株式会社Bright One
谷口 章子
POSTED | 2019.02.01 Fri |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:飲食・サービス 創立:7〜8年 決裁者の年齢:40代 商材:その他 |
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女性がチームになって仕事と育行児をえる場所を作る
働くママが安心して使えるコワーキングスペースTopics
今回のインタビューは、ママのためのコワーキングスペースの提供や、スキルを持った女性のアウトソーシング事業を行う株式会社Bright Oneの谷口氏にお話を伺います。家庭に入り、仕事に復帰することを不安に感じて諦めてしまう女性をなくしたいという想いから会社を立ち上げた谷口氏に、同社のサービスや今後の展望について語っていただきます。
株式会社Bright One 代表取締役 谷口 章子氏のONLYSTORY
女性専用のコワーキングスペースを提供
–株式会社Bright Oneの事業内容を教えてください。
谷口氏:弊社の事業内容は大きく分けて二つあります。ひとつは不動産事業を本社の東京都東村山市で行っております。茅場町支店では主に女性支援を行っており、女性専用のコワーキングスペースの運営。もうひとつが営業企画や事務仕事などの業務委託です。
–他社との差別化をはかっている点や、強みはどのような点になりますか。
谷口氏:コワーキングスペースについて言うと、そういったサービスはどんどん増えてきていますが、その中でも女性専用というターゲティングをしていることが株式会社Bright Oneの大きな特徴です。いわば、ママによる、ママのためのコワーキングスペースなんです。
–実際にコワーキングスペースの利用者からはどのようなお声をいただいていますか。
谷口氏:カフェのような印象で居心地が良いという声や、女性専用なので安心して使えるという評判をいただいています。私自身、コワーキングスペースを使っていたころ、周りが男性ばかりで、なんだか居心地の悪さを感じることがあったので、落ち着いた気持ちで仕事ができるというお声は嬉しいですね。
–事業を行うにあたって最も重要視していることは何ですか。
谷口氏:一人ではどうにもならないことも、人が集まれば解決することがある、そういったことを実感してもらえる場所づくりですね。
女性は家庭に入って新しい役割を担うことで、キャリアを諦めたり、一人だと前に進めなくなることが多くあります。それが誰かと協力して、チームになって、同じように頑張る仲間に相談できる状況を作れば、前に進み始めたり、歩くスピードを速めることができる。そういう体験をしてもらえる場所にしていくことを大切にしています。
フリーランスと働くママを結びつける
–起業に至った経緯について教えてください。
谷口氏:私は子育てをしながら働いていたのですが、娘に今の仕事を誇れるかと言われれば、どこか違うという違和感を抱きながら仕事をしていました。
朝、仕事の合間をぬって娘を保育園に連れて行く際、ついつい「早く、急いで」と言ってしまうんですよね。ですが、その急かした5分10分でできる仕事なんてほとんどありません。そのときにいつも「私は何のために仕事をしているのだろう」と心の中で疑問に思っていました。
自分の仕事にこんな違和感を抱くのはどうなのだろう。これは本当に自分のやりたい仕事ではないのかと考えました。そして、娘から「笑っているママが好き」と言われて、その時「心から笑ってできる仕事をして、娘にもそんな母親の姿を見せたい」と思ったのです。これが起業の大きなきっかけになりました。
–そこから、どのようにして現在のサービスを始めたのでしょうか。
谷口氏:業務委託に関して言えば、会社を辞めた後から、フリーランスとして企業から業務委託をいただいていました。大手企業だと、人事や営業などそれぞれの専門部署があるのですが、中小企業では自分の専門以外の仕事を担うことも多いんです。
わからないことを一人で抱えて、結果的に上手くいかない現場をよく目にしていたので、私がアウトソーシングで入り、誰かに相談できる形を作っていく業務を行っていました。
–では、コワーキングスペースサービスを始めたきっかけはどういったものなのでしょうか。
谷口氏:フリーランスとして働いている頃に、母親になって仕事を諦めた方に話を聞く機会があったんです。彼女は営業のアシスタントをしていて、現役時代はとても活躍をしていました。しかし、現場を離れてブランクが5年あることや、子供の急な病気などで職場に迷惑をかけることが不安で、働くことから足が遠のくという気持ちを伺いました。
私はもともと、女性が育児と家事と仕事など、多くのことを両立しなければならない中で、やりたいことを諦めてしまうことに問題意識を持っていました。それらは、母親になったからといって諦めなければならないことはないと思うんです。だからこそ、そういう女性たちのサポートをしたいと思ったんですね。
そのときに、フリーランスで働くママがチームで働けるような場所があればいいのではないかという発想が生まれたんです。
私自身、一人で働くことに限界を感じていたのですが、チームで働けば、その中で誰かが休んでも、業務を共有しておけば補完することができる。家庭を持つ女性に、フリーランスの自由な働き方は合うと思ったんです。
職種や業種問わず、たくさんのことに挑戦することで自信がつくし、たくさんの業務をひとりで抱えて困っている中小企業の社員のサポートにもつながる。私自身の経験と理想をすべて活かすことができるのが、この事業だったのです。
仕事や育児を共有できる場所を作る
–今後の短期的目標について教えてください。
谷口氏:現在はコワーキングスペースにキッズスペースを設けているのですが、それを発展させて託児所を作ることです。ママが働くことを諦めてしまうひとつの理由として、保育園などの預け先がないという課題があります。それを解決するために、まずは曜日制で託児所を運営したいですね。
それが事業としてきちんと回るようになったら、子供を預けられて、なおかつママが働ける場所に発展させていきたいと考えています。案件が発生したら、ママたちが挙手制で仕事を得ることができる、そんな場所にしていきたいですね。
–今後の長期的目標について教えてください。
谷口氏:長期的には、店舗展開なども考えていますが、こういった事業がもっと地域に根付いていくように働きかけていきたいと考えています。基本的には中央区に限定して、中央区に住む女性たちが仕事や育児を共有して行える場所を作っていきたいと思います。
また、現在東京都下を中心に行っている本社の不動産業を、茅場町支店にも拡大しながら、ママだけの不動産会社の設立も考えています。今の世の中を見ると、女性は男性に比べ自宅にいる時間が長いと思うんです。だからこそ、女性の目線のカウンセリングから始まる不動産会社を作りたいと思っていますね。
–最後に、読者であるママに向けてメッセージをお願いいたします。
谷口氏:ママだからって、女性だからって、『働く』ことを諦めない。新しいやり方、働き方をここで模索して自分らしく輝ける方法を一緒に見つけましょう!
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原