、日本のものづくりの文化が廃れていくのが耐えられなかった。それに加えて、日本にはまだまだ職人になりたい若者がたくさんいます。そういう若者が働ける場所をつくり、技術を伝承するのが自分の使命だと感じています。
そうやって作られた日本のスーツを海外に輸出して、それを海外の人が憧れて買ってくれるのは嬉しいことですね。とにかく自分は、日本のものつくりの文化を大切にしていきたいんです」
取材を通して、日本のものつくりにかける川辺社長の熱い想いが伝わってきた。
新規開拓からリピート客獲得への方向転換
今や年間3億5千万円もの売上を起こるNFLだが、設立当初は中々売上があがらなかったと川辺社長は言う。
「当初はネットショップを展開して、アクセスを集めるために広告ばかりにお金をつぎ込んでいました。しかし中々うまくいかなかったんです。
あるとき、経営者の集まる勉強会に参加して、経営を学ぶ機会がありました。そこで出会ったのがランチェスター経営です。そこで始めてリピート客を増やすことの大切さを学びました。それから自社ブログ、フリーペーパー、手紙、イベントと徐々にファンを増やす取り組みを行い、それによって、元々5%しかなかったリピート率を、4~5倍にまで増やすことができました」
このようにファンづくりの仕組み化を行うことで、NFLでは現在広告費を使うことがほとんどないそうだ。
スタッフ全員の幸せを実現する
製造から販売までを全て一社で行っていることもあり、NFLの業務は多岐にわたっている。紳士服の製作、販売、梱包、管理、広報、サービス提供など、NFLではこれらの仕事に対して、スタッフを適材適所に配置して社内の活性化を測っている。
スタッフの中には、過去にショップの販売店員をしていたが、希望して製造スタッフになったものもいると言う。
「私たちは家族を幸せにするために仕事をしています。そのため、スタッフには常に仕事をしている意味を自分自身に問いかけさせ、家族を大切にすることを優先してもらっています」
服好きの人が、自分の好きなことを仕事にしていけるように、NFLでは人が成長できる環境の整備に力を入れている。
「スタッフには自分で考えて、自分で行動をしてほしいです。自分の意見を持ち、それを他人にも言えようになり、そうして主体的に動くことで、自分をどんどん成長させていってほしいです。なのでNFLでは、スタッフ1人1人の意見を尊重し、成長できるような環境作りに力をいれています」
従業員 塩見 由之さんの声
塩見 由之さん
2年目
「私は、接客をメインに仕事をしています。元々服飾系の専門学校に通っており、メンズの服に関する仕事がしたくてNFLに入社しました。服の会社を選ぶにあたって、フォーマルに特化した会社は例が少なく、製造から販売まで経験ができる環境が整っていることには特に惹かれました。
今は接客という仕事の中で、普段着で来られたお客さんが、スーツを来てカッコ良くなる瞬間がとても好きです。スーツを着る前まではどこにでもいるおじさんだった人が、スーツを着ることで紳士に変わるんです。スーツ姿の人を見るのが好きな人やおしゃれに服をコーディネートすることが好きな人にとって、これ以上の環境は無いと感じています」
服好きによる、服好きのための仕事が実現できる。そんな環境にやりがいを感じているのがうかがえる。