きもの和處 東三季
森 荷葉
POSTED | 2015.10.10 Sat |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:飲食・サービス 創立:3〜4年 決裁者の年齢:その他 商材:その他 |
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”和文化”をライフスタイルの中へ!
日本の文化を広める、品格のある会社Topics
きもの和處 東三季 社長 森 荷葉氏のONLY STORY
第一印象で100%決まる
青山に居を構える『きもの和處 東三季』は、和を大事に思う人の為に森荷葉社長が用意した隠れ家のような存在だ。着物や着装小物の販売はもとより、二階に設けられた茶室でお茶を楽しんだり、お稽古教室では和文化を多様に学ぶこともできる。”和”を通じて得た多くの教訓を、森社長にお伺いした。
「人とお会いすると、第一印象で全てが決まってしまいます。例えば、ペンの持ち方を見れば、その人のお箸の持ち方がわかります(笑)。お箸がまともに持てない人は、親の教育をうたがわれたり、大人になってからも直す努力をしてない人だと思われる。そして、その美しくない箸の持ち主が居るだけで、食事の雰囲気は変わります。実は私も、21歳まできれいな箸の持ち主ではありませんでした。でも、師事していたお茶の先生の『なぜ箸は美しく持たなければいけないのか』を注意していただき、それからは意識して1ヶ月ほどで直すことができました。」
毎日の積み重ねが生み出すもの
努力はすぐに実を結ぶものではないが、あきらめない日々の努力によって何かを勝ち取ることができる。森社長の起業から現在に至るまでのプロセスに、その具体的な姿を見せてくださった。
「起業のきっかけは、離婚でした。主婦業のみのキャリアでは、勤めたくても採用されない日々が続いていました。それなら自分でと母の言葉に後押しされて起業にいたりました。
当時は、高額なものから売れていたようなバブルの時代で、洋文化ブームを迎えていました。私は和文化の集大成、茶道の世界におり、これからは和文化が主流になるという発想だったんです。そして、和の美術雑貨を扱うギャラリーを31歳で白金の自宅近くにスタートさせました。
しかし、経営の知識など何もないありさまで、経理、税金、企画書、融資などの課題を一つ一つ学んでいきました。ある日、企画書を書いている時に『イベント×和文化』ということを思いついたんです。結果として10年以上続くイベント企画が生まれました。結婚式も、ライフスタイルも、食も、何もかも和を取り入れた企画には何らかの形での広告宣伝も必要だということもわかりました。」
実際、起業当初は夜遅くまで仕事をし、寝袋で泊まる日々が続いたというが、一主婦が起業して今では和文化を広める大きな存在になる背景には必死の努力があったのだ。
未来を踏まえた発想とものづくり
「私の基本的なスタンスは、『和文化を中心に』ということ。欧米を知らずに和の文化は伝えられないため、海外の文化も勉強しましたが、あくまでも基本は和文化です。
日本の良いところをどのようにわかりやすく伝えるかを念頭に講師業や著作業もしましたが、最終的には企画やデザインを主流に致しました。モダンな着物中心のデザインや、中高年がきれいにみえる色と着物を提案したり、多くの着物変革を発信してきました。
例えば、季節感を出さない着物と帯は『なぜ』と問われると、現在日本は四季が少しずつ変化してきているので、これからの未来を踏まえた、ものづくりが必要だと思うのです。」
既成概念にとらわれない姿勢は、起業当初から変わらない。次々と新しい発想を生み出す森社長は、常に『3年先の社会がどうなっているか』を念頭に、ありとあらゆる知識を吸収している。
「これからは、情報量の格差が顕著に出てきます。情報をあらゆる分野から引き出せる人と、そうでない人はあくまで二次的な仕事しかできない。知識を時間をかけて知恵に変え、初めてインスピレーションが生まれる。
だからこそ、知識を得るあらゆる手段が必要なのです(人・書物・インターネット・テレビなど)。」
知識増やすことへの貪欲さが、今の森社長を存在させているのだ。
目に見えない何かに導かれ
25年間続く荷葉亭を経営する中で、森社長の大切にしている言葉は、”縁”。自分にとってつらい言葉も真摯に受け止め、周囲の変化に敏感に、自分を進化させてきた。
「本当の縁は、時を過ぎてもあついものです。人との縁と共に、不思議なご縁は尊重しています。多くの成功者達は、あるときから神仏を重要視するようになります。
会社を経営する中で、努力だけではどうにもならないということが世の中にある、何かに動かされていると感じます。この『何か』が不思議な縁ということです。それは人の世界だけでは把握できない、予測・計算できない目に見えない動きです。」
最後に、不思議な縁に導かれてきた自身の過去を振り返りながら、私たちへメッセージをいただいた。
「助言するとすれば、常に変化する世の中で、周囲がどう変革しても壊れない自分を作り上げることです。そのためには、多方面の知識、教えを請うための専門分野の知人、健康、ぶれない精神の4つの力が必要です。
仕事ができなくて怒られるのは当たり前。だって、いけないのは役に立たない自分ですから。そう思う強い精神をきたえて、私は仕事と私生活に生かしてます。
だらだらと仕事はせず、メリハリつけ、泣きたいときは思い切り一人泣く。できない自分が悔しくて大泣きするわけです。人は成長します。でもそこからが重要、脱皮して成長する為に1分前の過去もムダにしない。そんなふてぶてしさも(笑)、自分作りには必要だと思います。」