スタンダードロジック株式会社
大塚英事
POSTED | 2016.06.04 Sat |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:人材(採用・派遣) 創立:15年以上 決裁者の年齢:その他 商材:BtoB |
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M&Aで企業再建。人材育成でさらなる成長を!
赤字企業を再建。企業体質が大きく変化し、成長企業にTopics
スタンダードロジック株式会社 社長 大塚英事氏のONLY STORY
M&Aで始まった企業改革
そんな中、M&A等も計画にあり、その分析及び交渉を、本業とは別に担当していました。そんな中めぐり合ったのが、ロジック回路の設計会社で、明らかな問題点を抱えており、財務的にも貧窮化が極めて酷く、しかし技術的に特性を、強みを持つ会社であった為、M&Aにて買収致しました。
商号は、「スタンダードロジック株式会社」。私は、それまでに5社の企業再建や運営を見てまいりました。そしてこの会社の新社長として、再建を目指す事となったのです。
当時、スタンダードロジック社の財務状態は、売上高が約76,000千円に対し、39,000千円の営業損失でボロボロでした。
生まれて初めて売上高の1.5倍費用のかかる会社に就いたのです。状況としては14人の社員のうち、仕事が無く11人が休業していました。
資金調達は買収した側の企業から借り入れましたが、外部からの調達を試みるも資金を貸してくれたのは信用金庫のみ。
銀行は3期連続赤字の会社への融資は見送りました。与信がこれほど酷いのかと落ち込み、今後の経営はまずは自立しなくてはならないと強く感じました。
買収時に明らかな問題点があると感じましたが、その改善に早急に取り組みました。第一段階として営業力の弱さがありました。行動計画、ターゲティング、フォローアップ。
一般的なことですが、そういったところから始まり、第二段階として休業していた社員を呼び戻すことにありました。事務レベルでは査定も実に曖昧でしたので、人事考課票を私の評価や要望を伝えるべく即座に導入しました。
あれから5年。現在は社員も43名となり、5期連続の増収増益の中で人材育成や組織化に注力し、開発も含めて新たな挑戦を続けています。
付加価値の高い人材を育成。顧客満足度を高める
弊社では、FPGAの設計やFPGAを用いた基板の製作を主に手がけています。大量生産・大量消費の時代は終わり、市場ではメーカーはBtoBビジネスに力を入れる企業が、事業が増えました。
そういった意味ではFPGAの需要は年々増えて続けており、随時社員を増やしています。これまで開発したものは逓減気味であるものの需要はありますが、新たなものの開発も進めています。
総合的な技術力を手に入れるため、アナログに強い人材や、組込みソフトウェア、機構設計等幅広い人材を有しており、今後もその発展を描いています。
また意識の改革として「マーケットプル」いわば営業性を見なければならない意図を技術部門には理解してもらっています。
管理部門には全ての背景を知り得るために、営業部門と間接部門を兼任させることで、存在価値を高めています。事務業務は事務員、営業業務は営業マンという時代は、中小企業では特にですが、正社員でまかなう時代はこの10年以内に終わります。
社員一人ひとりがハイレベルになることを目指しています。
若者に所得を、若者はスキルを
私は、管理部門には商業高校の新卒生を採用するようにしています。
近年の大学新卒では優れた人材もいるのですが、文系は特に専門性が無いまま卒業している例が多く、そうであれば高校を卒業して4年以内に実務レベルは勿論、経済学、社会保険の仕組みや、市場に関する分野を学問的に吸収してもらい、学士以上の社員にしていく方針です。
そして今後の社会では旧態依然とした体質、例えば「獅子の子落とし」ではもう生活がこんなに便利になった時代には合いません。かといって楽なだけを追っても成長はしません。
技術は大学新卒になるのですが、若年層の社員には思い切って、同業他社でも高い給与待遇にしています。そしてそれに見合う仕事をしてもらえばいいと考えています。
幸いなことに社員に恵まれ、現在在籍する若年層の社員は全員がスキルアップを考え、実践できています。
「高卒採用で給料を安く抑えるためだろう」と思われるかもしれませんが、私の場合は逆です。
入社後は国家資格や簿記関係の資格などをどんどん取得してもらって、22歳までに大学新卒以上の収入を得られるようにしています。
中堅より上の場合は「結果=賃金査定」になるのが当然ですが、若者に最初から高いスキルを求めるのは、無理がある。
給料に見合う価値は、会社が作ってあげればいいだけのことです。意欲のある若者の所得を上げることで、「頑張ればもっと上にいける」という成長意欲を高めたいのです。
学生や興味のある方を対象にした、技術研修を実施しているのもそういった企業姿勢に興味を持って頂ければと思います。企業に頼らず一人でも行きて行けるほどのスキルを持った社員が集まれば、会社は本当に強くなります。
若者は所得に甘んじず、期待に応えてほしいですが、得るものが出来れば個々に単なる成長だけではなく、自身の欲求を満たすものは何かを見つけていくことも幅は広がります。