株式会社コンシェルジュ
太田 匠吾
POSTED | 2016.09.30 Fri |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:その他 創立:9〜10年 決裁者の年齢:その他 商材:BtoB |
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お客様だけのコンシェルジュ、育てます。
対話エンジン開発で、チャットカスタマーサービスを変える。Topics
株式会社コンシェルジュ 社長 太田 匠吾氏のONLY STORY
特許調査の経験が人工知能の道に。
弊社誕生のきっかけとなったのが、私が2016年に設立した会社での、特許調査の経験でした。
父が弁理士として特許事務所を経営していたことから、私にとって「特許」は常に身近に存在していましたし、起業にあたって抱いていた「海外と日本で一緒にできるサービスを」という軸にそって様々な事業に挑戦した中で、一番思い入れがあるのが「特許」でした。
まだ日本にスタートアップと呼ばれる企業もありませんでしたから、やってみる価値があると感じて設立したんです。
「特許」は、特に製造業、ものづくりを行う企業が、自分たちのアイデアを権利として保護したい時に活用する法制度です。
従来の特許調査では、調査員がデータベースを使って調査を行っていましたが、それでは調査結果は個々の調査スキルに依存せざるを得ません。
それを改善するために導入したのが、クラウドソーシング型の特許調査サービスでした。
依頼された特許調査案件について、調査会社や個人で活動する調査員をインターネットで世界中から集い、一斉に調査してもらっていたのです。
ところが、今の時代は、人工知能の波が怒濤のように訪れていて、知的財産権の分野でも例外ではありません。
これまで人の力でやっていた調査業務をコンピューターが代替できる時代になっているんです。
特許のテキストの内容を理解し、それがマッチするか否かを判断し、適切なものを返す。
こういった仕組みは、知的財産権という枠組みにとどまらず、広い分野において活用できるんじゃないかと感じましたね。
特許というワクにとらわれることなく、サービスの可能性を広げたい。
そういった思いから、新たに株式会社コンシェルジュを設立したのです。
企業独自の対話エンジンで特別感を演出。
コンシェルジュでは、お客様にあった対話エンジンの開発を通して、チャットカスタマーサポートを劇的に向上させます。
たとえば不動産会社様でご利用頂いた場合、賃貸物件を探したいお客様が、「4月から1人暮らしを考えています。駅から10分居ないで、築5年以内がいいかな」と打ち込まれだ自然言語を理解し、「承知しました。このようなお部屋はいかがでしょう。」というように、人がチャットで日常的に使う言語の意味を理解し自動で対応するのです。
人工知能ですから、24時間365日、問い合わせにスピーディーに対応することができます。
私たちが蓄積したノウハウを提案することはもちろんですが、同じ業種の中でも、企業様ごとの独自のノウハウというのがあり、ユーザー層があり、推したい商品も異なりますから、その企業様が、チャットを通じてユーザーにサービスを提供する際に、どういった会話をしているか、どんなサービスを提供しているかなど、企業独自で大事にしている事やカルチャーを分析して、チャットの裏側に埋め込む事で、その企業独自の、的確な対話エンジンが提供できると考えています。
また、先ほど申し上げた不動産検索の例では、内覧がしたいという段階になったら、内覧の日が近づいたらリマインダーが来て、地図が表示され、その人のための挨拶コメントのフィードバックなどもします。
Webの場合は大衆に向けた情報発信になりますので、ユーザーが特別感を感じる事はそんなにないと思いますが、1対1のやりとりの中でそういうことができると、企業側のイメージが良くなったり、ブランドの印象が変わったりする。
現時点ではこういったサービスはまだありませんから、なるべく先んじてサービスを打ち出して行く事が、スタートアップ企業である私たちにとって大事な事だと思っています。
ストーリー性のある対話を実現したい。
将来的には、コンシェルジュの返答が、人なのか機械なのか判別できない程の精度にまで高めていきたいと考えています。
ホテルなどのコンシェルジュは、お客様から言われた事だけをやっているわけではないと思うんですね。
「おそらくこんなことを求めているんだろうな」という一歩先を推測して、サービスを提案しているからこそ、気が利いているなと満足していただける。
ユーザーが抱えている潜在意識というのはなかなか表現しづらいものですので、こうした性能を、私たちの対話エンジンにも持たせたいのです。
そのためにも、まずは色々なユーザー様に使って頂く事で、多くのユースケースを試して、実績を積み上げて行きたいですね。
そこから色々なノウハウとデータが蓄積してくれば、私たちの競合優位性が担保できると思っています。
人が言っていることを理解し、それに対する適切なものを出すとなると、いきなりその世界を実現することは難しいと思いますが、
まずは弊社のコンシェルジュのように、何らかの用途に絞ったやりとりを自動化することが入り口としてあるのではないかと思いますね。
今後、モバイルのパーソナルアシスタント化が進むと言われていて、「今日は7時からミーティングが入っているよ」とか、「今日は雨だから傘を持って行こう」といった、インタラクティブなやりとりがユーザーとの間でできるようになったり、届いたメールの中から、ユーザーに必要と思われるメールだけを抜粋してくれたりといったことも可能になります。
Shiriなども精度が高くなっていますが、問いかけに対する回答があるだけで、連続したストーリー性のあるやりとりができるところまではいっていませんので、私たちが先にそれを達成したいと思いますね。