株式会社Sharing FACTORY
長谷川 祐貴
POSTED | 2019.01.09 Wed |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:製造業 創立:5〜6年 決裁者の年齢:50代 商材:BtoC |
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国内初のモデルで製造業にシェアリングという価値観を
「100年に一度の大変革」を前に、今なにをすべきかTopics
今回は、設備や在庫が企業間で共有できるウェブサービスを展開している、株式会社Sharing FACTORYの長谷川氏にお話を伺います。必要なときにリソースが足りない企業と遊休リソースを持つ企業をマッチングする同社が製造業にもたらす新しい価値観について語っていただきます。
株式会社Sharing FACTORY 代表取締役 長谷川 祐貴氏のONLY STORY
製造業の現場目線でソリューションを
―まずは株式会社Sharing FACTORYが手がけている事業について、お聞かせください。
長谷川氏:弊社は、製造業向けの遊休資産の貸し借り・売買を行う国内初のシェアリングプラットフォームを運営しています。
製造業ですと、設備投資が必要になったり、急に機器を借りなければならなくなった、というような状況がよくあります。
そういった事態に対してこれまでは、中古機械の業者から購入したり、レンタルするのが一般的でした。そこで、私たちは企業と企業を直接結びつけることで、現在は使われていない遊休資産が手に入る仕組みを作ったのです。設備や計測器も、同じ仕組みでシェアリングが行えるサービスになりますね。
―業界の中では、どのような差別化を図っていますか。
長谷川氏:やはり製造業に特化していることですね。この事業はもともと社内ベンチャーとして生まれたもので、母体は製造業の企業なのです。そのため、IT企業から出てきたウェブサービスではなく、自身で経験してきた製造業のノウハウを活かして、これまでにない新しいサービスを作っている点が最大の強みだと思っています。
―御社のサービスに対して、お客様からはどのような声が多いのでしょうか。
長谷川氏:遊休資産の売買の場合は、やはり捨てようと思っていたものや普通に売ると二束三文にしかならないものが想定以上の値段で売れる、あるいは安く買える、という点が好評です。
あとは古い機械ですと、部品を取り替えればすぐに直る故障なのに廃盤になっていて部品が手に入らない、というようなことも起きます。こうした場合に他の誰かが持っているものがすぐ手に入るということに対して、評価をいただいていますね。
―事業に対して大切にしていることを教えてください。
長谷川氏:常に製造業の現場の立場から物事を考えることですね。そもそも、そこにいる人たちの抱える課題について考えて行った時にシェアリングという考えが生まれたのです。
現在は、「100年に一度の大変革」と言われるほどの、製造業にとって大きな変化の時代です。小さな町工場から大きな企業までが、この変化の波にさらされています。そんな時代にも対応していくために、製造業にシェアリングエコノミーという考え方を足していくことで、多くの企業を元気にしていきたいと思っています。
シェアリングという価値観を製造業に
―現在の事業を立ち上げるに至った経緯を教えてください。
長谷川氏:社内ベンチャープロジェクトが公募されていたので、そこに応募したメンバーが集って、段階を経て会社を作ることになりました。
個人的なところでいうと、もともとやっていた事業が撤退することになったのです。これは製造業の世界ではよくあることで、たとえばスマートフォンの時代になってガラケーが作られなくなったりしますよね。そういったタイミングだったので、なにか前向きなことをやっていきたいと思っていたところ、社内ベンチャーの公募を目にして応募した、といった次第です。
―会社のロゴには、どのような思いを込めていますか。
長谷川氏:製造業の世界は閉鎖的なところがあって、いろいろなものを自前で持とうとする傾向にあると思うのです。そこから、シェアリングを通して方企業と企業を繋げて新しい価値観を作っていきたいと思うようになり、工場を繋げる形のロゴにしました。
―起業してから何か思い出深いエピソードはありますか。
長谷川氏:サービスを開始したばかりの時の案件については今でもよく覚えていますね。その案件は遊休資材の売買だったのですが、売り手の企業も買い手の企業も両者が喜んでくれたので、そこが一番嬉しかったですね。
製造業を元気にする企業を目指して
―今後の展望について教えてください。
長谷川氏:まだ設立して日が浅いので、まずは売上、利益、体制の三つを整えていくことが目標です。会社としてきちんと回っていくような基盤を作っていきたいですね。
―長期的な目標はどのようなものでしょうか。
長谷川氏:弊社のサービスががより認知されてより使われていくというのが将来的な目標ですね。この目標の根底にあるのは、製造業を元気にしていきたいという想い。なので、シェアリングというのはあくまでソリューションのひとつに過ぎないと考えているのです。
単純にお金を儲ける、自分たちの利益を上げるということだけではなく、誰かの役に立って、喜んでもらえるビジネスを作っていきたいですね。
こう言うと大げさかもしれないけれど、僕らがやったことによって世の中が変わっていく、このサービスがあったから変わったね、と言ってもらえるようなものを作っていきたいと思います。
―最後に読者に向けてメッセージをお願いいたします。
長谷川氏:国内初の新しいサービスなので、多くの方に知ってもらい、少しでも利用していただきたいと思います。なので、この事業に興味を持ってくださった企業様がいらっしゃいましたら、ご連絡をお待ちしております。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原