一般社団法人かけはし

星野 隆宏

ベテラン人財が若手ベンチャー企業を支援する

2つの輪と出会いを繋ぐかけはしプロジェクト
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今回のインタビューは、ベテラン人財とベンチャー企業を繋ぐ一般社団法人かけはしの星野氏にお話を伺います。かけはしプロジェクトの目的や事業立ち上げのきっかけ、今後のビジョンについて語っていただきました。

一般社団法人かけはし 社長 星野 隆宏氏のONLY STORY

ベテランとベンチャーを繋ぐプラットフォーム


–まずは、一般社団法人かけはしの取り組みについてお聞かせください。

星野氏:一般社団法人かけはしは、私を含む9名の創業メンバーで設立し、『かけはしプロジェクト』の運営を行っています。
ベンチャー支援の形態としては、スタートアップの支援の仕組みを作ったり、資金を提供したり等の様々なものがありますが、私達が行っているのは、企業の発展に不可欠な「人」を切り口にしたベンチャー支援という、これまでにない形での支援です。
また、そこでの「人」は、経験豊富な中高年の方々を対象としています。これらベテランの方々は、これまでの人生で培った英知、経験等を豊富にもっており、社会生活にとっての貴重な人的資源ですので、私達はベテラン人財(材料ではなく、財宝)と呼んでいます。
ただ、ベテラン人財も定年などで会社を離れると活躍の場が狭まるという現実があります。そこで、ベテラン人財の方々が若いベンチャーに自身の英知、経験を提供することで、ベンチャーが発展し、また、ベテラン人財自身も社会的に活躍ができるようになればとの想いから活動に取り組んでいます。

–ありがとうございます。『かけはしプロジェクト』では具体的にどのような活動を行っていますか。

星野氏:現時点では、ベテラン人財とベンチャーを組織して、その出会いを繋ぐプラットフォームとして、オンライン上で会員同士の交流や情報発信、共有ができるホームページの運営と、毎月1回ベテラン人財とベンチャーがオフラインで一堂に会する『かけはしの集い』を企画・運営しています。そのほかの活動についても、検討中であり、逐次実行に移してゆきたいと思っています。

『かけはしの集い』では、ベテラン人財が講師となって、ベンチャーに役立つ実務知識や経験、貴重な体験話などを教授し、また、ベンチャーからも質疑応答ができる「ベンチャーカレッジ」を開催するとともに、その後、ベテラン人財とベンチャー経営者が交流することによって情報の収集や人脈構築ができる「ネットワーキング」の時間を設けて、ベンチャー企業や起業家たちのサポートをしています。
ベテラン人財にとっても、同世代の方々と色々な繋がりを作ることができます。

–同業他社と比較して差別化できるポイントはありますか。

星野氏:私達は一般社団法人として活動しているため、そもそも営利目的ではないんです。職業紹介を行っているわけではありません。従って、その活動自体が差別化できるポイントだと思います。

私達が提供しているのは、ベテラン人財の活用とベンチャーの発展支援のためのプラットフォームなので、そこを通じて互いのマッチングができても、当法人では一切料金をいただきません。
会員として参加し、プラットフォームを活用するために、一律に金5000円の年会費を戴いているだけです。

–星野様が組織を運営するにあたって、楽しいと感じる時はどのような時ですか。

星野氏:弁護士としての活動のときとは異なるさまざまな人や物事に出会う時です。私自身がベテランの方やベンチャーの方たちと会う機会が増え、新たな価値観に触れたり、気づきを得られたりすることもそうなのですが、私たちの取り組みを通じて、新しいネットワークが生まれてくるのを見るとやりがいを感じますね。

若い起業家をサポートする社会貢献がしたい


–団体を立ち上げられた経緯について教えてください。

星野氏:私は、これまで弁護士として34年、それ以前には裁判官として6年働いてきたのですが、弁護士としての活動を継続する一方で、「これまでの活動とは違う社会貢献がしたい」と思うようになったんですね。

では「自分には何ができるだろう」と考えたときに、今までの経験を若い方に伝え、支援してあげることではないかと思い至りました。そして、それは自分だけでなく、社会のベテランの方々も、みな同じ気持ちがあるのではないかと思ったのです。

人生100年時代といわれる現在、働き方改革もあって従来よりも長く働く人たちが増えています。しかし、実際には定年を迎えたり、会社内のポジションが変わったりしてくると、だんだんと社会での活躍の場が狭まってきてしまう。でも、まだまだ社会の中で輝きたいという気持ちは強いと思うのです。

そういったベテランの人財を組織して、今までに培った知識、経験、英知を活かして、若い起業家たちを支援する活動ができれば、ベテランの方々も、若い経営者ももっと輝けるだろうと考えたのが『かけはしプロジェクト』を立ち上げたきっかけです。

–若い方たちの中でなぜベンチャー企業を支援したいと思われたのでしょうか。

星野氏:私は、企業法務を主分野とする弁護士として活動してきましたが、会社をスピンオフして起業されたベンチャー企業の経営者から相談を受けることが多くありました。

そういったベンチャー経営者の方々は、技術や熱意はあるけれど、会社の経営を知らないことが多くて、多くのベンチャーがスタートアップはしても、3年~5年で潰れてしまうんです。もちろん20年、30年と続く会社もあります。しかしそれはほんのひと握りなのですね。

なぜ潰れてしまうのかというと、ベンチャー企業では企業の発展に不可欠な人材が集まらないというのがネックなのです。知名度に乏しいとか、大きな企業のように必要な人材を抱える余裕がないとか、理由は様々ですが、それが現実です。

ベンチャーには技術はあるかもしれないけれど、経営はまた別です。自社技術を活かして、きちんと生産管理して製品を製造し、販売し、資金を回収する。従業員の雇用や教育をしっかりと行う。自社の技術を法的に守ったり、企業価値を高めたりする戦略をたてる。他社と紛争が生じたときに、対応する。

いかに優秀な経営者がいたとしても、経営者だけではできないことが会社経営には沢山あるのです。
でも、それを任せることができる人材がいない。
そういったいろいろな経営課題や問題に対し、ベテラン人財がベンチャーをサポートできれば、お互いにウィン・ウィンの関係になるのではと考え、ベンチャー企業や起業家の支援を始めました。

かけはしプロジェクト目標は会員1000人


–今後の展望を教えてください。

星野氏:私達の活動は2019年4月に始まったばかりです。2020年度は、ベテラン、ベンチャーを合わせた会員数を1000人にまで伸ばすことが目標です。

ベテラン側においては、自分たち創業メンバーそれぞれの繋がりある方たちにお声がけをしたり、ベンチャーが集まるところに出かけて活動をお伝えしたりして、ベテラン、ベンチャーともに会員数を増やしていきたいですし、我々の活動を社会的に周知させることも課題です。
そして今後も「人」を軸としたベンチャー支援に力を入れていきたいと思います。

–ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。

星野氏:経営者の方々へのメッセージとしては、四つあります。
成功された経営者の方々も、元々はベンチャーとして苦労をされてきた方々がたくさんいらっしゃると思います。そういった方々が、ベンチャーを支援する立場から、私たちの提供するプラットフォームを利用して、ベンチャー支援にご協力戴けたら、これ以上嬉しいことはありません。

次に、まだまだ自分たちの会社はベンチャーだよという会社の経営者の方々
もいらっしゃると思いますが、こうした経営者の方々には、自社のさらなる発展のために、ベテラン人財の活用を考えて戴けたらと思います。
そして、経営されている会社に勤務されている従業員の方々に対して、
会社を離れてもこうした活動を通じて社会貢献ができる場があるよというように、我々の活動を周知して戴ければ有り難いなと思います。

そして、最後に、我々の活動に支援をお願いしたいと思います。我々もスタートアップして活動を始めたばかりです。一般社団法人として一律5000円の年会費のみで運営しておりますので、財政的には厳しいです。
社会貢献の一つとして、我々の活動への支援という形で企業様からのご寄付を戴ければ、とても有り難いです。何卒よろしくお願いいたします。



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