株式会社プラスワンインターナショナル

新開 強

デザインを起点に、新たなカルチャーと人の輪を育む

大衆消費社会の終焉。個人の可能性が花開く時代へ。
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株式会社プラスワンインターナショナル  代表取締役 新開 強氏のONLYSTORY


顧客満足度96%、リピート率89%、業界シェアNo.1という驚異の実績を誇る株式会社プラスワンインターナショナル。

四国出身のひとりのデザイナーが始めた同社は、今後デザインが持つ可能性を日本中に知らしめるような存在へと成長を遂げようとしている。

創業社長の新開氏と、渋谷にオープンした新店舗の責任者・関口氏、アスリート支援事業を牽引する相引氏にお話を伺う。

デザインを身近に。新店舗に託す創業以来の想い

                          代表取締役
                            新開 強


―新開さんがデザイナーとして創業された株式会社プラスワンインターナショナル。創業事業であるデザインTシャツ事業は、今なお拡大成長を続けていますね。

新開:現在創業21年目で、当社が手掛けるオリジナルTシャツは年間227万枚、おかげさまで業界シェアNo.1に成長することができました。

ネットや電話でコーディネーターに相談できたり、全国33箇所の実店舗で商品に触れることも出来るので、リピーターはもちろん初めてのお客様にも喜ばれています。

―主にどういった方のご利用が多いのでしょうか?

新開:イベント等でお揃いのものを着たいという団体様や企業様、スポーツチーム等のご依頼が多いですが、個人のお客様でも1枚からオリジナルTシャツを作成しています。近年ではそういった個人のお客様のニーズも増えてきました。

―個人で1枚からオーダーメイドできるお店は、当時そう多くなかったのではないでしょうか。

新開:そうかもしれません。しかし、創業した当初から、「デザインをもっと個人の身近にしたい」という想いが僕にはあったので、皆がブランドやメーカーから与えられた画一的なデザインを身に着けるのではなく、その人の「好き」が詰まったその人らしいデザインを身に着ける世の中にしたいなと思っていました。

それに、昨今は個人の消費の仕方も変わってきましたよね。受動的に与えられたものを消費する「大衆消費社会」は終わり、能動的に自分が共感するものにお金を使い、自分なりに価値観を取捨選択する時代が来ています。SNSなどで個人の価値観を発信しやすくなった背景もあります。

個人の持つイメージを手軽に形にできる世界を実現する具体的アプローチとして、19年12月、渋谷にビル1棟を使ったコンセプトショップ『PRINTONE』をグランドオープンしました。

プラスワンが渋谷から仕掛けるデザイン革命とは

                                    店舗営業部 PRINTONE  店舗責任者
                             関口 純平


―渋谷にオープンした旗艦店について、店舗責任者の関口さんに伺います。まずは、新店舗によってどのようなことを実現したいとお考えでしょうか。

関口:やはり「デザインを身近な存在にすること」ですね。デザインの世界って、どこか難しくて、自分とは縁遠いように感じてしまっている人が多いと思います。「こんな感じが好き」というイメージをお持ちでも、それを自分用にデザインにする機会ってなかなか無いですよね。渋谷のお店は、その機会を日常的に提供します。

―具体的には、どのような仕掛けを用意されているのでしょう?

関口:地下・1階・2階とあって、2階部分が皆さんにデザインを考えていただくスペースです。皆さんのイメージをヒアリングして形にするデザイナーが常駐しているので、色々相談しながらデザインを作ることができます。デザインが完成したら、地下まで降りて…。そこには加工機が置いてあって、さっき作ったデザインをもとにTシャツが出来上がる様子を見ることができます。

―自分のイメージが形になっていく様子を見られるわけですね。1階部分はどうなっていますか?

関口:1階は物販スペースですが、ここでも一味ちがった仕掛けを構想しています。アスリートやアーティストのオリジナルデザイングッズが並ぶだけでなく、将来的には一般の方のデザイン展開も検討しています。つまり、皆さんのデザインも、誰かが気に入って買ってくれる可能性があります。たとえば、主婦の方が副業でここで自分のデザインTシャツを売る未来も来るかもしれません。また、ここでまずはシミュレーターを使ってデザイン体験が出来る体験コーナーを設置します。

―すごいですね。デザインの世界がぐっと身近になる気がします。

関口:他にも、2階にはイメージを膨らませていただくためのアイディア創出ゾーンを設置予定。アイデアの種となるような書籍や展示物を沢山置いたり、メインシンボルとして「イメージの育つ木」を設置します。これは実際に見てのお楽しみですが、皆さんの五感を刺激する仕掛けを沢山用意しています。


―楽しみな仕掛けが盛り沢山ですね。関口さんお勧めのお店の利用法はありますか?

関口:自分用のグッズを作る以外にも、「今日あの人の誕生日だ」とか「もうすぐ○○のお祝いだ」といった際に、すぐにオリジナルグッズを用意してプレゼントできます。価格帯も程良くて、渋谷という立地で、デザインからプリントまで1~2時間で出来るのでお勧めですね。

―それは喜ばれそうですね!お店を通じて、新しい体験が広がりそうです。

関口:お店としての機能だけでなく、例えばアーティストやアスリートと、ファンの方々が交流できるサロンを用意して、両者の距離をぐっと近付ける取り組みも考えています。

また、ワークショップを開催して、デザインの専門学校に行っていなくてもデザインを学べる場を提供することで、ここから新たなデザイナーを生んでいけたらという構想も…。

話し始めると止まらなくなってしまいますが、デザインを起点に人の可能性が広がる場にしたいですね。

社会課題に挑み、誰もが夢を実現できる世界を実現する

                    株式会社プラスワンエージェント COO
                           相引 勝寿

―プラスワングループの取り組みのうち、近年もう一つ注目されているのがアスリート支援です。デザインとアスリート支援、両者はどのように結びつくのでしょう?プロジェクト責任者の相引さんに伺います。

相引:実は、アスリート支援にもデザインの力が活かせるのです。我々が行うアスリート支援プロジェクト「Get Support Project」は、もともと株式会社プラスワンインターナショナル内で新規事業として僕が起案したもので、現在は子会社として独立した株式会社プラスワンエージェントで行っています。

スポーツの中でも特にマイナースポーツと言われる種目は、収益性の観点から継続自体が難しく、遠征などのたびに資金繰りに苦労するという背景があります。

そこで、その選手を応援しているサポーターの方々に、選手のオリジナルデザインTシャツなどを応援グッズとしてご購入頂いて、利益の約40%を選手に還元することで選手のキャリアを支える仕組みをつくりました。

―新規事業だったとのことですが、この事業を相引さんが推進された理由は何だったのでしょうか?

相引:もともと新開とは高校が同じで、新開も自分も運動部に所属していました。自分はヨット部だったのですが、ヨットはモノ自体にお金がかかるし練習場の確保も大変で、続けていくのが難しいスポーツでした。結果的に自分はその道を諦めてしまいましたが、マイナースポーツに取り組む選手とその選手を応援する人たちが、夢を諦めないですむ仕組みをつくってサポートしたいと思ったのです。

―選手としてのキャリア継続の難しさを実感されていたからこそなのですね。様々な選手をサポートされてきたと思いますが、具体的にはどのようなサポートの事例があるのでしょうか?

相引:太極拳で日本を代表する選手がいらっしゃるのですが、その方は、普段は教室で生徒さんを募って太極拳を教えていらっしゃいます。生徒さん達は皆さん彼の大ファンで、彼のオリジナルデザインのTシャツを喜んで買って、教室で着たり応援に着て来てくれたりして。そのおかげで、遠征費はほぼ100%グッズ販売によって賄えているそうです。

選手が強くなるための遠征を、デザインTシャツが支えているというのは嬉しいですね。


―社会的意義が大きい分、会社としての収益性などご苦労されたこともあったのではないでしょうか?

相引:そうですね。事業として成立させるために何度も社内で議論を重ねましたが、最終的には新開も共感して一任してくれました。

その背景には、新開も自分と同じアスリートだったことがあったかもしれませんが、何よりも大きかったことが他にあります。それは、新規事業とはいえプラスワンが貫いてきた「お客様の成功を支援する」という精神に根ざし、新たなデザインの可能性を示すことができる事業だったこと。

最近では世間の認知も拡大し、メジャースポーツ界からも公式Tシャツの制作依頼などが来るようになりました。事業が拡大しても、これまで同様、どんなスポーツでも選手1人ひとりの夢が実現するようサポートしていきます。

商売の原点回帰。1枚1枚の積み重ねが現在の武器に


―プラスワングループは、いまや社会や個人に様々な可能性を提供されていますね。

新開:そうですね、いま2人が話してくれた取り組みは、僕が創業当初から持ち続けた想いを受け止め、形にしてくれたものです。デザインの力によって社会に貢献し、新たな価値を提供できていると実感できる機会が増えました。

―冒頭でも伺った「デザインをもっと個人の身近にしたい」という創業当初からの想い…。その想いが、新開様と御社を強く突き動かしているように思います。

新開:おっしゃる通り、この想いは僕たちの根っこにあるもの…。創業から20年を超えた今、改めてその本質に立ち返っているのです。

―原点回帰…ですか。

新開:そうです。創業する前、僕はアメリカ衣料品の輸入販売をしていました。

しかし、アメリカ衣料品ブームが去る気配を感じ始めてからは、グラフィックデザインの経験を活かして自分で制作したTシャツを販売し始めました。すると、ある日そのTシャツを見た方が「知り合いのラーメン店の店主が新しいユニフォームを作りたいと言っていて…」と声をかけてくださったのです。

そのラーメン店にご挨拶に伺い、まずはヒアリングをして、その後プリントアウトしてみて、サンプルとしてお持ちしたものへのご意見をもらって、また調整をして…を繰り返し、200枚の発注をいただきました。これが、初めて僕がオーダーTシャツ制作を請け負った経験になりました。

この時、お互いの想いが通じる感覚がありましたね。出来上がったTシャツは、まさにお互いのその思い入れが詰まったものに。


―一方通行な輸入販売業から始まり、新開様の表現が詰まったPB Tシャツを販売し始め、最後には双方の想いが通じ合う「デザイン」に行き着いたのですね。

新開:はい。その後、事業の幅を広げる上ではもう1つ転機となった案件があります。

それは、僕の母校の部活顧問に自分の仕事について話す機会があった時のことです。練習着をデザインして持っていくと、そのデザインを見た顧問が快く発注して下さったうえに、他の部にも勧めてくれました。

デザインの統一されたユニフォームがチームやスリートに与えるデザインの持つ力をまたひとつ実感したばかりでなく、こうしたデザインの力を求める人が多くいるということも確信しました。

―そのような一歩一歩の積み重ねで、今の御社があるわけですね。

新開:業績が拡大し、ビジネスの主流がリアル店舗からネットへと変化した今、改めて振り返ることがあるのです。これまでのことを。

その原点に立ち返った時に思い起こされるのは、先ほどお話ししたような創業当初前後の案件であり、そこにある僕らの本質的な強みです。その強みとは、柔軟なデザイン提案やオンデマンドの仕組みによって実現する「1つ1つの目に見えない想いを、1つ1つ目に見える形でデザインする力」。

―まさに、関口様、相引様の取り組みは、創業当初からの想いと原点にあった本質、今まで積み重ねた実績を融合させて、これからのプラスワンの目指す世界を形にしたものなのですね。 

業界の革命児が魅せる新しい世界、次なる挑戦とは

―プラスワングループのフラッグシップ的存在の渋谷店オープンを迎え、今後の展開が非常に楽しみですね。

新開:これからは、単にデザインを売る会社ではなく、デザインを起点に人との繋がりや豊かな体験を提供する会社でありたいですね。

例えば今回オープンを迎えた『PRINTONE』内では、アーティストやスポーツマンだけでなく一般の方も、自分のデザインを展示したりする企画も構想しているので、それに共感してくれる人と繋がって輪を広げていただくことが出来ますよね。

また、デザインのワークショップの開催も構想として抱えているんです。このような機会を通してそれまでデザイナーを本職としてこなかった方々も才能を開花させることができれば、新たな活躍の場を手に入れることができます。

デザインの力で1人ひとりの可能性が解放され、その輪が広がっていく…そんな世の中をつくりたい。

―御社の動きは、デザイン業界自体へ大きな影響を与えるほどの大きな可能性を秘めているように感じます。

新開:僕たちも、それくらいの気概と使命感を持って進めていますよ。

印刷業界もグラフィック業界も優秀なデザイナーが不足しているという背景を受け、当社がデザイナーの教育機関となってデザイナーを輩出していく取り組みも進めています。実際に、海外でデザイナーを養成し日本発のデザイン事業に携わってもらうというプロジェクトが進行中。

加えて、これは大きなチャレンジですが、世界中に数多くあるデザインやロゴの「市場解放」に取り組むような構想もあるのです。

これが実現すれば、世の中の「デザイン」に対する概念が大きく変わり、人々にとってデザインがますます身近で魅力的な存在になると思います。現在、賛同してくださるブランド企業様を有志で集い、体制を整えているところです。

―これからも、デザインの力であっと驚くような世界を私たちに見せてくださることを楽しみにしています。ありがとうございました!


取材・執筆=大塚 沙央里(Nutcracker)
編集・構成=山崎 貴大
撮影=吉田 達史

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