監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
こちらから日程調整をお願いするとき、候補日をどう並べれば相手の手間が減るのか悩むことはないでしょうか。
この記事では、依頼する側の立場から、候補日の出し方、相手が複数いる場合の進め方、再調整や催促の頼み方までを例文つきで解説します。
日程調整をお願いするメールで決まること
調整の往復が長引くかどうかは、最初の一通でほぼ決まります。
依頼する側が何を書くべきかを押さえておきましょう。
目的を先に書くと可否が早く決まる
相手は、会う価値があるかどうかを判断してから予定を見ます。
何のために会いたいのかを冒頭の一文で示すと、調整に進むかどうかを即断できます。
目的が曖昧なまま候補日だけを並べると、返信そのものが止まります。
すでに面識がある相手でも、今回の用件は改めて書いておきます。
所要時間を書くと予定に入れやすい
相手は空き時間の長さと照らし合わせて予定を組みます。
三十分なのか一時間なのかで、入れられる枠がまったく変わります。
短く見積もりすぎて当日に延びると、次の予定に食い込んで迷惑をかけます。
初回であれば三十分と書き、必要に応じて延ばす形が現実的です。
候補は三つ前後にとどめる
候補が一つだと断られたときに往復が増えます。
十個も並べると相手が選ぶ作業そのものが負担になります。
三つ前後を、別々の曜日と時間帯に散らして出すのが扱いやすい形です。
相手の業種の繁忙時間が分かるなら、そこは外して提示します。
合わないときの連絡先を添える
候補がすべて合わない場合、相手は返信を後回しにしがちです。
都合が合わない場合はご希望をお知らせくださいと一行添えるだけで返信率が変わります。
電話での調整が早い相手には、番号も書いておきます。
返信の期日を書くときは、催促にならない表現を選びます。
初めて日程調整をお願いするときの例文
面識の薄い相手には、名乗りと用件の説明が必要になります。
関係の段階に応じて書き分けましょう。
問い合わせをもらった相手への例文
先方から接点があった場合は、礼から入ります。
問い合わせの内容に触れてから候補日を出すと、話がつながります。
資料を送っただけの段階なら、面談の目的を改めて書きます。
相手の検討状況を尋ねる一文は、この段階では省いて構いません。
件名:お打ち合わせの日程につきまして(〇〇株式会社・田中)
株式会社△△
佐藤様
このたびはお問い合わせをいただき、誠にありがとうございます。
〇〇株式会社の田中でございます。
いただいた商談管理のご相談について、三十分ほどお時間を頂戴できればと存じます。
下記のいずれかでご都合はいかがでしょうか。
十月二十一日(火)十四時から十七時、十月二十三日(木)終日、十月二十四日(金)午前。
合わない場合は、ご希望の時間帯をお知らせいただけますと幸いです。
名刺交換のあとに送る例文
交流会や展示会で会った相手には、思い出す手がかりを置きます。
いつどこで会ったかを具体的に書くと、誰からの連絡かが分かります。
その場で話した内容を一つ引用すると、記憶と結びつきます。
初回から長い提案を書かず、会う目的だけを示します。
件名:先日の展示会にてご挨拶いたしました〇〇株式会社の田中です
株式会社△△
佐藤様
先日は会場にて弊社ブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。
その際、問い合わせから面談につながらないというお話を伺いました。
同様のご相談をいただいた他社の進め方について、改めてご説明の機会を頂戴できませんでしょうか。
所要は三十分、オンラインでも対応が可能でございます。
来週であれば火曜日の午後、木曜日の午前に時間を確保しております。
紹介を受けた相手への例文
間に人が入っている場合は、紹介者の名前を先に出します。
紹介者の社名と氏名を件名にも入れると、見知らぬ差出人として扱われません。
紹介者から聞いた内容に触れるときは、出してよい範囲を確かめます。
候補日は絞って出し、相手に合わせる姿勢を示します。
件名:株式会社□□・鈴木様よりご紹介いただきました(〇〇株式会社)
株式会社△△
佐藤様
突然のご連絡を失礼いたします。
〇〇株式会社の田中と申します。
このたび、株式会社□□の鈴木様よりご紹介をいただき、ご連絡を差し上げました。
採用後の立ち上がりに課題を感じていらっしゃると伺っております。
三十分ほどお時間を頂戴できればと存じますが、十月二十八日(火)午後、十月三十日(木)午前はいかがでしょうか。
相手や状況が特殊なときの例文
調整する相手が一人とは限りません。
段取りが増える三つの場面を見ていきます。
複数の出席者をまとめてもらう例文
相手側が数名そろう場合、調整の手間は一気に増えます。
必要な出席者と理由を明示すると、相手が社内で声をかけやすくなります。
全員そろわなくても進められる部分があるなら、その旨も添えます。
候補の時間帯は、会議が入りにくい朝一番や夕方に寄せて出すと押さえてもらいやすくなります。
件名:お打ち合わせのご相談(ご出席者のお願いを含みます)
株式会社△△
佐藤様
いつもお世話になっております。
次回は費用と導入時期についてご相談したく存じます。
恐れ入りますが、ご予算をご判断される方にもご同席いただけますと話が早く進みます。
下記のいずれかで一時間ほど頂戴できませんでしょうか。
十一月四日(火)十時から十二時、十一月六日(木)十四時から十七時。
相手が役職者のときの例文
決裁の立場にある人は、予定が細かく埋まっています。
候補を日付で刻まず、週単位の幅で尋ねるほうが決まりやすくなります。
秘書や担当者が調整している場合もあるため、宛先を確かめます。
所要時間は二十分と短く提示し、その中で収める準備をします。
件名:ご面談のお願い(所要二十分・〇〇株式会社)
株式会社△△
代表取締役 佐藤様
初めてご連絡を差し上げます。
〇〇株式会社で営業を担当しております田中と申します。
決裁者同士が直接つながる仕組みについて、二十分だけご説明の機会を頂戴できませんでしょうか。
十一月の第二週か第三週で、ご都合のよい時間帯をお知らせいただけますと幸いです。
ご多忙の折とは存じますが、何とぞご検討のほどお願い申し上げます。
オンラインで実施したいときの例文
移動の負担をなくしたい場合は、その前提を先に示します。
使う仕組みと、相手が入れない場合の代替を書くと準備が滞りません。
接続用の案内は日程が確定してから別便で送ると、本文が読みやすくなります。
相手の社内規定で開けない仕組みもあるため、希望を尋ねます。
件名:オンラインでのお打ち合わせのご相談
株式会社△△
佐藤様
お世話になっております。
ご移動のお手間を省くため、オンラインでのご相談はいかがでしょうか。
弊社からは接続用のご案内をお送りいたしますが、貴社のご指定があればそちらに合わせます。
十一月十一日(火)十三時から十六時、十一月十三日(木)午前で調整が可能です。
画面共有で資料をご覧いただく形を想定しております。
再調整と催促をお願いする例文
一度決まった日程が動くことも、返信が来ないこともあります。
どちらも書き方で印象が変わります。
こちらの都合で再調整をお願いする例文
自社の事情で変更する場合は、詫びと新しい候補を同時に出します。
理由を長く書かず、代わりの候補を先に示すほうが相手の手間が減ります。
直前の変更ほど、電話を先に入れてからメールを送ります。
二度目の変更になるときは、候補を出さず相手に決めてもらう形へ切り替えます。
件名:【日程変更のお願い】十月二十一日のお打ち合わせにつきまして
株式会社△△
佐藤様
一度お決めいただいた日程を変更させていただきたく、ご連絡いたしました。
弊社側の急な対応が重なり、十月二十一日(火)の訪問が難しくなりました。
恐れ入りますが、十月二十八日(火)午後、十月三十日(木)午前はいかがでしょうか。
ご予定を押さえていただいたにもかかわらず、申し訳ございません。
何とぞよろしくお願い申し上げます。
返信がないときに催促する例文
督促の色が出ると、関係が固くなります。
届いていない可能性に触れる形にすると、相手が返信しやすくなります。
最初の催促は、送信から三営業日ほど空けます。
二度目でも返信がないときは、追わずにいったん間を置きます。
件名:Re: お打ち合わせの日程につきまして(再送)
株式会社△△
佐藤様
先日お送りしたご連絡が、行き違いになっていましたら失礼いたします。
十月二十一日からの三つの候補について、ご検討の状況はいかがでしょうか。
いずれも難しいようでしたら、十一月以降で改めて候補をお送りいたします。
お忙しいところ恐れ入りますが、ひとことお知らせいただけますと助かります。
よろしくお願いいたします。
相手の返信を待つ時間を決めておく
いつまで待つかを自分の中で決めずにいると、追う時機を逃します。
送信から三営業日で一度、そこから一週間で二度目と決めておくと迷いが消えます。
待っている間に別の候補先へ連絡しておけば、商談の数が途切れません。
期限を過ぎた相手は、記録に残して時期を変えて連絡します。
社内の予定を先に押さえる
相手に候補を出した時点で、その枠は自社でも仮に押さえておきます。
返事が来てから自社の予定を調整すると、二重の往復が生まれます。
同席者がいる場合は、依頼のメールを送る前に声をかけておきます。
仮押さえの枠は、相手の返事が来た時点で解放します。
日程調整の往復を減らす工夫
文面を整えるだけでなく、進め方そのものにも手を入れられます。
三つの観点で見直してみましょう。
候補は曜日と時間帯を散らす
同じ週の似た時間帯ばかり並べると、まとめて断られます。
曜日を変え、午前と午後を混ぜて出すと当たる確率が上がります。
相手の業種によって動きやすい時間は異なります。
二度目の提案では、前回と違う時間帯を中心に組み替えます。
件名で用件と期限を伝える
件名が日程のご相談だけだと、優先度が上がりません。
用件と自社名を並べ、必要なら所要時間を入れると開かれやすくなります。
期限を書く場合は、督促ではなく目安として添えます。
やり取りが続いているときは、件名を変えずに返信します。
決める人が出てこない商談を見分ける
何度調整しても日程が決まらない相手がいます。
担当者に権限がなく、上長の予定を待っている場合が多くあります。
初回の連絡で、誰が同席するのかを尋ねておくと判断がつきます。
決める人が出てこない商談は、調整の手間だけが積み上がります。
決裁者と直接つながる場を併用する
相手を選べる仕組みを使うという選択肢もあります。
オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。
最初から判断できる立場の相手と話せるため、調整の回数が減ります。
一方で、商材の単価が低い場合や担当者レベルで決裁が完結する商材では、効果が出にくい傾向があります。
まとめ
日程調整をお願いするメールは、目的と所要時間を先に書いてから候補日を並べる形が基本です。
候補は三つ前後を別々の曜日と時間帯に散らし、合わない場合の連絡方法も添えてください。
相手が役職者のときは日付で刻まず、週単位の幅で尋ねるほうが決まりやすくなります。
複数名の同席を求めるときは、誰に出てほしいかと理由を明示すると社内で声をかけてもらえます。
再調整をお願いするときは理由より先に代わりの候補を出し、返信がないときは行き違いの可能性に触れる形で送ります。
そのうえで調整の往復が何度も続くなら、相手が決める立場にないことを疑ってください。
決裁者マッチングのように判断できる相手と直接話せる場を併用し、自社の商材に合うかを確かめてみてください。
よくある質問
Q. 候補日はいくつ出すのが適切ですか
A. 三つ前後が扱いやすい数です。
一つだけだと断られたときに往復が増え、十個も並べると選ぶ作業が負担になります。
曜日と時間帯を散らして出すと、どれかに当たる確率が上がります。
Q. 相手が役職者のときはどう尋ねますか
A. 日付で細かく刻まず、週単位の幅で尋ねます。
所要時間は短く提示し、その範囲で収める準備をしておきます。
秘書や担当者が調整していることもあるため、宛先は確かめてください。
Q. 返信が来ないときはいつ催促しますか
A. 最初の送信から三営業日ほど空けてから送ります。
行き違いになっていましたら失礼いたします、という形にすると相手が返信しやすくなります。
二度目でも反応がないときは、いったん間を置くほうが関係を保てます。
Q. こちらの都合で日程を変えるときは何を書きますか
A. 詫びと新しい候補を同じメールに書きます。
理由は一行で足り、詳しく説明する必要はありません。
直前の変更であれば、電話を先に入れてからメールを送ってください。
候補日を送ったあとは、相手の返信への応じ方と確定の連絡が続きます。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。



