株式会社シトラス

野口 昌一路

飲食店経営のリアルな悩みについて聞いてみた。

お客様と経営者の笑顔を創り出す、業界特化型コンサル
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新規参入が容易な反面、成功するのは難しいといわれる飲食業界。一説によると開業から3年で7割が廃業、10年後も生き残れる飲食店は1割程度ともいわれる厳しい世界だ。しかも、原材料費の高騰や採用難など、飲食店を取り巻く状況は年を追うごとに厳しさを増しているように見える。

株式会社シトラスは、競合ひしめく飲食業界において、頭ひとつ抜け出したいと考える飲食店経営者に対し、集客や売上アップにつながる支援策を提供する飲食業界特化型のコンサルティング会社。

今回は、株式会社シトラスの代表取締役を務める野口氏に創業の経緯や飲食店経営のポイント、今後の展望などについて伺う。

飲食店経営者のリアルな悩みにお答えいただいた第2章にぜひ注目していただきたい。

株式会社シトラス 社長 野口 昌一路氏のONLY STORY


株式会社シトラス
代表取締役 野口昌一路氏

【経歴】

2005年、成城大学経済学部を卒業後、船井総合研究所に入社。飲食業界を含む企業の支援に携わるなかで、コンサルティングやビジネスに関するノウハウを身につける。2010年、独立しシトラスを創業。現在、同社では飲食業界に特化したコンサルティングサービスのほか、ランチパスポート渋谷版、恵比寿版の出版を手掛ける。さらに、三軒茶屋ではホルモン焼肉店を経営するほか、イタリアン、和食と三業態の経営を行っている。その経営手腕は飲食業界に止まらず、アパレルショップも3店舗展開中。

飲食店経営者の相談役として、対前月比1.7倍の売上を実現


—まず、野口さんがこれまで辿ってこられたキャリアと起業の経緯について教えてください。

野口:新卒で入社した船井総研で5年間経営コンサルティングに携わった後、シトラスを創業しました。大学生時代にグルメサイトの営業として働いていた時期を合わせると、飲食業界と向き合った経験は約16年になりますね。

—飲食業界での経験が長い野口さんの目から見て、現在の飲食業界はどのように映りますか?

野口:飲食業界全体を見渡してみると、大きな潮目の変化を感じます。1970年代から90年代にかけて、ファミリーレストランは和洋中を問わずあらゆるメニューが1つの店舗で味わえる業態として人気がありました。いうなれば、総合型飲食店の時代です。しかし、現在は業態の細分化が進んでおり、中華料理店よりも餃子専門店、鶏肉料理店より唐揚げ専門店が人気です。

—その一方で、飲食店の数が減っているという話も聞きます。

野口:統計によっては、飲食店の店舗数は縮小傾向にあると示すものもあるのかもしれません。しかし、業態が細分化することによって、私たちの支援を必要としている小規模な飲食店はむしろ増えている印象があります。

—現在、株式会社シトラスで提供しているそうした飲食店経営者に対するコンサルティング事業というのは、いつ頃からお考えだったのでしょうか?

野口:起業を決意したのは、前職時代に感じたある問題意識がきっかけでした。

—具体的には、どのような問題意識でしょうか?

野口:私は新規店舗の出店計画の立案、流行を取り入れたメニューや内装、コストカットの提案、広告や採用支援など。飲食店の経営を下支えし、店舗の収益力を高めるための経営コンサルティングを行っていました。

その中で見えてきた飲食業界というのは、5店舗未満の小規模な事業者が大半を占めている世界でした。こうした小規模事業者の経営者の方々からすると、当時私たちが頂戴していたコンサルティング料金は決して安いものではありません。

—そうすると、経営コンサルティングを外部に依頼できるのはある程度体力のある事業者でなければ難しそうですね。

野口:ええ。おっしゃる通りです。もちろん投資していただいたぶんの費用は回収できるよう努めていましたが、小規模事業者の場合は大手と比べてスケールメリットが利かないぶん、さらにシビアな経営判断が求められます。

そこで、私は低コストで効果が出せる支援ができないかと考えるようになりました。

— そこが原点だったんですね。そして、現在はそうした飲食店経営者のために株式会社シトラスがサービスを提供されている、と。

野口:はい、そうです。集客用のチラシやショップカード、ロゴ、看板、メニューブックの制作、内装の見直し、インスタ映えするメニューの開発、効果的な広告出稿計画の立案など、集客や売上アップにつながる、ありとあらゆる施策に取り組んでいます。

— 実際には、どのような経営者様が御社のサービスをご利用になるのでしょうか?

野口:例えば…ひとつ、お客様のお役に立てた事例をお話ししましょう。

売上が伸び悩んでおられた都内のある焼肉店の事例をご紹介します。そのお客様は、毎月多額の販促費費用を割いて集客に取り組んでいたのですが、費用対効果の悪さに頭を悩ませていらっしゃいました。

そこで、私たちがグルメサイトに掲載していた広告を精査し、写真やメッセージの内容をすべて見直したところ、それだけで翌月の売上が1.7倍に跳ね上がりました。ポイントさえ見誤らなければ、無駄な販促費を抑えつつ、売上を高めることは可能なのです。

野口代表に直撃。飲食店経営者のリアルな悩みに答えます!


—実は、この取材に先だって複数の飲食店の経営者から店舗運営にまつわる悩みを伺ってきました。いくつか質問にお答えいただいてもよろしいですか?

野口:はい。結構ですよ。

—では、最初の質問です。

「店舗を仕切れる人材の育てたいと思っています。どのような人材が伸びるとお考えですか?」

野口:一言で申し上げると、『素直でフットワークが軽い人』『いいと思ったことはすぐ取り入れられる人』ですね。

目の前にある課題に取り組む時、半月後に実行する人と半年後に実行する人では前者の方が圧倒的に優れています。なぜなら、とりあえずやってみてうまくいかなければ修正する人のほうが、準備に長い時間をかける人よりも短期間でより多くの経験が積めるからです。

飲食業界に限らず素直でフットワークが軽い人材は、とても貴重。もしそういう方に出会ったら採用すべきですし、どんどん抜擢すべきだと思います。

—次も、人材に関する質問です。

「アルバイトの定着率を高めるには、どのようなことに取り組むべきでしょうか?」

野口:そうですね。私たちも三軒茶屋でホルモン焼肉店を経営しているのでよくわかるのですが、店長が働きやすい職場づくりに励んでいる店では採用したばかりのアルバイトがすぐに辞めてしまうことが少なく、高い定着率を保っています。

また、仮に欠員が出ても在職中のメンバーが友人に声をかけてくれるので採用も比較的スムーズです。定着率を上げるためには高い時給やうまい見せ方が必須と考えている方がいらっしゃるかもしれませんが、店長がよりよい店づくりに熱心であるだけでも改善できると思いますよ。

— ありがとうございます。では、最後の質問です。

「部下に店を任せたいと思ってはいるものの、自分が店を離れると既存の顧客が離れてしまうのではないかと不安になります。」という悩みです。これについてはいかがでしょうか?

野口:こちらも多く伺うお悩みですね。私たちも非常に共感できます。

答えさせていただくと、まずはオーナーが現場から離れることが正しいことなのかどうかを冷静に考えるべきでしょう。

もしオーナーが多店舗展開の第1歩として店を部下に任せたいと考えているのであれば、売上が一時的に下がったとしても1店舗目の運営から離れるべきです。もしそうではなく、単に自分の負担を減らしたいのであれば安易に離れるべきではないかもしれません。

仮に、自分が店から離れたことによって既存のお客様を失っても、新しい店長の強みに合わせて業態を変えれば失ったお客様を補えるだけの集客力を得られることもあります。一番よくないのは、オーナーが中途半端に関わって店長のやる気を削いでしまうことでしょう。

オーナーは、一時的な売上低下を恐れる前に店の将来を考えた上で決断を下すべきだと思います。

時代が変わっても、お客様と飲食業界全体の成長に貢献したい


—ありがとうございます。では、最後に飲食業界の展望と株式会社シトラスの今後について聞かせてください。

野口:まず、少し先の見通しをお話ししますね。現在、飲食業界は人材難ですが、今後社会が大きく変化するなかで徐々に人材不足は解消されるのではないかと考えています。

—具体的には、何をきっかけに人手不足が解消されるとお考えですか?

野口:これから社会のあらゆる場面にAIが導入され、多くの作業が自動化されていきます。飲食業界の一部もその影響を受け、変化の波に晒されるでしょう。その一方で、人間に接客してほしい、手作りのメニューを食べたい、というニーズがなくなることはないはずです。

今後AIの普及によって、ほかの業種から飲食業界に人が流入するような現象が起こるのではないかと思っています。

—ほかの業種から飲食業界に…。業界のことを熟知されている野口さんならではのお考えですね!
株式会社シトラスは、そのような中でどのような存在を目指していきますか?

野口:私たちの目標は一貫しています。どんなに時代が変わっても、集客や売上不足に悩む店舗を一緒に繁盛店に育てていくお手伝いを通じて、お客様と飲食業界全体の成長に貢献し続けることが私たちの目標です。

もし飲食店経営にまつわるお悩みをお持ちであれば、どんなに小さなことでも結構です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。シトラスのメンバーが一丸となって、皆さんのお悩みを解決できるよう全力を尽くします。

構成・執筆=武田敏則(グレタケ)
編集=山崎

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